DiMAGE A2の特徴は、その独特のインタフェースと数々の独自機能にある。前述のCCD手ぶれ補正機能や自動追尾AF機能もそうだし、独特のインタフェースもそうだ。
ハイエンド機らしく、基本操作はボタン+ダイヤルである。しかもこのクラスでは珍しく、シャッターボタン側(前ダイヤル)と背面側(後ダイヤル)のツインコマンドダイヤルを装備し、一眼レフカメラ並みのスムーズな操作が可能となっている。しかも、起動時間も含めて全体の反応が素早く、操作でストレスを感じることはほとんどない。
ただし、ボタン+ダイヤルというDiMAGE A2の操作にはちょっとしたクセがある。
露出関係のみならず測光モードやドライブモード、ホワイトバランス、ISO感度など、撮影時に変更したくなる項目のほとんどがボタン+ダイヤルで操作できるのだが、これらは左側面のファンクションダイヤルにセットされており、例えばISO感度の場合、ファンクションダイヤルを「ISO」に合わせてダイヤル中央のファンクションボタンを押しながらコマンドダイヤルを回すという方式になっているのだ。
ホワイトバランスの場合は、前ダイヤルがホワイトバランス変更で後ダイヤルがその微調整になっており、±3段階でホワイトバランスを微調整できる。
ファンクションダイヤルにはカスタムポジションがあり、そこに好きな機能を割り当てることもできる。画像サイズやカラーモードを割り当てておくと便利だろう。また、「MSET」ポジションでは撮影設定の組み合わせを5つまで登録しておける。ハイエンド機ならではのカスタマイズパワーだ。
この操作系はDiMAGE 7からのアイデアだ。ダイヤルを合わせるというワンアクションが煩わしいという声もある。しかし、これだけ多くの機能を独立したボタンで用意すると余計に複雑になるが、この方式ならダイヤル1カ所だけなので場所も覚えやすいし、しかも液晶メニューに頼ることなくサッと変更できるので、個人的には高く評価している。
ファンクションダイヤルの下にはシンクロターミナルがあり、その下にはデジタルエフェクトレバーがある。これはコントラスト、彩度、カラーフィルター効果を調整するもので、多くのハイエンド機が持っている機能だが、たいていはメニューの奥に隠されていてアクセスしにくい。しかしDiMAGE A2では、デジタルエフェクトレバーで項目を決め、ボタンを押しながらコマンドダイヤルを回すというファンクションダイヤルと同じ要領で、絵作りも変化させられるのだ。メニューに頼らなくていいのは非常に快適だ。
左側面下部には、カスタムホワイトバランスボタンとフォーカスモードレバーがある。このカスタムホワイトバランスボタンは秀逸だ。その時点のホワイトバランス設定に関わりなく、このボタンを長押しすると構図中央部にある被写体を元にホワイトバランスを即座に取ってくれる。そしてそれをカスタム1〜3のどれかに登録できるのである。
モニタ(ファインダー)も凝っている。チルトする液晶ディスプレイと90度上に傾くローアングル対応の電子ビューファインダー(EVF)を持ち、スイッチによる切り替えに加え、自動切り替えにも対応している。アイピースの右にセンサーがあり、それが塞がれるとEVFを使おうとしていると判断されて自動的に液晶ディスプレイからEVFに切り替わるのだ。
これは便利だ。目を離して、メニュー操作などをして、再びアイピースを覗いて、という一連の動作でモニタの切り替え作業がいらないのである。かえって煩わしいこともあるが、その時はスイッチでどちらかに固定すればよい。
EVFはDiMAGE A1から最も進化した点で、92万画素の超高精細なものを導入している。メニューまたはショートカットで変更できる精細モードでは、秒30コマで92万画素をフルに使った細かい絵を、滑らかモードでは、画素数は落とすものの秒60コマという滑らかな絵を見せてくれる。これはすごい。また、リアルタイムヒストグラムやグリッド線など、構図決めや露出設定に便利な情報を表示可能だ。
コントラストや発色がいま一つ冴えない面はあるけれども(実害はないが、鮮やかな方が撮っていて気持ちよい)、EVFの機能性は最高レベルである。
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