米Synapticsが12月12日(現地時間)、スマートフォンのディスプレイに内蔵できる指紋センサー「Clear ID FS9500」を発表。OEM5社に対して量産を開始した。
現在、スマートフォンに搭載されている指紋センサーはディスプレイ下にあるホームボタンやサイドキーに内蔵したり、背面に搭載したりする形が主流だが、Clear IDを活用すれば、画面をタッチしてガラス越しに認証できるようになる。
特に2017年は、Galaxy S8やGalaxy Note8、iPhone Xなどベゼルのほとんどない大画面のスマートフォンが増え、狭額縁化に伴い、指紋センサーの扱いが変わりつつある。例えばS8やNote8の指紋センサーは従来のホームボタンから背面に移動した。iPhone Xでは指紋センサー(Touch ID)は搭載されず、顔認証の「Face ID」が唯一の生体認証となった。
ディスプレイに指紋センサーを内蔵可能になれば、狭額縁のスマートフォンでも指紋認証しやすくなる。気になるのは認証精度だが、同社によると、顔認証よりもClear IDの方が速く認証できるという。
安全性については「SentryPoint」という認証技術が担保すると説明。SentryPointは、指紋テンプレートを適合、認証させる「Quantum Matcher」、偽装された指紋データと本物の指紋データを識別する「PurePrint」をサポートするほか、暗号化にも対応する。
本体の内側に内蔵する指紋センサーは、Qualcommも超音波を使った「Sense ID」という技術を開発しており、金属、ガラス、プラスチックなどの素材越しに認証できるほか、手がぬれていたり汚れていたりしても認証できることを特徴としている。
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