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» 2011年01月17日 07時00分 UPDATE

「Webサービスにテーマソングを」「目指せ紅白歌合戦!」 WEBライダー、戦いの記録 (2/2)

[宮本真希,ITmedia]
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目指せ紅白歌合戦! テーマソングマーケティングって何だ!?

画像 恋のSEO!/マージントップで歌わせての公式サイト

 MIDI素材集やSEOマニュアルといった自社コンテンツの販売でスタートしたWEBライダーは、現在はWebサービスの受託開発やSEOコンサルティングに加え、テーマソングを制作して製品やサービスをプロモーションする「テーマソングマーケティング」まで手がける。

 「歌の力ってすごいと思う。一番アナログな表現方法で、声があればどこへでも発信してもらえる。だからこそ、歌の力を使ってWebに集客してみたいと思って」――テーマソング制作に注目した理由をこんな風に語る。

 松尾さんはまず手始めに、自社宣伝として2曲を制作した。恋愛をSEOになぞらえてポップに歌う「恋のSEO!」と、マージンの挙動に泣かされてきたプログラマーに捧げる曲「マージントップで歌わせて」で、1枚のCDに収録して09年に発売した。

 「恋のSEO!」はアップテンポなメロディーで、歌詞も「恋のリズムはアルゴリズムさ」「今日順位上がった スクロールさよなら」「さあ始めようよ 2人の愛のチューニング」とノリノリ。SEO担当者なら気分がアガること間違いなしだ。

 一方「マージントップで歌わせて」はドラマティックなメロディー。「削れきれないコードの闇にもがいて」「戻れない2人の距離 110ピクセル」「見えない心 Z-index 引かれた Border solid」と失恋をにおわせる大人な歌詞が切ない。

 アドビシステムズのアクセス解析イベントで楽曲を披露するなど、地道に曲のPRを続けてきた。CDの売り上げ枚数は400枚。CD発売から半年後に始めたiTunes配信と着うた配信ではそれぞれ50回ほどダウンロードされている。

 夢はNHK紅白歌合戦の出場だ。「恋のSEO!紅白への道」と題したブログを開設し、「CD販促の涙の記録」をつづっている。音楽関係者にとって「紅白は最強のマーケティング到達点。紅白に出ればWeb業界も盛り上がると思うので、最終到達点を目指します」。

Amazon MP3のダウンロードランキング1位に

画像 私の心の中の関数/愛のウイルス対策の公式サイト

 昨年11月には、PC教室を運営するイー・トラックス(京都市)から「PC教室の生徒のモチベーションを上げてほしい」と依頼され、Excel関数を覚えるための切ないラブソング「私の心の中の関数」と、ウイルス感染が引き起こした愛の修羅場を歌う「愛のウイルス対策」を制作。CD販売とiTunesやAmazon MP3での配信を始めた。

 「私の心の中の関数」はしっとりしたメロディーで、出会った男のデータをExcelファイルで管理するOLの日常を歌った曲。「今日も追加したセルに 新しい名前そっと紡いだ」「いつからか マクロな日々で ISNUMBER 数字だけ見てた」などと寂しげな歌詞に、女性の少しハスキーな声がマッチしている。

 歌詞の内容とリンクした恋愛小説「東京エクセル物語」も公開。小説の途中に挿入されるIF関数の詳細な説明は、イー・トラックスが運営するPC教室が担当している。「歌詞を書いた時点でストーリーが頭の中にあったので、小説にしたいと提案したら、イー・トラックスがノリでOKしてくれた。PC教室の知名度と生徒のモチベーションが上がっているみたいです」

 「愛のウイルス対策」は、「私の心の中の関数」と打って変わってロック調。歌い始めから巻舌気味に「ウイルスの対策 してなくて感染」と全開だ。「ソフト期限切れだったなんて メールも愛も消えた I miss you」と愛の修羅場を描き、「あなたのソフト化石みたいよ お願い 最新版を入れて」と対策を呼びかける。

 曲の売り上げは公開していないが、「私の心の中の関数」は発売直後に一時、Amazon MP3のダウンロードランキングで国内1位になった。「1〜2時間くらい1位にとどまっていた。宇多田ヒカルさんより上でした」

画像 目指せ紅白歌合戦!

 テーマソングを作るときは「メロディーと歌詞のバランス」に気をつけ、「アカペラで歌っても通用するような曲を作る」ことを意識している。WEBライダーが手がけた4曲はすべてラブソング。作詞・作曲した松尾さんは「人間の中で恋愛に対する思いって強いもの。恋愛イコール叫びで、叫びイコール歌です」とラブソングへかける思いを語る。

 今年は自社のWebサービスすべてにテーマソングを付ける方針を立てている。Twitterでつぶやいている社長のアカウントリストを編集・共有できる「追随社長」や、Twitterで気の合いそうなユーザーをDMで教えてくれる「秘書ったー」など自社サービスは10個ほどあり、テーマソングを集めたベストアルバムを出す計画だ。

 テーマソングマーケティングにも力を入れていく。「音楽を嫌う人はあまりいない。ビジネスはお金の匂いがするものだけど、テーマソングがあることで、その製品やサービスにかける思いがストレートに伝わったりする。これからもWebライダーにしか提案できないサービスをやっていきたい」

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