Pentium IIIマシンでも、最新HDDに交換するだけで高速化!

» 2004年03月11日 12時55分 公開
[富永ジュン,ITmedia]

老兵と言われようともPentium IIIマシンは健在だ

 最近は、動作クロックが3GHzを超えただとか、64bitで動作するAthlon 64がリリースされたとか、CPUのハイパフォーマンス化についての話題を耳にすることが多い。しかし、実際のところそのようなハイエンドマシンを所有しているのは、PCユーザの中でもごく一部の限られた層だけだろう。

 筆者も例外にもれず、ロートルマシンをいつまでも使い続けている一人だ。我が家では、グラフィック機能を内蔵したIntel 815Eマザーボードに、Pentium III/1GHzと256MバイトのSDRAMを搭載した自作マシンがまだまだ現役で活躍している。パワーユーザからは「買い換えを検討した方がいいのでは?」と思われるようなスペックかもしれないが、これがなかなか捨てきれないだけのパワーを持っているのだ。

 Windows XPをインストールしてもちゃんと動作するし、ハードウェアMPEGエンコーダを搭載したキャプチャカードを使ってのTVキャプチャだとかCD-Rへの書き込み、MPEGムービーやDVDビデオの鑑賞も問題なくこなせる。比較的サイズが大きいOfficeドキュメントだって難なく編集できてしまうのだ。唯一、DivXムービーの再生だけは時折コマ落ちや音飛びがして快適とは言いがたい。また、「FINAL FANTASY XI」などの3Dゲームをプレイするのも難しいだろう。

 しかし、一般的にPC上で行う作業のほとんどはこのマシンのスペックでカバーできてしまう。たしかに別途所有しているAthlon 3200+を搭載したマシンと比較すると、これらの作業を行う時に待たされる時間が長いわけだが、「待っている間にコーヒーが一杯飲めてしまう」といった一昔前の笑い話ほどは待たなくてもいいのだ。

 しかし、ひとつだけ不満な点をあげるならばHDDの容量だ。このマシンに搭載されているHDDは容量30Gバイト、キャッシュ2Mバイトの5400RPMドライブ、Western Digital「Caviar(WD307AA)」だ。今となってはお世辞にも容量が大きいとは言いがたく、毎週楽しみに撮り貯めているTVドラマのファイルであっという間に埋め尽くされてしまった。

 そこで、容量200Gバイト、キャッシュ8Mバイトの最新7200RPMドライブ、Maxtor「DiamondMax Plus 9」に交換することにした。今回のHDD換装は容量アップが主な目的だが、実はひそかにパフォーマンスアップも期待している。さてさて、どうなることやら。

Maxtor DiamondMax Plus 9

HDD換装の効果に思わず小躍り

 HDD換装の手順については、詳しくは雑誌等初心者向けの自作特集を参照してほしい。基本的な流れのみ説明すると、現在あるHDDを筐体から取り外してフラットケーブルと電源ケーブルを抜き、新しいHDDにそのケーブル類を挿して筐体に取り付けるだけだ。ケーブル類は挿入方向が決まっている上、電源ケーブルとフラットケーブルのコネクタ形状はまったく異なるのでどこに挿すかわからない、といったこともないだろう。うまく認識されない時は、ジャンパピンのマスター/スレーブ設定をチェックしてみよう。

 早速新しいHDDにWindows XPをクリーンインストールして、バックアップしておいたビデオファイルを書き戻す。なんといっても容量が200Gバイトもあるので、どんどんファイルをコピーしても余裕たっぷりだ。そこでふと気づいたのが「ん、なんだか動きがスムーズだぞ?」ということだ。基本的なスペックは変わっていないので作業をさせると待ち時間が発生するのはこれまで通りだが、これまでの「もっさり」した動きが「きびきび」に変わっているのだ。そのきびきび感を一番感じたのが、ビデオファイルの入ったフォルダを開いた時だ。

 Windows XPでは、ビデオファイルが入ったフォルダを「縮小版」表示にしておくと、ビデオファイルのプレビュー画面がサムネイル表示される。再生しなくても内容がわかるので、まだ見ていないテレビ番組ともう見てしまったものを振り分ける時などにとても重宝している。

 しかし、いかんせん我が家のPentium IIIマシンではフォルダが開くまでにかなりの時間がかかってしまうため、普段はこの機能を使わないようにしていた。ところがHDD換装後にビデオファイルの入ったフォルダを開くと、縮小版表示でもフォルダが表示されるまでほとんど時間がかからなかったのだ。フォルダがさっと開くというのはなかなか気持ちいい。

 通常のファイルが入ったフォルダも開いてみたが、サクサクと表示される。期待していたよりも体感速度が大きく向上して、小躍りしてしまった。また、これまではサイズが大きいファイルを開くとゴリゴリとかなり大きなアクセス音が聞こえていたのだが、新しいHDDはほとんど気にならないレベルにまで静音化されている。容量アップだけでなく、パフォーマンスと静音性が向上したのも今回のHDD換装の嬉しいところだ。

ベンチマーク総まとめ

 体感速度が予想しないぐらい大きくあがった、というのが筆者の率直な感想だ。しかし、新しいHDDを取り付けたという事実によるブラシーボ効果から、速度が向上したと思いこんでいるだけかもしれない。客観的な指標として、WinBench99とFDBench Ver.1.01の2種類のベンチマークテストを実施した。テスト環境では、プライマリIDEにWindows XPをインストールしたシステムドライブ(Cドライブ)、セカンダリIDEに測定対象のHDD(Dドライブ)を1台ずつ接続した。また、測定対象のドライブはすべての領域を1パーティションに割り当て、NTFSでフォーマットしている。

まずはFDBenchの結果から見ていこう。上が旧ドライブ、下が新ドライブのスコアだ。このスコアは1秒あたりのデータ転送量をKバイトで表示している。すべての項目で2倍以上、項目によっては4倍近い数値が出ている
次は実際にアプリケーションを動作させてパフォーマンスを測定するアプリケーションベンチマーク「WinBench99」を見てみよう。こちらでもすべての項目で2倍以上のスコアが得られている。単純に何をさせても速度が倍になるというわけにはいかないが、やはりHDDの速度に大きく依存する作業を行う場合の快適さが異なってくる。

 結論は、最新のHDDは容量だけでなく速度面も大きく進化している、ということだ。TVキャプチャなど用途を限定した専用マシンや奥さんやお子さんのためのサブマシンならば、1GHz程度のスペックでも十分だ、と感じることも多いだろう。また、手持ちのマシンがメーカー製パソコンならば、マザーボードやCPUを交換するのが難しい場合もあるだろう。CPUを交換する、といった根本的なアップグレードとは方向性が異なるが、自作を行ったことがないユーザでも簡単に行える、手軽で安価なパフォーマンスアップ術としてHDDの換装に挑戦してみてほしい。

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