TVチューナーの「全部入り」――使用エンコーダが選べる、エルザ「EX-VISION 1500TV」(2/2 ページ)

» 2004年07月16日 08時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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この機能だけでも欲しい、倍速60フレーム/秒表示

 さて、PC用のTVチューナー付きビデオキャプチャーカードはどうしても録画の質や機能、設定可能項目などに目が行ってしまいがちだが、単なるTV視聴のみの使用もかなり多いことだろう。

 もちろんPCでTVを見る時には、PCで何かの作業をしながら、という“ながら”視聴が多いので、視聴時の画質をそれほどうるさく言うつもりはないのだが、今までずっと気になっていた部分がある。それは、例えば番組終了時のスタッフロール表示など、やや高速で流れるテロップ文字表示時の残像ぶれだ。これがEX-VISION 1500TVのある機能によって、筆者自身の不満が解決された。

 それは「60フレーム/秒表示」機能だ。

 設定も、INFO TV Plus「動画表示の設定」メニューにて、「毎秒60フレームで表示する」にチェックを入れるだけ。これにより倍速60フレーム/秒で表示可能となり、PCディスプレイでTV表示する場合に歴然と効果が実感できるほど残像ぶれがなくなった。

 スタッフロールと言わず、この機能により大きなメリットがあるのは、ずばり場面移り変わりが激しいスポーツ中継だろう。実はこの機能のためだけにEX-VISION 1500TVが欲しいとも思ってしまった。

photo スポーツ番組視聴に向く、倍速60フレーム/秒表示機能だが、「毎秒60フレームで表示する」にチェックを入れると、ややCPU稼働率が上がってしまう(左)、右は30フレーム/秒での表示時

 また、映像表示時の画質設定も2種類保存でき、随時切り替えることができるのも便利な機能だ。ここでは、色調、色の濃さ、明るさ、コントラストのほか、映像の縦横比の設定も可能で、映像ソースや視聴シチュエーションにより設定を簡単に切り替えられる。

photo 画質設定を2種類保存できる

10種類保存可能な録画リストでエンコーダ別設定も可能な「まかせ録り機能」

 次は録画機能の使い勝手を見ていこう。

 番組表は「ADAMS-EPG+」に対応、番組表の自動更新機能も付属している。番組表表示モードでは、下段に番組一覧が表示され、番組記述部分をダブルクリックするだけで予約設定ができる。

photo 番組表モード

 一つ欲を言えば、文字情報量が多い番組表のチェックにおいて、番組表部分に重ねて表示するような、現在時刻を示す横線表示機能が欲しい。アイ・オー・データ機器製品に付属するTV視聴・録画ソフト「mAgicTV 4.2」(2004年6月15日の記事参照)では、現在放送されている番組を一目一列にチェックできたのが便利だったからである。

photo このような感じ

 また、昨今のTV視聴・録画ソフトにおいて必須機能となっているキーワードなどによる自動録画機能である、「まかせ録り機能」ももちろん搭載されている。

photo 10種類の予約録画設定を使い分けることができる「まかせ録り機能」

 10種類のリストが作成できるメニューには、キーワードやジャンル指定のほか、録画モードをそれぞれに設定したリストの作成ができる。リスト1には、タイトルを長時間用とし、録画モードを視聴時に「録画時には映像を表示しない」に設定した「長時間」モード、ジャンルを「ドラマ」に、リスト2には保存録画ファイル用として「高画質」モードに、そしてジャンルを「映画」に、といった感じである。

 細かな予約設定は民生用レコーダーのリモコン操作ではやや面倒で、その設定がキーボード入力にて行えるのはPC用TVチューナー付きビデオキャプチャーカードならではと言える。ただし、そこまで細かくできるのであれば、この「おまかせ設定」メニューにおいて「録画モード」の設定メニューを呼び出せるようになっていてほしかった。この製品を購入するユーザーは、「セレクタブルエンコーディング機能」を活かした、録画モード設定変更を頻繁に行うであろうから。

マウス機能も付属するリモコンキット

 今回はEX-VISION 1500TVと一緒に、USB接続タイプの新リモコンキット「EVRC2-OPR」も試した。ITmedia Shoppingでの最安値は2800円程度(2004年7月現在)となっている。

photo EVRC2-OPR

 EVRC2-OPRは、1〜12チャンネルまでの選局ボタンや音量調整ボタンから、マウス機能、INFO TV Plusでの録画済み番組選択用十字/選択キーが配置される。やや大柄だが、使い勝手は程よくいい。このリモコンにより、全画面表示時でも「番組リスト」キーより現在の番組一覧が表示され、十字キーで選択できる機能なども利用できる。

「全部入り」「選択可能なエンコーダ」「倍速フレーム表示」は買いか

 EX-VISION 1500TVの悩みどころは同価格帯ライバル製品の多さだ。ざっと調べてこのような製品がある。

製品名
(クリックで現在の販売価格を表示)
実売価格ロープロH/Wエンコーダ高画質化機能そのほか機能
アイ・オー・データ機器「GV-MVP/RXLE1万3000円前後×
カノープス「QSTV20041万2000円前後×
カノープス「MTVX20041万8000円前後×ビットレート25Mbpsまで対応
バッファロー「PC-HMP2E/PCI1万2000円前後×
NEC「SmartVision HG2/R1万6000円前後×
バッファロー「PC-SMP2E/PCI6550円前後×××WMV形式での録画対応

 ロープロファイル、ハードウェアMPEGエンコーダ、高画質化機能搭載という「全部入り」機能のほかに、任意のエンコーダを使える「セレクタブルエンコーディング機能」、スポーツ視聴時も残像ぶれが出ない「60フレーム/秒での倍速フレーム表示機能」などに大きな魅力を感じた。

 これら機能が魅力だと感じるユーザー、かなり多いのではないだろうか。これらユーザーであれば、きっと満足できる製品なのではないかと思う。

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