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» 2004年07月16日 08時00分 UPDATE

TVチューナーの「全部入り」――使用エンコーダが選べる、エルザ「EX-VISION 1500TV」 (1/2)

現在、1万円台のTVチューナー付きビデオキャプチャーカードが売れ筋だ。その中でも「ロープロ」「H/Wエンコーダ」「高画質化機能」に加え、プラスαの機能を備える「全部入り」製品が発売された。これはアテネを目前にした、PCユーザー向けの決定打となりえる製品なのか――。

[岩城俊介,ITmedia]

 夏のアテネを控え、液晶・プラズマ大型TVやDVDハイブリッドレコーダー業界のみならず、PCパーツやソフト業界でも続々関連製品がリリースされている。

 今回はその中でも、いわゆる「全部入り」の特徴を持つ、エルザジャパン「EX-VISION 1500TV」を試用してみた。

使用用途がさらに広がる「セレクタブルエンコーディング機能」

 EX-VISION 1500TVは、ロープロファイル対応、ハードウェアMPEGエンコーダ搭載、3次元YC分離/ゴーストリダクションといった高画質化機能を持つTVチューナー付きビデオキャプチャーカードだ。

photo EX-VISION 1500TV

 価格はオープンプライス、ITmedia Shoppingでの最安値は1万8000円台となっている(2004年7月中旬現在)。この価格をどう見るかだが、筆者は、もう一つ特徴的な機能となっている、ハードウェアMPEGエンコード以外に、WMV、DivXなど、ユーザーが任意にインストールしたコーデックでのエンコード方法も選択できる「セレクタブルハードウェア/ソフトウェアエンコーディング機能」に注目した。

 この機能により、WMVをはじめとする外部コーデックを用いたソフトウェアエンコードのほか、無圧縮AVIなどでも番組を録画できる。いったんMPEG-2で録画し、別途トランスコードすることでムービー編集や画質チューニングを行うユーザーも多いとは思うが、多種多様な設定によって録画・キャプチャーができるのは、ユーザーにとってもうれしいし、大きなメリットとなりえるのではないだろうか。

最小クラスのカードサイズに2階建て構造の基板デザイン

 EX-VISION 1500TVは、ロープロファイル対応、本体長125ミリと基板サイズもかなりコンパクトだ。もちろん通常/ロープロファイル対応ブラケット両方が付属する。

 搭載インタフェースは、TV RF同軸75Ω入力、S-Video入力、ステレオ(ミニジャック)入力の3種類で、S-Video−RCA変換コネクタ、オーディオケーブルが付属する。

 メイン基板にハードウェアMPEG-2エンコードチップ、NEC「μ61151」とALPS製TVチューナーモジュールを搭載、2階建て構造となるセカンド基板に、NEC製のゴーストリダクション用チップ「D64031AGJ」、3次元YC分離チップ「D64083GF」が搭載される。

photo 2階建て構造となるセカンド基板に搭載されるNEC製の高画質化チップ

ユーザーが自由にエンコーダを選べる「セレクタブルエンコーディング機能」

 同梱されるTV視聴・録画ソフトは、インフォシティ製の「INFO TV Plus」となる。キーワードやジャンル設定による「まかせ録り」機能や、電子番組表「ADAMS-EPG+」に対応するもので、このEX-VISION 1500TVにて初めて採用された。

 視聴時には、マウススクロールあるいはキーボードのファンクションキーなどによるチャンネル切り替え、+/-キーによる音量調整、EnterキーによるOSD番組名一時表示などキーボードショートカットも各種割り当てられている。

photo 通常視聴モードでは、右側に現在の番組一覧、下段に現在表示している番組、操作部などが配置される。なお「ミニTV」モードにすると、タイトルバーのみのシンプルなTV表示のみとなる

 INFO TV Plusの録画モードは、まずインストール時のPC環境によって半自動で設定される。Intel 845PEマザー、Pentium 4/2.40C GHzの筆者環境では、高画質モードで、解像度720×480ドット/ビットレート10Mbps/CBR/ClosedGOP設定なし/音声ビットレート384Kbps/3次元YC分離有効、標準モードでは解像度480×480ドット/ビットレート8Mbps/CBR/ClosedGOP設定なし/音声ビットレート384Kbps、長時間モードでは解像度352×480ドット/ビットレート1.6Mbps/CBR/ClosedGOP設定なし/音声ビットレート256Kbpsとなった。

photo 録画モード設定メニュー

 録画設定メニューでは、エンコード形式の設定、解像度、フレームレート、ビットレート、可変ビットレートにするか否か、可変ビットレート時のピークビットレート、ClosedGOPとするか否か、音声エンコードの形式とビットレート、3次元YC分離とゴーストリダクションを有効にするか否か、録画時に映像を同時に表示するか否か、録画時に自動ファイル分割するか否か、録画データの保存場所といった設定ができる。

 なお録画モードは前述の3モードのほか、ユーザーで自由に設定保存ができるユーザー設定メニューが3つ、DVD用、タイムシフト用の計8つ用意されており、録画ソースや用途に合わせて自在に切り替えられる。

 例えば、高画質モードは後にDVDにも記録かつ編集も行うことを想定した保存用として、ビットレートは最大の15Mbps、VBR、ClosedGOPとし、標準/長時間モードでも解像度を740×480とし、ビットレートを2〜6Mbpsに、さらに3つのユーザー設定メニューに、エンコード方式をWindows Media Video 9方式でのエンコード、DivXエンコード、無圧縮AVIで録画するよう割り当てた。

photo WMVによるソフトウェアエンコードでの録画指定も設定可能

 なお筆者環境では、DivX 5.1.1、XviD 1.0.1、XVD、MainConcept Motion JPEG codec/DV codecもインストール済みであったが、メニュー一覧に加わっていた。

photo インストール済みコーデックがリストに加わっている

 ただしコーデックとの相性もあるようで、同環境でXviDエンコード録画してみたが、残念ながら生成されたXviDムービーを再生すると、3秒ほどでエラーが起こってしまい、プレーヤーごとハングアップしてしまう現象が発生した。DivXコーデックはフリー版を使用していたため、録画時にまずレジスト用のウインドウが表示される。この場合には、手動によるボタン操作が必要なので予約録画はこのままではできない。

 一方普通にエンコードが行えたのはWMV形式と、MainConcept Motion JPEG codec、同DV codecだ。「設定」ボタンからMainConcept Motion JPEG codecの設定メニューも呼び出せる。

 もちろんエルザでは外部エンコーダの動作保障は行っていないが、動作確認済みのコーデックや、エラーが起こってしまうコーデックの対応パッチなどを公開してもらえると、より安心できそうだ。

 さて、MPEG-2以外はソフトウェアでのエンコードとなるが、WMV9形式で解像度740×480ドット、ビットレート1.5Mbpsでの録画同時エンコード時のCPU稼働率は下記のようになった。

photo 録画時のCPU稼働率。長時間モード(2Mbps)時(左上)、WMV 9(1.6Mbps)時(右上)、DivX 5.1.1(1.5Mbps)時(左下)、非圧縮AVI時(右下)
・テスト環境
CPU: Pentium 4/2.40C GHz
メモリ:1Gバイト(PC3200 DDR SDRAM 512Mバイト×2)
マザーボード:GIGA-BYTE GA-8IPE1000 Pro2(Intel 865PE)
HDD:Seagate Barracuda ATA V ST3120023A 120Gバイト(Ultra ATA/100)

 ハードウェアMPEG-2エンコード録画時では、CPU稼働率もほとんど変化がなく、手動で録画開始/停止操作をした時のタイムラグも1秒未満と、まったくストレスなく操作できるのは好感が持てる。

(次ページ:「この機能だけでも欲しい、倍速60フレーム/秒表示」)

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