「LaVie S」シリーズがSoundVuと3D液晶を搭載して復活――NEC LaVie S LS900/8E(1/3 ページ)

» 2004年02月17日 19時42分 公開
[平澤寿康,ITmedia]

ノートPC初のSoundVu搭載モデル

 新生「LaVie S」シリーズの最も大きな特徴は、ノートPCで初めて新サウンドシステム「SoundVu」を採用した点だ。SoundVuは、NECのデスクトップPC「VALUESTAR」シリーズ用の液晶ディスプレイとしてはすでに幅広く使用されているが、ノートPCで採用されるのはこのLaVie Sシリーズが初めてだ。

LaVie Sシリーズは、“画面から音が出る”SoundVuサウンドシステムをノートPCで初めて搭載

 SoundVuは、液晶ディスプレイの最前面にあるアクリルパネルを「エキサイター」と呼ばれる専用装置で振動させることで、液晶パネルをスピーカーとしても利用するという技術だ。ディスプレイから直接音が出るため、映像と一体感のあるサウンドが楽しめるほか、一般のスピーカーよりも振動面の面積を大きくできるので、サウンド自体も高音質化できるという特徴がある。

 SoundVuをLaVie Sシリーズに搭載するにあたって、NECはVALUESTAR用の液晶ディスプレイに採用しているものよりも小さい口径13.6ミリのエキサイターを開発した。この小型エキサイターを液晶ディスプレイ下部の左右に2個ずつ搭載することで、ステレオによるサウンドの再生を実現。さらに、本体に5ワットのウーファーボックスを内蔵して迫力のある低音再生も可能にしている。

本体の前面には5ワットのウーファーボックスを内蔵している

 実際に「LaVie S LS900/8E」(以下、LS900/8E)でDVDビデオや音楽CDなどを再生してみたが、ノートPCで再生しているとは思えないほど非常に品質の高いサウンドが楽しめた。AV機能が充実したノートPCでは、有名メーカーのスピーカーを搭載しているモデルもあるが、そういった製品と比較しても、LS900/8Eの再生音ははるかに高品質と言ってよい。

普通に立体視が可能な3D液晶を搭載

 LS900/8Eのもう一つの特徴は、3D液晶を搭載している点だ。よくある3D表示のほとんどは、液晶シャッター式や偏向ガラスなどを利用した専用のメガネを利用しなければならないのに対し、LS900/8Eの3D液晶はそのまま画像を立体視できる。

 人間が両目で物体を見る場合、右目で見ている画像と左目で見ている画像には、角度の違いで若干のずれが生じる。この画像のずれを脳で処理することで、人間はその物体を立体的に認識するわけである。

 パソコンで3D表示を行う場合も、右目で見る画像と左目で見る画像を別々に表示させ、それらを右目あるいは左目でだけ見るようにすれば、人間はディスプレイに表示される画像を立体的に認識できる。

 だが、これまでの一般的な3D表示では、ディスプレイに右目用と左目用の画像を交互に表示し、画像の切り替えタイミングに同期させてメガネの液晶シャッターを交互に開閉することで立体視を実現していることが多く、画像がちらついて見えたり、目が疲れるといった欠点があった。

 これに対し、LS900/8Eに搭載されている3D液晶は「視差バリア方式」を利用している。この方式に基づいて開発された3D液晶では、液晶ディスプレイの画素面とバックライトとの間に、光の透過/非透過を制御する「スイッチ液晶」というもう一つの液晶素子が配置される。

 このスイッチ液晶が、例えば画素面の奇数列は右目、偶数列は左目にのみバックライトの光が届くように視差バリアを形成することで、液晶シャッター式メガネといった特別な機材を使わなくても、画像を立体視できるようになるわけである。

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