今年の夏は「PCで全部録る!」ことにした──第1話「なにゆえPCで録画するのか」最新キャプチャーカードで「アットワンス録画」も「裏番組録画」も思うがまま(2/2 ページ)

» 2004年08月03日 08時00分 公開
[寺崎基生,ITmedia]
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PCを使ったDVD/HDDレコーダーに必要なもの

 PCをベースにしたDVD/HDDレコーダーを作る場合には、PCはノートよりもデスクトップPCが何かと都合がいい。また、同じデスクトップPCのカテゴリーであっても、最近人気のキューブ型など、省スペース製をアピールする筐体は避けたい。どちらかといえば、旧態依然としたタワー型デスクトップがお勧めだ。自作がベストだろうが、エプソンダイレクトやデルなどのBTOメーカー製PCをベースにするのもいいだろう。

 ベースマシンに求められるのは、キャプチャーカードや3.5インチHDDをどれだけ多く搭載できるかどうか、なのだ。自作でケースを選ぶ場合には、3.5インチシャドウベイが3基以上あるものを選びたい。

  HDDは、複数同時録画を考えているのなら、より高速な7200rpmモデルが安心。ただし、もっと重要なのはパフォーマンスよりも容量だ。タワー型ケースであっても、HDDが増設できる台数には限りがある。ましてや省スペースPCの場合は、できるだけ大容量モデルを選んだほうが後悔せずに済む。とはいっても、400Gバイト超えの最大容量モデルはかなり割高になるため、搭載可能台数の制約が厳しくなければ、価格と容量のバランスの取れた製品を選ぶべきだろう。2004年7月時点における店頭価格では、160Gバイトモデルが1万円程度、200Gバイトモデルが1万3000円前後など、このあたりが「お買い得容量」となっている。逆に、300GBモデルとなると2万5000円以上となってしまい、容量あたりのコストを考えると割高になってくる。

キャプチャーカード選びのポイント

 PCベースのDVD/HDDレコーダー製作に関し、最も重要なパーツであるがゆえに、最も選択が難しいのがキャプチャーカードである。

 キャプチャーカードには、大きく分けて2種類の製品が。これが「ハードウェアエンコード方式」「ソフトウェアエンコード方式」と呼ばれるもので、動画の圧縮工程の違いによる分類である。

 ハードウェアエンコード方式は、キャプチャーカードが持つ専用LSIによって動画圧縮を行うもので、録画時のCPU使用率の低さと、画質の良さが魅力である。反面、ソフトウェアエンコード方式の製品よりも高価になりがちなのデメリットもある。

 ソフトウェアエンコード方式は、圧縮されていないままの動画をCPUに渡して、ソフトウェアを利用して動画圧縮を行う方式である。動画圧縮の処理はとても重たく、録画時にCPUをほぼ占有してしまうほどであり、録画しながらほかの作業を行うことはお勧めできない。

 また、リアルタイムで高品質な圧縮を行うには、現在のハイエンドCPUでも処理が重く、ハードウェアエンコード方式よりも画質が低下してしまう場合が多い。もちろん、ソフトウェアエンコード方式でも、高画質な録画を行うことは不可能ではないが、そのためにはMPEG-2の設定に関するスキルと、よりハイスペックな(そして高価な)パーツが必要となってしまう。

 ここでお勧めなのは、ハードウェアエンコード方式の製品。さらに、DVD/HDDレコーダーなどにも搭載されている「3次元Y/C分離回路」「ゴーストリデューサ」のような高画質化機能を搭載している製品もお勧めしたい。

 昨年まではハードウェアエンコード方式で高画質化機能を搭載しているハイエンドモデルは、3〜4万円以上と高価だったのだが、現在では1万円台で入手可能となっている。

 キャプチャーカードを選ぶポイントとしては、ほかにも「スタンバイモード」や「休止状態」からの予約録画に対応しているか、iEPGやADAMS EPGなどの簡単予約を採用しているかなどもあるが、最新の製品ならばこれらの機能は間違いなく搭載されている。

 では、次回からはお勧めキャプチャーカードの紹介と、今年のトレンドである「複数番組の同時録画」「アットワンスコンテンツの録画」にチャレンジしてみることにしよう。複数のキャプチャーカードを設定するときの注意点なども紹介していく予定だ。

今年のPCキャプチャーのキーワードは「複数差しで同時録画」。このようにキャプチャーカードでPCIスロットをフル活用することで、DVD/HDDレコーダーを超えるTV録画の世界が現実のものとなる
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