Apple、Logicの将来バージョンに加わる新技術、Sculpture、UltraBeat、Guitar Ampを披露

» 2004年01月16日 01時16分 公開
[IDG Japan]
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 カリフォルニア州アナハイムで今週開催されているNAMM 2004カンファレンスでApple Computerは、自社のプロ向けオーディオ作成ソフト、Logicの将来バージョンに組み込まれる新技術を披露した。新しいテクノロジーの名前は、Sculpture、UltraBeat、そしてGuitar Ampだ。同社によれば、Logic Proは将来バージョンでGarageBandとの接続性を備えることになるという。

 Sculptureには、新しいコンポーネントモデリングをベースにしたシンセサイザーと説明されている。これは振動する弦やバーなどの物理特性をシミュレートすることにより、音を作り出すもの。ユーザーはストリングスの素材や環境、どこをどのように振動させるかといった点について操作することができる。Apple Computerによれば、Sculptureではモジュレーションをフルに制御し、ボディの共鳴をコントロールし、Morph Padと呼ばれるコントロールシステムをはじめとする各種パラメータを使うことができるという。

 UltraBeatはFM、減算方式、サンプルベース、コンポーネントモデリングといった各種合成方式をサポートしたパーカッションシンセサイザーである。UltraBeatでは最大25種類までの独立したドラムボイスを編集でき、ステップ方式のシーケンサーも備える。AppleはUltraBeatをエレクトロニック・ダンス・ミュージックのプロデューサー向けに開発しており、アナログの名器である808や909のサウンドやワイヤード・パーカッシブ・サウンドを利用できる。ダイナミクスに応じた音色の変化をつけることも可能だ。

 Appleによれば、これらの新技術はEVP88 Electric piano、EVB3 Organ、EVD6 Clavinet、EXS24mkIIといった他のソフトウェアインストゥルメントとともに、Logic Proに統合される予定だという。

 Guitar Ampはその名のとおり、ギターアンプのシミュレータで、よく知られたギターアンプのサウンドを再現する。Guitar Ampではスピーカーキャビネット、マイクロフォンの種類と設置場所、EQの種類と設定といった詳細をユーザーが決めることが可能だ。Macworld Expoでスティーブ・ジョブズ氏が行った基調講演で、ミュージシャンのジョン・メイヤー氏がGarageBandのデモをしたときに使われた技術に似たテクノロジーだ。GarageBandは1月16日、iLife 04として店頭に並ぶ。

 Appleはまた、Logic Proの将来バージョンではApple Loopsの強化版をサポートする予定だと示唆した。Apple Loopsはオーディオループとサウンドエフェクトをリアルタイムでマッチングさせるためのオープンスタンダードで、現在ではAppleのSoundtrackに採用されている。Appleでは将来バージョンのLogic Proでは、MIDIパフォーマンスと、Apple Loopsの新しいソフトウェアインストゥルメント形式に含まれたチャンネル・ストリップ・コンフィギュレーション・データをインポートすることが可能だとしている。

 Appleによれば、この新しいApple Loopsソフトウェアインストゥルメントファイルはオーディオループとしても、ソフトウェアインストゥルメントMIDIループとしても利用可能だという。つまり、Logic ProはGarageBandからプロジェクトをインポートできるようになる、ということだ。

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