個人情報ぶっこ抜きをどこまで阻止できるか――nProtect Personal(3/3 ページ)

» 2004年01月28日 17時55分 公開
[今藤弘一,ITmedia]
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最新のパターンファイルで検索可能な「ウイルス検索機能」

 nProtect Personalの特徴として、オンライン上でアプリケーションが提供されていることはすでに述べたが、ローカルマシンのウイルス検索機能も、この形式で提供されている。

 自分のPC上でウイルスを検索しようとすると、初回検索時はActiveXの画面が表示され、インターネットからアプリケーションをダウンロードして、ウイルスを検索することになる。このあたりはトレンドマイクロの「ウイルスバスターオンラインスキャン」やシマンテックの「シマンテック・セキュリティチェック」など、Web上で提供しているウイルス検索ツールと同じだが、こちらはウイルスを除去してくれない。

ウイルススキャン画面。右下に常駐している画面の「ウイルス検索」ボタンを押すと起動する

 ウイルススキャン画面は直感的に分かりやすい作りになっている。検索したいドライブやフォルダをチェックすれば検索可能だ。

検索してウイルス感染が分かった場合は結果が表示される

 ただしここで不満がある。1つは右クリックで特定のファイルに対してスキャンする機能がないこと、もう一つは「マイコンピュータ」のくくりでフォルダをチェックできるものの、「デスクトップ」という項目がなく、デスクトップ上にある特定のフォルダだけを検索しようとすると、いちいちチェックを入れたり外したりしなければならない点だ。

 特に、右クリックで特定のファイルやフォルダを検索する機能については対応してほしい。今後のバージョンアップを期待したい。

ほかのアンチウイルスソフトと合わせて防御を

 これまで述べてきたように、nProtect Personalは、安価で簡単にセキュリティ対策ができるソフトと言えるが、ひとつだけ大きな欠点がある。それは「メールからから来るウイルスに対応していない」ということだ。

 筆者の環境では、毎日かなりの数のウイルス添付メールがやって来る。これに対する防御が必要なのは言うまでもない。添付ファイルのウイルスを検索するために、いちいちメール格納ディレクトリを指定しなければならないのは面倒だし、うっかり開いてしまえば元も子もない。

 また、Internet Explorerなどで、Webサイト上からダウンロードしたファイルのリアルタイムウイルス検索に対応していないのも難点だ。

 しかしこのソフトは、「キーロガーからの防御」と「パーソナルファイアウォール」を目的としたソフトのように思う。

 パーソナルファイアウォールを実現するソフトは数多くあるが価格が高く、1本4000円〜6000円程度の実売価格で購入しなければならない。nProtect Presonalならば、月300円(年間3600円)と価格も安く、リーズナブルだ。

 アンチウイルス機能が弱いのは難点だが、ウイルス検索機能は「おまけ」と割り切って、ほかのアンチウイルスソフトと併用して、マシンのセキュリティを高めるのに利用するなら便利だとも言える。実際にNorton SystemWorks2003と併用して試用してみたが、特に不具合は起きなかった。

 nProtect Personalは月額300円という低価格ながら、自分のマシンのセキュリティを高められるソフトだ。キーロガー防止という性格上、コンシューマー向けよりもインターネットカフェや公共機関など、不特定多数の人が同じPCを利用する場合、このソフトは必要になってくるだろう。

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