NH90E/Tのテレビ録画は、ハードウェアエンコードで行う。CPUの占有率も低いので、テレビ番組を録画しながらWebブラウジングしたり、ビジネスアプリケーションを利用することも可能だ。
テレビの視聴や録画には、松下電器の「TVfunSTUDIO」を利用する。他のテレビ視聴・録画ソフトと同様にタイムシフト機能や追っかけ再生機能などを搭載しており、操作ボタンもわかりやすい。同ソフトと連動する電子番組表「G-GUIDE」はジャンルや芸能人で番組を検索できるなど、単なる番組表にとどまらない使い方が可能だ。
付属の赤外線リモコンは使い勝手も上々だ。赤外線の受光部は本体前面部にあり、受光ユニットを外付けしなくても済むので、本体まわりがすっきりしている。
録画した番組や外部から取り込んだ映像の編集には「MotionDV STUDIO」を、DVD-RAMへの保存には「DVD-MovieAlbum」を、DVD-R/Wへの保存には「MyDVD」をそれぞれ利用する。これらはすべてNH90E/Tにプリインストールされている。
NH90E/Tは、16.1インチSVGA+(1400×1050ピクセル)表示の「スーパーファインDX液晶」を搭載している。このタイプのPCでは当たり前になったいわゆるツルピカ液晶で、表面に施された低反射・広視野角処理と2灯搭載のバックライトにより、DVDビデオの映像やデジカメで撮影した画像などを、外光の映り込みを気にすることなく、高輝度かつ色鮮やかな画質で鑑賞することが可能だ。D1端子も装備しているので、S端子経由よりも高い映像品質でパソコン上の画面をテレビに出力することもできる。
PCでテレビ番組やDVDを鑑賞する場合は、騒音や内蔵スピーカーの性能は非常に重要である。
CPUファンなどの騒音に関して言うと、CPU負荷の小さい作業をしている場合でも、数分おきにファンは回転した。高負荷時はドライヤーの弱程度の騒音を発し、排出される熱量も相当なものである。一方ディスクの回転音は、ファンの音が大きいのでほとんど気にならない(聞こえない)。ただし、ファンの風切り音は耳障りな甲高い音ではなかったので、音の大きさの割りに気にならなかった。
キーボードの両サイドに配置されているスピーカーの音質は、ノートPC搭載のものとしてはよい方だ。低音域も比較的よく出ている。しかし、CPUファンやDVDマルチドライブからの騒音が大きいので、静かな音楽を本体のスピーカーで聴くのはつらいだろう。
NH90E/Tには、テレビパソコンならではのインタフェースが搭載されている。
本体前面にはリモコンの受光部があり、左側面にはUSB 2.0×2、マイク入力、光デジタルオーディオ出力兼ヘッドホンを、右側面にはSDメモリーカード/メモリースティック両用スロット(メモリースティックPRO対応)、コンポジットビデオ入力、Sビデオ入力、音声入力、アンテナ入力、CardBus対応PCカードスロット(Type I/II)×2をそれぞれ装備する。さらに背面には、IEEE 1394×1、USB 2.0×2、10BASE-T/100BASE-TX LAN、モデム、D1ビデオ出力、Sビデオ出力、外部ディスプレイを搭載している。
PCカードスロット×2、USB 2.0×4、IEEE 1394を装備しているので拡張性は十分だ。パラレルやシリアルなどのレガシーインタフェースは非搭載だが、今となっては大きな問題ではないだろう。
NH90E/Tは、Pentium 4/3GHzとMOBILITY RADEON 9600の組み合わせにより、ほとんどの3Dゲームをストレスなくプレイすることができる。デスクトップ代替機として利用できる十分なスペックを有しており、高性能なPCは欲しいが設置場所を取られたくないというユーザーにはとても魅力的だ。デスクトップ級の高性能をノートPCで実現したいというユーザーにお勧めだ。
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