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» 2004年08月13日 18時15分 UPDATE

今年の夏は「PCで全部録る!」ことにした──第6話ITmedia推奨!競技別適正ビットレート設定 (1/2)

数百時間にわたるアテネ関連の放送。全部録る!と意気込んでみたものの「全部一体どれくらいの画質で録ればいいの?」と迷うもの。実況される競技ごとに「定番のカメラワーク」が決まっているが、これが適正ビットレートを決めるいい手がかりになるのだ。

[寺崎基生,ITmedia]

 ここまでの連載で、複数同時録画やコピーワンスコンテンツの録画などにチャレンジしてきたが、今回はさらに実践的な話に進んでいきたい。ということで、まずは、録画におけるビットレートに関する考察である。

 毎週決まった番組を二つ三つ録画する程度なら、10Mbps程度の高画質に設定してもかまわないだろう。1時間番組を10Mbpsの固定ビットレートで録画した場合、ファイルサイズは約4.6Gバイトとなり、CMカットなどを行えば、ギリギリDVDに記録できるサイズとなる。200GバイトのHDDを動画保存用に用意しているとすれば、43時間程度記録できる計算になる。

 だが、今回のアテネイベントのように、毎日のように数時間の録画を強いられる場合、こんな高画質で録っていたのでは、いくら200GバイトのHDDといえども、すぐに満杯になってしまう。HDD容量を節約するためには、録画する時間を減らすか、録画画質を多少犠牲にしてでもビットレートを下げるしかない。

 しかし、今回の連載の趣旨は「全部録る」だから、意地でも録画時間を減らすわけにはいかない。ゆえに、ここはビットレートの調整でしのぐことにしよう。

 ビットレートの調整といっても、一体どのくらいのビットレートが適切なのか? 多くの人は、キャプチャーカード付属のコントロールソフトがデフォルトで設定している、「標準」や「高画質」を選んでいるのではないだろうか。

 でも、なんとなく選んでしまっている「その設定」は、本当にベストの選択なのだろうか? たとえば高画質録画している場合、画質が良すぎてHDDを無駄に消費していないだろうか。逆に、もっと高画質で録ったほうがいい場合もあるのではないだろうか?

 たしかに、最適なビットレートというのは個人によって異なってくるものだ。画質的な好みの問題もあるし、見る環境や保存する目的でも違ってくる。だが、そこは競技特有の選手の動きや、それに合わせた定番のカメラワークがある。そして。それにあわせた適正ビットレートの傾向というものも存在するのだ。今回は競技ごとにお勧めビットレートを考察することにした。頭を悩ませる各自設定の参考になれば幸いである。

広いフィールドを駆け巡る「サッカー」

 残念ながら負けてしまった予選のパラグアイ戦を、3Mbps VBR、6Mbps VBR、9Mbps VBRの3通りで録画し、17インチPCディスプレイ、およびネットワークプレイヤーと25インチTVの組み合わせで確認してみた。

 PCディスプレイで見た画面は、3Mbpsでも、試合の流れや内容を楽しむだけなら問題ない画質。しかしながら、動きの早いシーンでは、プレイヤーの顔がブロックノイズでぼけてしまったり、引いた映像ではプレイヤーの回りにモスキートノイズが発生してしまうシーンがある。経過を知るためにとりあえず録っておく、といった場合には3Mbps程度あれば間に合うが、大事な試合で永久保存しておきたいとか、リアルタイムで見られない○○選手ファンの家族のために、選手の顔をきれいに見せたい、といった目的があるなら、もう少し高めのビットレートで録りたいところだ。

 TVで視聴する場合には、3Mbpsでも許容範囲となる。このビットレートでもモスキートノイズはあまり感じられないので、かなり良好な画質とも言える。ただし、引いた映像でプレイヤーの背番号が読めないなど、6Mbps以上の画質と比べてざらついた感じがするのは否めない。

 6Mbpsと9Mbpsなら、どちらも十分にきれいである。違いとしては、流れる背景の映像で、9Mbpsのほうが美しく処理されているぐらいだろうか。また、静止画を比べると、6Mbpsでは汚れた感じに見えるのだが、9Mbpsではそれほど汚く見えないこともない。

 しかし、肝心のプレイヤーの汗や表情などを映し出した映像の品質はほぼ同等である。ゆえに、6Mbpsもあれば多くの人が満足できるだろう。ただし個人的な意見を言わせてもらえるなら、もしメダルがかかるような試合となったら、迷うことなく9Mbpsまで画質を上げて録画するつもりだ。

kn_cap06scr.jpg サッカー場の空いている観客席を切り出してきた部分。左から3Mbps、6Mbps、9Mbpsとなっている。ノイズ成分がビットレートが上がるにつれて減っている

選手のアップが多い「野球&ソフトボール」

 野球の試合はまだ始まっていないため、高校野球及びプロ野球の映像を、4Mbps VBR、6Mbps VBR、8Mbps VBRの3種類の画質設定で録画して比較してみた。

 野球の場合は、カメラ自体が静止しているシーンが多いことや、選手がアップで映されることが多いため、サッカーに比べて低ビットレートでも画質の破綻は感じられない。テストで使った最低ビットレートの4Mbpsでも不満を感じることはほとんどなかった。

 たしかに、6Mbpsになると、よりきれいに感じられるが、明らかに分かるような大きな違いは感じられない。8Mbpsでは6Mbpsとほぼ同等の画質に感じられことから、4〜6Mbpsで録画すれば十分と考えていいだろう。

kn_cap06bb4.jpg

kn_cap06bb2.jpg 2Mbpsに設定するとちょっと早いシーンでも画面が破綻する例。4Mbps(上)なら背番号もはっきりと認識できるが、2Mbps(下)はユニフォームの輪郭さえ乱れてしまっている

背景がどんどん流れていく「マラソン&自転車競技」

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