オープン化に伴い、ヤフーやDeNAなどこれまで競合とみられてきた企業とも手を組んだ。「どこも競合ではなく、パートナーだと思っている。お互いに自社の強みを生かし合いながら、ユーザーの利便性を上げ、パイを広げられる」と笠原社長は話す。
一方グリーは9月10日、ミクシィの発表に合わせるように、GREEの「いいね!」ボタンをオープン化。mixiと正面から対決していく姿勢を明確にしている。
笠原社長は、「GREEさんもmixiチェックをご利用いただけるといいのではと思う」と余裕の構え。mixiのソーシャルグラフは現実にひも付いているが、GREEのそれはゲーム中心に構築されているため競合しないと考えているため。DeNAはその考えのもと、ソーシャルグラフはmixiに依存し、モバゲータウンはゲームサービスに特化する方針を打ち出している。
「ゲームコミュニティーとソーシャルネット両方を同じサービス内で追求していくというのは結構難しいのではないかと思う。GREEもソーシャルネットでやっていくならガチンコになるが、今はゲームコミュニティーだと思っている。その場合はチェックも使っていただければ、お互いメリットがあるのでは」
ソーシャルグラフをオープン化し、サードパーティーと連携していく戦略では、Facebookが大きく先行。「Facebookはmixiと同じ04年2月に始まった。目指しているものはごく近く、動きもしっかり見ているので、影響される部分というのはあるとは思う」と笠原社長は認め、「ソーシャルで何ができるかがよく分かっている企業」と評価する。
中国最大のSNS「人人網」(Renren)、韓国最大のSNS「Cyworld」との連携も発表。欧米などで「(Facebook以外の)現地のナンバーワンSNSと話をしている」という。mixiにアプリや連携サービスを提供する企業が国際展開しやすいよう、APIの仕様統一などを図っていく。
国際的なアライアンスの狙いを笠原社長は「Facebookが現状、世界最大のプラットフォームになっている。そこに対抗するわけではないが、もう1つ別の極を作っていきたい」と語る。「例えば、米国で有力なアプリ事業者が今後世界展開する際、Facebookに出して終わるのではなく、もう1つの選択肢として存在感を打ち出したい」
Facebookは今年1月に日本法人を設立。日本の携帯電話に対応したり、位置情報との連動サービス「スポット」機能をスタートするなど、日本での攻勢を強めつつある。
「SNS市場は発展段階。世界の利用者数トータルでも10億人いっておらず、世界全人口68億人と比べるとまだまだ。いまからFacebook対抗とまでは考えていないが、Facebookで十分という感じになるのはもったいないいし、早過ぎると思っている。今の段階から、もう1つの“極”を作りたい」
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