NH90E/Tが搭載するCPUは、FSB 800MHz、Northwoodコアのデスクトップ向けPentium 4/3GHzだ。現時点で間違いなく最高グレードに属するCPUである。
チップセットには、SiSの「SiS648FX」を採用する。同チップセットはFSB 800MHzに対応しているが、残念ながらメモリのデュアルチャンネルには対応していない。デュアルチャンネルは、2基のメモリスロットに同じ規格のDDRメモリを搭載することで、2倍のメモリ帯域幅を実現するというものだ。
グラフィックチップには、ATI Technologiesの「MOBILITY RADEON 9600」を搭載する。ビデオメモリ容量は64Mバイトだ。今年の4月3日に発表はされていたものの、なかなか搭載製品は登場せず、ようやく秋冬モデルからポツポツ搭載されるようになったグラフィックチップである。MOBILITY RADEON 9200および9000はDirectX 8.1までの対応であり、DirectX 9に対応したMOBILITY RADEON 9600の登場を心待ちにしていた人も多いのではないだろうか。
メインメモリはPC2700のDDR SDRAMを512Mバイト搭載する。メモリスロットは2基あるが、256Mバイトのメモリモジュールをそれぞれに挿着した状態で出荷されるため、空きスロットはゼロである。メモリを増設する際には既存のメモリが無駄になってしまうため、512Mバイトモジュールを搭載してほしいところではあるが、512Mバイトモジュールは高価なので、そのまま価格に跳ね返ってきてしまうのが悩ましいところだ。
搭載HDDは、東芝製の「MK8025GAS」である。容量は80Gバイトで、インタフェースはUltraATA/100、回転速度は4200rpm、キャッシュの容量は2Mバイトだ。出荷時にはCドライブに64.5Gバイト、Dドライブに10.0Gバイトが割り当てられている。ノートPCとしては大容量HDDを搭載しているが、テレビ録画やビデオ編集などの用途で利用する場合は、外付けHDDが必要になってくるだろう。また、回転速度が4200rpmと低速なので、ビデオキャプチャ時にコマ落ちする可能性もある。
ベンチマークの結果は以下の通りだ。解像度はXGA(1024×768ピクセル)、色数は32ビットフルカラーで、計測した3回の平均値を掲載している。
CPUやメモリなどの基本的なハードウェアスペックは、PCMark2002の結果からもわかるように、ノートPCとしては最高レベルである。HDDスコアが思ったほど伸びていないのは、回転速度が4200rpmと比較的遅く、キャッシュ容量も2Mバイトと少ないためだと思われる。
DirectX 8.1ベースの3Dグラフィック性能は、3DMark2001SEとFinal Fantasy XI Official Bench2から判断すると、デスクトップPCに搭載されるようなハイエンドグラフィックカードにはかなわないものの、ノートPCとしては最高レベルのスコアである。ちなみに、デフォルト状態でストレスなくFinal Fantasy XIを楽しむには、1500〜1999のスコアが必要とのこと。4000オーバーであれば、高解像度モードでのプレイも可能である。
いずれのベンチマーク結果も優秀で、ビジネスアプリケーションのみならず、ビデオ編集や3Dゲームもストレスなく楽しめるだけの十分なスペックを有している。ノートPCとしては最高レベルの性能だと言って間違いない。
光学ドライブには、バッファアンダーランエラー防止機能を装備した松下電器製DVDマルチドライブ「UJ-811」を搭載する。スペックは、最大書き込み/書き換え速度はDVD-RAM2倍速、DVD-R2倍速、DVD-RW1倍速、CD-R16倍速、CD-RW8倍速、最大読み出し速度がDVD-ROM8倍速、CD-ROM24倍速だ。
現在利用されているすべての無線LAN規格(IEEE802.11a/b/g)に対応しているのもNH90E/Tの特徴だ。無線LANチップにはAtheros製の「AR5001X+」を搭載する。IEEE802.11a/b/gのすべてに対応したノートPCは多くないので、他のノートPCに対するアドバンテージとなるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.