名刺サイズの「カードケータイ」レビュー ニッチな製品だがガジェット愛好家に最適(2/2 ページ)

» 2018年11月25日 06時00分 公開
[島徹ITmedia]
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バッテリーの持ちは?

 ネットワークはWi-Fi(IEEE802.11 b/g/n)も利用可能だ。Wi-FiテザリングやBluetooth、IPX2の防滴にも対応している。ただ、テザリング用として使うには、後述する通りバッテリー容量が少ない。また、カードケータイは最新スマホと違って対応している周波数帯が少なく、通信の混雑に弱いので、テザリング用として使うのにはあまり向いていない。

カードケータイ Wi-FiやBluetoothに対応。テザリングも利用できる
カードケータイ 側面にnanoSIMスロットを搭載

 本体バッテリーはMicro USBから充電できる。なお、バッテリー容量は380mAhとかなり少ないが、待ち受け時間が100時間、連続通話時間110分を(スペック値で)実現している。スマホと違って通話とSMSの利用が中心になるので、この容量でも1日の外出程度は持つ。

APKでのアプリインストールは可能?

 カードケータイも、近年のケータイと同じくAndroidベースのハードやOSに、ケータイとしてのUI(ユーザーインタフェース)をかぶせた、いわゆるガラホやガラスマなどと呼ばれるモデルだ。そこでマニアが気になるのは、PCからAPK(Androidアプリのファイル形式)のアプリをインストールできるかだろう。

 サポート対象外の操作ではあるが、試してみたところ、ビルド番号を7回タップして開発者モードを呼び出し、USBデバッグを有効にできた。適切なドライバーを入れたPCからADB(Android Debug Bridge)を通じてAPKをインストールできた。ただ、カードケータイはアプリの追加を想定したUIを搭載しておらず、標準のホーム画面にアプリを追加することはできない。

カードケータイ 開発者モードを表示して、USBデバッグを有効にできた
カードケータイ 「Amazonアプリストア」のAPKをインストールできた
カードケータイ 「アプリストアで開く」を選ぶとストアアプリが起動し、「ウェブ」を選ぶとアプリのインストール案内ページが開く

 なお、詳細な手順を記載すると、これだけで記事が1本書けてしまうので、今回は割愛する。気になる方は、検索するなどして、自身で調べてほしい。

2018年11月30日13時44分追記

 今回のレビューで使用したのは発売前の試作機だった。NTTドコモによると、製品版では開発者モードを呼び出したりUSBデバックを有効にしたりすることはできないとのこと。

コレクション向け? ガジェット好きは注目のケータイ

 このカードケータイをお勧めするのは、既にスマホを持っているガジェット好きだろう。本体自体のコレクションや、プライベートでビジネスとは違う電話番号のケータイが欲しいといった用途には向いている。

 一方、従来のケータイ代わりとして使うにはドコモメールやLINEに非対応なので使いづらく、子供向けにするにもGPSなどの位置情報を取得する機能もないのが気になるところだ。カードケータイはかなり狭い範囲だが、ガジェット愛好家向けに売られるケータイとみた方がいい。

 一括価格は3万1752円(税込)、月々サポートの24回分を引いた実質価格は1万368円(税込)。スマホとは別に、もう1つ変わったケータイが欲しい人は、購入してみてはいかがだろうか。

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