動作時間帯を指定しておけば、その時間になると自動的にコピーや変換が開始されるというもので、予約した番組も対象となっており、録画終了後に自動実行される。就寝中に設定しておけば、PCの使用を妨げることもなく、変換されたデータをPDAに移して外出先でちょっとした空き時間にコーヒーを飲みながらエアチェック、などといったことも可能だ。
なお、「SmartVision/PLAYER」でも、ダビング選択画面で「MPEGファイルの分割/変換」を選んでファイルの変換が可能。Pocket PCユーザーであれば、面倒な変換レート等を毎回設定する必要無く、Pocket PCで最適に視聴できるデータ変換を、マウスクリックもしくはスケジュール設定で自動的に行える。うれしい機能といえるだろう。
AX300にはメールの送受信機能もある。レコーダーなのにメールの送受信とは? と一瞬、疑問に感じるかもしれないが、おもな用途はAX300ユーザー同士で録画予約情報などを交換できるというものだ。とはいっても、リモコンからは文字入力はできないので、あらかじめ用意された定型文を選択して送るという操作となる。
メールを利用するために必要な設定については、「AX設定」でPCからおこなう。「AX設定」のブラウザ画面を起動し、「メール設定」でメールサーバやユーザー名、パスワード、アドレスなどを登録。必要に応じて件名や本文なども定型文に追加できる。
設定が完了したら、AX300からは、番組表から他のユーザーにも知らせたいものがあるときに、ナビボタンから「メール予約」を選択し、相手のアドレスや定型文を選んで送信できる。番組の予約情報のほか、ブックマーク情報も送信可能で、気に入ったシーンなどを交換し合うことも可能だ。また、特定の記述方式にする必要はあるが、PCや携帯電話から予約情報を送ることもできる。ある程度、限定された使い方になるが、AX300独自のユニークな機能だ。
そのほか、「AX設定」ではネットワークの設定などが可能で、IPアドレスなどはここから指定する。DHCPサーバ機能を持ったモデムなどがあれば、IPアドレスは自動取得でかまわないが、指定する場合は、ネットワーク内のほかのPCと重複しないように注意しよう。ポート番号は、PCと合わせる必要があるが、初期設定「6000」のままでとくに変更する必要はない。
設定がきちんとおこなわれていれば、AX300はネットワーク上でworkgroupに組み込まれ、マイネットワークなどからHDDの中身も参照できる。つまり、通常のストレージと同様、ファイルのコピーや削除もできるということだ。AXからの再生や閲覧はできないが、画像や音楽データなどを転送しておけば、ファイルサーバとしても利用できる。
AX300とPCの連携機能についてひと通りみてきたが、レコーダーとして映像の録画・再生関連から、メールの送受信やファイルサーバとしての利用にいたるまで、じつに幅広い使い方があることがわかる。AX300以外にもEthernetポートを搭載したレコーダーはあるが、こうした機種にはない、独自の機能が多いのも特徴といえるだろう。
実際に使ってみて、とくに便利に感じたのが、データのやり取りがきわめてラクな点とリモコンからの簡単な操作でおこなえる高速レート変換だ。PDAを利用しているユーザーなら、ネットワークを介してのWMV形式への自動変換機能も重宝するだろう。次回は、PCとの連携の最終回として、AX300独自の高速レート変換についてもう少し深く掘り下げてみたい。
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