GoProの全天球カメラ「FUSION」の国内正規販売が、4月2日に始まりました。FUSIONは360度のビデオや写真を5.2Kの高画質で撮影でき、VR動画から通常の画角の動画として切り出せる「OverCapture」機能が特徴です。価格は8万9800円(税込)。
Instagramでは「#ゴープロのある生活」というハッシュタグが作られ、100万件以上投稿されるほど人気となったGoProシリーズ。FUSIONではどんな動画が撮影できるのか、早速使ってみました。
本体は正方形の手のひらサイズ。前後に2つの魚眼レンズが付いており、前面にはバッテリー残量などを表示するディスプレイが搭載されています。
手持ちだと映像の大部分に手がかぶってしまうため、説明書のイラストを見ながら付属品の自撮り棒をセットします。自撮り棒は簡易三脚にもなるので、初めから地面に置いての撮影もできるようになっています。
USB Type-Cケーブルで充電し、microSDをセットしたら準備完了。録画ボタンを押せばすぐに撮影が始まります。microSDは2枚必要なのでご注意を。高解像度の全天球映像を素早く記録するため、フロントとバックそれぞれのカメラにmicroSDを1枚ずつ割り当てており、180度映像をカメラ内でステッチングして360度映像を生成します。
もう一度録画ボタンを押せば撮影が終了し、自動的に動画が保存されます。歴代GoProシリーズと同じく感覚的に操作できるので、決定的な瞬間も見逃さずサッと撮影できます。
ここまではいつものGoProと同じ。高精細な5.2Kで30fps、進化した手ブレ補正、360度音声と高性能なので、設定など全く何も考えずに撮影できました。でも、FUSIONがスゴいのはここから!
FUSIONで撮影した360度動画は、スマホアプリの「GoPro」を使って編集します。今回注目の新機能が、撮影した360度動画から、通常の画角のHD動画を後から切り出せる「OverCapture」機能です(現在iOS版のみで、Android版は近日対応予定)。
動画をアプリに読み込んだら、切り取りたい動画を選択します。指でスライドするとアングルも変わるので、好きな構図を決めて録画ボタンをタップして録画開始。
録画中もスワイプ、ピンチイン・ピンチアウトすることで、不要な要素を排除し、好きなアングルだけを切り取ることができます。VR動画のように、iPhone本体を動かして感覚的にアングルを変えることも可能。初めて触ったときは「何じゃこりゃ、簡単すぎる!」と思わずのけぞりました。
完成した動画はアプリからそのままSNSなどへ共有できます。GoProの公式動画編集アプリ「Quik」に引き継いで、音楽などを加えたハイクオリティーな動画にも仕上げられます。この動画は編集時間が10分もかかっていません。簡単にも程がある!
撮影からシェアまでがあまりにスムーズなので、旅行先で撮った思い出を帰りの電車の中で編集して、自宅に着く頃には全てSNSにアップ完了なんて離れ業もできてしまいます。動画のダイナミックさはもちろん、編集までシームレスにできるGoProのエコシステムも、InstagramでGoProが支持を集める理由の1つなのです。
FUSIONからアプリ編集の一連の流れを体験して驚いたのは、とにかく誰でも簡単にリッチな動画を製作できること。そこにカメラのセンスだとか撮影技術は必要ありません。
取りあえず360度全ての景色を撮っておいて、後からOverCaptureでイケてるところだけ残そうぜ、というスタンスです。カメラワークを考えるのが苦手でも、後からゆっくりアプリで好きなアングルを決めればオールOKなのです。
FUSIONは10カ国語対応のボイスコントロール機能、GPS、加速度計、ジャイロスコープなどを搭載し、5mまでの防水、無線LANとBluetoothに対応します。撮影モードは他にもタイムラプス、タイムラプスフォト、ナイトプラス、バーストモードがあり、1800万画素の全天球フォトも撮れます。
360度映像が撮影可能なアクションカメラとして必要な機能は十分搭載されているので、カメラ初心者でもボタン1つで高品質な動画が撮影できます。ハイスペックゆえに価格もハイですが、これ1台あれば、夏のアクティビティーから子どもの成長記録まで、あらゆる思い出をダイナミックに残せるはずです。
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