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» 2004年08月19日 08時00分 UPDATE

今日から始めるデジカメ撮影術:第3回 人と建物の関係 (1/2)

友達と観光地に行ったときには、必ず「人」と「建物」を写しているはずだ。そのときには全体の構図を考えながら撮っているかもしれないけど、大事なのは、ほんのちょっと「何をどういう角度からどう写すか」に気を配ることなのだ。

[荻窪圭,ITmedia]

 よく「誰々さんは写真が上手よねえ、私だとうまく撮れなくて」と、はなから諦めた口調でしゃべってる人がいるけれども、諦めることはない。

 フィルムカメラの時代は確かに上手に撮るのが難しかった。何しろ「撮れる枚数は限られてる」し「撮ったものが成功したか失敗したかは現像してみないと分からない」のだ。大体にして「うまく撮れなかった」のが分かるのは現像してプリントを見た後のことで、後の祭りなのである。

 でもデジカメは違う。何しろフィルムに比べたら何枚でも撮れるし、その場である程度の確認はできるし、失敗したと思ったらその場で消してもう一度撮ればいいのだ。だから慌てず落ち着いて撮れる。何しろそれが一番の基本。そしてあとひと工夫すれば、誰だってそこそこの写真は撮れるのだ。

 そんなわけで、いろんなシチュエーションでいろんな写真を撮ってみよう。

人と建物の微妙な関係

 建物と人が一緒に写るシーンと言えば、やっぱり「観光地での撮影」だろう。では東京見物だ、ということで東京タワーと増上寺へ行ってみた。ひと工夫と言っても難しい機能を使うわけではない。せいぜいズームと内蔵ストロボくらいだ。

 観光地へ行くとやはり写したくなるのは名所旧跡。簡単にいえば建造物類だ。建造物を撮るときポイントとなるのはズームの使い方だ。

ki_satuei_01.jpg (EXILIM Z40。オリジナル画像はこちら
ki_satuei_02.jpg (EXILIM Z40。オリジナル画像はこちら

 この2枚の写真はどちらも同じ増上寺を撮ったもの。でもずいぶん写り方が違う。1枚目は建物のすぐ近くで、ズームの広角側で撮った写真。もう1枚はできるだけ離れて望遠にして撮ったもの。簡単にいえば広角で撮ると遠近感が強調される。どうしても近づいて撮るので見上げる感じになる。背景が広く写るので端に東京タワーも写っている。

 逆に望遠側で撮ると遠近感が減り、建物の形がすっきり見える。

 一般に遠くのものを撮るときは望遠、と思われているが、このように望遠で撮るためにわざわざ離れる、というのもありなのだ。

 では人物を入れて撮ってみよう。

 ありがちなのはこんな写真。

ki_satuei_03.jpg (IXY DIGITAL 500。オリジナル画像はこちら

 人物を全身入れて、背景の増上寺や東京タワーもできるだけ入れて、って欲張るとこうなる。おかげで人が中途半端なサイズになっちゃって、風景の邪魔をしてるみたいだ。フィルムカメラの時代ならついつい欲張っちゃうのも分かるが、デジカメなら欲張らなくても、人物中心の写真と風景だけの写真の2枚撮ればよい。

 では広角側と望遠側で撮ってみよう。念頭に置いておくとよいのは「人物は別に全身が入ってなくてもよいのだ」ということと、人物を左か右に寄せて、余った空間に背景のポイントを置くこと。この場合は東京タワーだ。そうすると「両雄並び立つ」感じで、うまく収まる。

ki_satuei_04.jpg (IXY DIGITAL 500:広角側。オリジナル画像はこちら

 人物が小さくなりすぎないような距離を保ち、東京タワーが全部入るよう、ちょっと下から撮影してみた。見上げる感じになってしまったが、なんとか全部おさまった。

 これを撮る側がもっと離れて望遠側で撮ると、増上寺も東京タワーもちょっとずつしか写らないけど、逆に大きく写るので迫力が出る。特に望遠で撮ると、実は距離が離れてる同士でも、近くにあるように写るからだ(つまり遠近感がなくなる。これを「圧縮効果」と言う)。それによって、東京タワーはデカいんだなあという気持ちの写真になるのだ。

ki_satuei_05.jpg (IXY DIGITAL 500:望遠側。オリジナル画像はこちら

 実はこれ、デジカメならではの写真と言ってよい。フィルムの場合、望遠側で撮ると、どうしても背景が大きくぼけてしまって、どこで撮ったか分からなくなりがちだが、デジカメだと遠景があまりぼけないため、望遠で撮っても背景と人物の両方をうまく捉えられるのだ。

 広角と望遠、観光っぽくて面白いのはやはり望遠で撮った方だ。ちょっと距離を置いて望遠側で撮ってみるのはおすすめ。これだと東京タワーや増上寺が全部写らないのが不満、というときは、もう1枚全体が入る写真を別に撮っておけばよいのだと思う。

近づきすぎたらローアングルで

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