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» 2013年10月25日 19時57分 UPDATE

“ラッキー”が30分に1回 お得感が増したKDDIの「auスマートパス」戦略 (1/2)

KDDIのスマホ/タブレット向けサービス「auスマートパス」。今回の拡充では、配信クーポンの増加や百貨店や旅行代理店とのコラボなど、物販・ECとの連携が強化された。その狙いをKDDI高橋氏が説明した。

[平賀洋一,ITmedia]

 KDDIがスマートフォンやタブレット向けに提供している有料サービス「auスマートパス」。月額390円のワンプライスで、アプリの使い放題から会員限定クーポン、サポート特典などを提供するサービスとして、2012年2月にスタートした。

photophotophoto サービスを拡充したauスマートパス
photo KDDI取締役専務の高橋誠氏

 10月24日に発表されたサービスの拡充では、三越伊勢丹、エイチ・アイ・エス(H.I.S.)、一休と提携し、会員限定の商品や海外ツアーなど、買い物や旅行で使える特典を追加。これまで、アプリやサービスなどのデジタルコンテンツが中心だった内容から、日々の生活に関連する要素を強化し、O2Oとしての取り組みも開始する。また、性別や地域など、ユーザーの属性に合わせたタイムライン表示を取り入れるなど、ビックデータの活用も強く意識しているのも特徴だ。

 KDDI代表取締役執行役員専務で新規事業統括本部長の高橋誠氏は、「auスマートパスは、多くのスマートフォンユーザーがオープンネットに安心して込み出せるサービスとして提供してきた。マルチデバイス、マルチユース、マルチネットワークの3M戦略は引き続き行なっていくが、auのスマートフォンは“スマパス”を中心に据えて強化して行きたい」と説明する。

photophotophoto 現在の会員数(写真=左)と課金後の解約率(写真=中央)。年度末には1000万契約を目指している(写真=右)

 auスマートパスの会員数は9月末時点で800万人を突破。高橋氏は「会員数が同規模のサービスは多いが、『有料』となると話は別。Yahoo!プレミアムが900万強の会員数であることを考えると、(auスマートパスの)伸びのスピードは速い」と自信を見せる。KDDIでは今回のサービス拡充などを通じて、年度内の1000万会員到達を目指している。

 また継続利用率が高いのもポイントだ。1カ月の無料期間を設けているため初月退会する割合は10数%あるが、有料課金移行後の解約率はAndroidが99.7%、iOSで98.6%と極めて低い。特にiOS向けの場合は、AppleCareの修理代金サポートが好評で、Androidはアプリの使い放題とあんしん系のサービスが人気。クラウドアプリや「ジブリの森」を使っているユーザーの解約率はさらに低くなるという。

 しかし高橋氏は、「auスマートパスがコンテンツ使い放題だけでいいのか? という議論もあった」と振り返り、「ケータイ時代に戻りたいわけではないが、スマホ化で(キャリアとの)ユーザー接点が薄くなったのは事実。ユーザーの満足度をさらに上げるという、スマパスの原点に返りたいと思う。クーポンサービスの見直しはその1つ」と、今回のサービス拡充の狙いを説明した。

 auスマートパスが新たに提供するのが、「プレミアムな体験」と定義する“特別なおトク感”だ。例えば伊勢丹とのコラボ商品や限定ショッピングツアーなどが、auスマートパス会員向けに提供される。その仲介には、KDDIが出資するECプラットフォーム運営のorigamiが大きな役割を果たしたという。「伊勢丹は創業100年を越える老舗で、その集客力は世界最大規模。我々通信会社とのコラボは意外感があるが、ECプラットフォームを提供するorigamiが伊勢丹に持ちかけ、2社を引き合わせてくれた」(高橋氏)

photo 左から、エイチ・アイ・エス執行役員本社情報システム本部本部長の高野清氏、KDDI高橋氏、一休取締役宿泊事業部長の榊淳氏
photophotophoto 伊勢丹、H.I.S.、一休が提供する特典の一例

 またエイチ・アイ・エス、一休との提携により、海外ツアーや高級ホテル・旅館、レストランの予約が割引になる。2社との交渉は高橋氏本人が直接行なったといい、「auスマートパスの規模や過去のクーポン利用の実績が評価され、いずれもトップダウンで即決していただいた」(高橋氏)という。

 今回のサービス拡充で多くのユーザーにとってうれしいのが、KDDIが「ラッキー」と呼ぶ、日常で使えるクーポンの配信数アップだろう。“30分に1ラッキー、1年間なら1万5000ラッキー”という規模でクーポンを配信。より幅広い層に使ってもらえるよう、首都圏だけでなく日本各地で利用できるチェーン店のクーポンを用意した。高橋氏は、「スマートフォンは普及期にあり、auスマートパスはより多くの人に月が月額390円で“おトク”と思っていただく必要がある。ラッキー(クーポン)も、売れ筋商品で使えるものが重要」と補足する。

photophotophoto 毎日の生活に役立つ“ラッキー”(クーポン)を30分に1つのペースで配信する
photophoto “ラッキー”をフル活用した場合のお得感。人によっては1日で3万円以上の割引特典を受けられる

 サービス拡充の狙いはユーザー満足度の向上だが、auスマートパスをO2Oプラットフォームとして活用したいという側面もある。「これまでもローソンとタイアップしたクーポン企画を行なってきた。その実績は高く、有料サービスとして800万人にリーチする日本有数ユーザー接点だと思う。auスマートパスは有料サービスであり、膨大な“原資”がある。今まではこれをコンテンツプロバイダーに還元してきたが、それはクーポンも同じ。割引分は、提供企業が半分、KDDIが半分を負担している。auスマートパスは、O2Oを利用して送客しつつ、レベニューシェアも提供する仕組みだ」(高橋氏)。セグメンテーションの手法には、グループ企業の沖縄セルラーが取り組んでいる地域密着のマーケティングも参考にしているという。

photophoto タイムラインの強化やiPhone向けアプリのリリースもサービス拡充の一環だ

 ユーザー接点の強化策として、auスマートパスの情報を表示するタイムラインも改善した。ユーザー属性に応じて表示内容を変えるほか、iOS向けには専用アプリを提供して、弱かったプッシュ配信機能をアップさせている。また、冬モデルの「isai LGL22」に搭載されているisaiスクリーンや、auスマートパス用のウィジェット、「ホームアレンジ」アプリなど、さまざまなホーム画面からタイムラインへのアクセス性を高めた。

 膨大なお得情報をスムーズに伝えるタイムラインを強化することで、「(提携企業の1つである)LUXAが手がけるプレミアムクーポンなど、フラッシュセール・フラッシュマーケティングとの親和性が高くなる」(高橋氏)という。

photophoto 発表会には、auのCMキャラクターを務める剛力彩芽さん(写真=左)と、山里亮太さん、しずる(村上純さん、池田一真さん)らがゲスト出演した
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