コンパクトなボディにLレンズ&800万画素CCDを搭載――キヤノン PowerShot Pro1(4/5 ページ)

» 2004年03月24日 22時03分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 ボタン類は、上面に発光モード、マクロ、液晶パネルのバックライトがあり、背面にはメニュー系の各種ボタンがある。多くのハイエンド機はよく使う機能には単独のボタンを割り当ててきたが、PowerShot Pro1は基本的にPowerShot G5を踏襲している。

上面左には発光モードとマクロの2ボタン、レンズの真上にはホットシュー、右には撮影情報を示す液晶パネル、および液晶パネルのバックライト、測光パターン、連写モードの各ボタンがある。グリップがけっこう深いのと、背面が微妙に湾曲していてグリップしやすくなっている点に注目
背面には親指を収めるスペースがうまく作ってある。右端に「MF」(マニュアルフォーカス)、AEロック/FEロック、「INFO」の3ボタンが縦に並ぶ。MFボタンは押しやすい位置にあるが、誤って押してしまうことも。円形十字キーの回りにある「FUNC」、「MENU」、「SET」がメニュー操作系のボタン。十字キーの上は露出補正、下はホワイトバランスに割り当てられているが、露出補正はもう少し迅速に操作できるようになっていてほしい

 背面の十字キーは、上が露出補正、下がホワイトバランスとなっていて、それ以外は「FUNC」ボタンを押すと液晶ディスプレイに表示されるメニュー画面で設定する。メニューの中には、ISO感度、色効果モード、画質、画像サイズなどの項目が入っている。

「FUNC」ボタンを押すとこのメニューが表示される。ここでは、ISO感度、色効果モード、ブラケット、画質、画像サイズなどをセットする

 基本的には申し分のない構成だが、ハイエンド機であることを考えると、露出補正やホワイトバランス、ISO感度などは、もっと素早く操作できるように改良してもよい頃ではないだろうか。せっかくボディを一から設計したのだから。

 一方「MENU」ボタンを押すと、初期設定系のメニュー項目が液晶ディスプレイに表示される。その中には、スローシンクロのオン/オフやNDフィルターのオン/オフ、シングルAFとコンティニアスAFとの切り替えといった項目もあれば、インターバル撮影や前述したスーパーマクロなどの項目もある。

初期設定系の項目は「MENU」ボタンの中にある。撮影設定、セットアップ、マイカメラの3タブに分類されているが、撮影設定のメニュー項目だけで3ページ分ほどもある

 NDフィルターは、内蔵しているNDフィルターを挿入することで、画像の明るさや色相はそのままに、光量だけを3段分落とすハイエンドPowerShot独特の機能。わざとスローシャッターを使いたい時や、絞り開放で撮りたいのに明るすぎる時などに重宝する。

 なお、MENUボタンのメニューには、他に収まりきらなかった機能まで詰め込んだという印象も感じられる。スーパーマクロやNDフィルター、スローシンクロなどは、もう少しアクセスしやすい場所においてほしかった。そろそろユーザーインタフェースを整理すべき時期なのかもしれない。

総合力とコンパクトさは大きな魅力

 搭載するバッテリーは、コンパクトなボディサイズにも関わらず、7.4ボルト、1390ミリアンペアと「EOS 10D」や「EOS Kiss Digital」などと共通仕様である。記録メディアはType II対応のコンパクトフラッシュカードだ。両者の挿入口は右側面にあり、三脚に付けたままでもバッテリーやコンパクトフラッシュカードの交換ができて便利である。

グリップの右側を開くと中にバッテリーとコンパクトフラッシュカードのスロットがある。バッテリーはEOS DIGITALシリーズと共通のもので、容量は大きく、持ちもなかなかよい

 小さいが明るくて28〜200ミリ相当のレンズ。小ぶりだが質感のあるボディと手に馴染みやすいグリップ。キヤノンならではの高画質、拡張性と、800万画素ハイエンド機としては非常によくまとまっていて好感が持てる。マクロ撮影機能には不満を覚えるが、屋外へ持ち出して気持ちよい色の絵を撮りたい人には最右翼のハイエンド機といってよいだろう。

 PowerShotに“Pro”という名称が付けられるのは、手ぶれ補正機能を搭載した10倍ズーム機「PowerShot Pro90 IS」についで2度目だが、今回の製品でやっとその名に恥じないデジカメが出てきたといえる。フルオートでのヒット率も高いので、28〜200ミリの7倍ズームを手軽に楽しめる高画素デジカメとしても優秀だ。

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