「Nexusのブランドを日本で育てたい」――イー・アクセス、エリック・ガン社長の囲みに突っ込み石川温のスマホ業界新聞(1/2 ページ)

» 2013年11月08日 12時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 11月1日、イー・アクセスはGoogleのスマートフォン「Nexus5」を取り扱うことを発表した。GoogleがNexus5を発表することは予想されていたが、まさかイー・アクセスが扱うとは思いもしなかった。しかも、Googleが発表した直後にイー・アクセスが会見を開くなど異例ずくめの展開となった。記者会見ではTシャツ、Gパン姿で登壇したエリック・ガン社長が、囲みに応じた。

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―― これまでイー・モバイルはスマホにポケットWi-Fiの機能を入れてきたが、今回はGoogleブランドのフラグシップモデルを出してきた。ブランドに対する考え方を聞かせて欲しい。

ガン社長 世界の商品であるNexus5のブランドを日本で育てて行きたい。社内でも議論したが、イー・モバイルはサービスの会社であり、端末は(ブランドを)わけていく。iPhoneもオペレータの名前を入れていない。こっちのほうがクールなのではないか。

(★ Nexusだけでなく、GALAXYやXperiaなどのグローバルブランドも、素の状態で売って欲しいな)

―― SIMフリーで販売されるのか。

ガン社長 SIMフリーです。Googleが売っているものと変わらない。しかし、GooglePlayで売られているものにうちのSIMを差しても動かない。うちの端末はほかのSIMを差しても動く。うちのポリシーはSIMフリーであり、端末自体はSIMフリー。

(★ スマホに詳しい人はやっぱりGooglePlayから買っちゃうんだろうな。自分もGoogleの発表直後に購入したし)

―― 今回、ソフトバンクの2.1GHz対応だが、そのあたりはアピールしなくていいのか。

ガン社長 2.1GHzはエリアが広くて、さらにプラチナバンドもあるし、LTEは2つの電波で速くなる。利便性から(ソフトバンクの電波を使うことを)重視した。

(★ イー・モバイル単独で1.7GHzオンリーだったら、調達は難しかっただろう)

―― Nexusというと端末価格がかなり安いのが魅力だが、そこもイー・モバイルとしては考慮したのか。

ガン社長 端末では(我々の)利益ない。赤字に近い。もともと日本のGoogleが設定したのは3万9800円で、我々もキャンペーンで同じ価格で提供している。ドコモ、auからのMNPは一括2万4800円で月額2500円、2年間で6万円ぐらいの料金で端末を利用できる。

(★ Googleが販売している以上、勝手な値付けは難しいわけで)

―― 今回、5GBでの容量制限となっているが。

ガン社長 いままでと同じであり、従来と同じ制限をしている。8〜9割のユーザーは5GBまで達しない。ほかのお客さんのバランスから見ると5GBが適正。スマホユーザーは5GBがいかない人が結構多い。全体の9割は超えている。ルーターは違うが。

(★ Nexus5を欲しがるユーザー層となると5GBに達する可能性も多そうな気がする。大画面でさくさく動くわけで、従来、イー・モバイルが扱ってきたスマホとは違う気がする)

―― Nexusシリーズの発売を検討したのは初めてなのか。

ガン社長 最初です。

―― 独占的な契約なのか。

ガン社長 (独占的に)近いですね。Googleも売るが、事業者はうちだけ。

―― MNPのポートインで安くなるのがドコモ、auのみだが。

ガン社長 グループのシナジーを考えるとカニバってしまう。2515円になるが、やっぱりドコモ、auだけしかできない。

※初出時に、月々の料金を1515円としてましたが、正しくは2515円です。お詫びして訂正いたします(11/11 15:00)。

(★ 矢沢永吉が「挑戦するスマホ」と言ってるくらいなんだから、言い訳せずにぜひ攻めて欲しい)

―― 御社に加入するとソフトバンクの契約者としてもカウントされるんですよね。

ガン社長 そうですね。

(11/11 15:00追記★ Nexus5はイー・アクセスではなく、ソフトバンク回線としてカウントされるとのこと)

―― ちょっと前の端末にはセット割が適用できないが、支援策はないのか。

ガン社長 (適応できるのは)2つだけ。最近、発売されたGL09Pと今度発売になるGL10Pですね。しかし、店頭でいろんなキャンペーンがある。

―― ソフトバンクグループのなかで、イー・モバイルはどういった価値を提供するキャリアになるのか。

ガン社長 我々のビジネスドメインはデータ通信のお客さん。ウィルコムは音声の誰とでも定額など入り口にして、スマホに進出してきた。我々はデータユーザーがターゲット。ポケットWi-Fiのブランドを生かして、スマホに持って行こうと思う。

―― 何割ぐらいスマホユーザーに持って行きたいか。

ガン社長 いまはポータブルWi-Fiルーターのユーザーが圧倒的に多い。目標は高く設定しており、全体の20〜30%にしたい。

(★ ポータブルWi-Fiルーターは速くて安くて広く使えればいいわけで簡単に他社に流れる。これからスマホユーザーを増やして囲い込まないとつらいかと)

―― 冬モデルはこれから増やしていくのか。

ガン社長 いろいろ武器は準備している。

―― グループのシナジーは、ネットワーク以外にあるのか。

ガン社長 ショップは、我々には200店舗、ウィルコムは800店舗ある。ウィルコムプラザを活用したい。予約も徐々にウィルコムプラザで展開したい。

(★ PHSとのMNPが実現したときに、さらに相乗効果が出るのか)

―― 同じNexusシリーズであるタブレットを販売する予定はあるか。

ガン社長 すでにセット販売を店頭でもやっている。Nexus7とポケットWi-Fiルーターでのセットが多い。SIM入り(のNexus7販売について)はまだいえない。まずはNexus5で頑張ります。

―― GooglePlayで売られている端末と、イー・アクセスが扱う端末では、LTE対応バンドは全く同じと見ていいのか。

ガン社長 はい。

ガン社長の背後にいた担当者 900MHzが外れている。いまサービスとして提供できるものを書いている。

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