では、PrescottコアのPentium 4にMOBILITY RADEON 9700を搭載したノートPCのパフォーマンスはどのくらいのものなのか。ベンチマークテストで見てみることにしよう。今回のテストでは、ホームユースを重視したハイエンドノートPCとして、PCUPdateでレビューしたLaVie S LS900/8E(以下、LS900)とデータと比較してみることにした。
LS900はCPUがPentium M/1.7GHzにメモリ容量512Mバイト、ビデオチップもMOBILITY RADEON 9600と、今回評価したInspiron 9100の構成とはワンランク下になっている。しかし、購入価格はInspiron 9100が34万2800円、LS900が約32万5000円とほぼ互角。これを見てもデルのコストパフォーマンスの高さが分かるだろう。
実クロック重視のPCMark04では、すべてのテストにおいて、良好な結果を示している。ただしHDDは、日本で入手できる5400rpmに交換するとLS900と同等か、もしくわずかに下回ることが予想される(LS900は80Gバイトのハードディスクを搭載しているため)。
3DMark03も高クロックになったぶん、MOBILITY RADEON 9700を搭載したInspiron 9100が有利。現在市場に登場している最速のノートPC用なのだから、当たり前である。そこで、この新しいビデオチップの実力を、デスクトップ用ミドルレンジビデオカードである「RADEON 9600 XT」「GeForce FX 5700 Ultra」と比較してみることにした。
クロックが遅いぶん、デスクトップ用ビデオカードを下回る結果となっているが、その差はわずかといっていい。Direct X 9を駆使したAquaMark03で27台後半を出しているのだから、ノートPC用ビデオチップとしては健闘している。
これだけのハイエンドパーツを搭載して、高いパフォーマンスを発揮すると、心配になるのが熱。とくにキーボード周辺に熱がこもってくると、ユーザーの不快指数は一気に高まることになる。
今回、ベンチマークテストが終わった後も、DVD-Videoの再生や3Dゲームなど、長時間に渡りフル稼働させていたが、キーボードが暖かくなるような不快な現象に悩まされることは一切なかった。これは、筐体に内蔵されたファンで強力に熱を排出していたおかげだろう。
ただ、その強力な排熱ファンのために、Inspiron 9100から発生する騒音も気になってしまったことも、触れておかなければならないだろう。一定に回転していてもファンの音は大きいのだが、それにくわえて、内部の負荷にあわせて自動的に調節される機能のために、回転数が増加するときに、実際の音量以上にうるさく感じてしまうことが多かった。
ファンの回転数をコントロールするユーティリティがインストールされていないため、この症状をユーザー側で改善することはできない。DVD-Videoなど、コンテンツプレーヤーとして使う場合、このファンの音はかなり致命的になる。せめて、ファンコントロールのユーティリティなどで、ユーザーが制御できる手段を提供して欲しかったところだ。
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