PCI ExpressとAGPを混在させる「AGP Express」対応マザーに注目──ECSイベントは明日開催

» 2004年07月02日 20時16分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 日本エリートグループ(ECS)がこの週末7月3日に、プライベートイベント「ECS 915搭載マザーボード 発表会」を開催する。会場はアキバで「パーツベンダーのプライベートイベント」といえばここしかない、というほど定番になった「PRONTOリナックスカフェ秋葉原店」

 イベントではECSのIntel 915ファミリーマザーボードを中心にベアボーンやビデオカードなどが展示され、ECSのマザーに搭載されている独自技術や製品のラインアップの説明が行われる予定。ここでは、一足先に展示されるマザーボードや、最近注目のECS独自機能について紹介しよう。

 ECSのマザーで今一番注目されているのが、Intel 915Pを搭載したPCI Express対応マザーにAGPも混在させた「915P-A」と、「AGP Express」と呼ばれるECSの独自技術だ。COMPUTEX TAIPEI 2004で紹介されてから、「唯一のPCI Express X16とAGPの混在マザー」ということで、大きく紹介されたこのマザーだが、その詳細についてはほとんど公表されていない。

注目の混在マザー「915P-A」

 今回のイベントで、謎の技術「AGP Express」の詳細が明らかになるか期待がかかるところ。事前に行われた説明会ではAGP Expressに差したグラフィックスカードのパフォーマンスなどが紹介された。ECSの測定データによると、AGP Expressでグラフィックスカードを使用した場合、通常のAGP 8Xで同じカードを使ったときのパフォーマンスより低下する傾向が見られると説明されている。

 ただし、Direct X 8ベースのアプリケーションではその低下率が15〜20%以上と大きいものの、Direct X 9ベースのアプリケーションでは5%程度とわずか。説明を行っていたECS台湾本社のアダム・シュウ氏(Resources Service Division Marketing Department シニアマネージャー)も「最新の3Dゲームをプレイする分には、ほとんど問題はない」と述べている。

AGP Expressと通常のAGPで動作させた場合のパフォーマンス比較。上の3DMark2001ではRADEON 9800 XTで20%減となっていたが、下の3DMark03ではわずか5%減にとどまっている

 会場では、PCI Express X16とAGP Expressそれぞれのスロットに差したグラフィックスカードによるデュアルディスプレイのデモが行われていたが、ECSではこのような使い方は「正式にはサポートしない」としている。あくまでもPCI Express X16かAGP Expressに一枚差して使う状態が正式な使い方になるようだ。

 また、AGP Expressで動作しない可能性のあるグラフィックスカードも数種類確認されているという。現時点で確認されているのは「RADEON 9600」「RADEON 9550」「GeForce FX 5700」など。

会場の入り口正面という一番目立つ位置で、915P-Aによるデュアルディスプレイのデモが行われている

 このほか、ブロック図などは明らかにされなかったものの、「PCIバス2本をAGP Expressのために利用している」など、断片的な情報が紹介されているので、皆さんも会場でスタッフにいろいろ質問してみると、意外な面白い話が聞けるかもしれない。

ECSの独自機能として紹介されたマザーボード冷却機構。最上位モデル「PF Extreme」に実装されているもので、パラレルポートを廃止してその部分をフードで覆い集中的に冷却する「クーラーアクセラレータ」や、ヒートシンクの形状を改良して排気方向を改善したチップセットクーラーユニットなどで冷却効率を向上させている

 シュウ氏は、ECSのマザーボードラインアップやロードマップについても紹介。「Intel 925Xは予定していたが市場には投入しない。その代わり(FSB1066MHzに対応した)Intel 925XEマザーが9月に登場する。Intel 915Gマザーも1カ月後にmicro ATXマザーを二種類投入。まだ計画段階だが、915G-Aも考えている」と説明した。「915G-Aがでは(正式サポートは別にして)、PCI ExpressとAGP Express、そして内蔵のIntel GMA 900によるトリプルビューが可能になるかもしれない」(日本エリートグループ代表取締役 岡山偉信氏)

まもなく登場予定のIntel 915G搭載のmicroATXマザー。右はDDR2-553とPC3200に対応(ただし排他利用)した「915G-M2」で、左はPC3200のみ対応(その代わり最大メモリ容量は915G-M2の2Gバイトにたいして、4Gバイト)の「915G-M」
製品の説明を行ったECS台湾本社のアダム・シュウ氏(Resources Service Division Marketing Department シニアマネージャー) 「ただ廉価なだけでない。現代はCPU、データバス、内蔵グラフィックスが第3世代になった"コンピュータ3G時代"。ECSも"Great Design""Great Performance""Great Value"の3Gマザーを投入していく」

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