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» 2004年08月23日 08時00分 UPDATE

薄くて小さなボディに手ブレ補正あり、の最強コンパクトデジカメ――松下 LUMIX DMC-FX7 (1/3)

松下電器産業の「DMC-FX7」は、薄くて軽量で3倍ズームでメタリックでそれなりに質感があって高速で大きな液晶画面、という最近の売れ筋をしっかりと追っていることに加え、伝統の手ブレ補正機能も搭載され、まさに最強のデジカメとして登場した。

[荻窪圭,ITmedia]

 2003年秋、3倍ズームのコンシューマ向けコンパクトデジカメに光学式手ブレ補正レンズを採用してきたのには驚かされたが、その後継機はもっとすごかった。それがパナソニックの最新作、DMC-FX7である。

 昨今の売れ筋コンパクトデジカメを見ると、薄くて軽量で3倍ズームでメタリックでそれなりに質感があって高速で大きな液晶画面、というのがひとつのトレンドになっている。少なくとも日本においては、コストパフォーマンスが高い廉価な機種より、やや上の諸条件を満たした機種が人気なのだ。

 そこに食い込むには、各トレンドに加えてプラスαのウリが必要なのだが、パナソニックは手ブレ補正デジカメを、しっかり最新トレンドに合わせてシェイプアップしてきたのだ。

 何しろ十二分に薄くて小さなボディに付いているズームレンズには手ブレ補正機構が入っているし、その上背面の液晶は2.5インチとコンパクトデジカメでは最大クラスを実現しているのである。

ki_main.jpg 薄型でシンプルなボディ。とても光学式手ブレ補正内蔵カメラには見えないところがエライ

新型手ブレ補正はどのくらい効果的か

 LUMIXのFXシリーズといえば手ブレ補正機構。コンパクトデジカメではじめて手ブレ補正機構を搭載したので有名だ。

 パナソニックの光学式手ブレ補正は、手ブレ検出ジャイロでブレを検出すると、それに合わせてレンズ群にある補正用レンズをX軸Y軸方向に動かし、ブレを補正するもの。DMC-FX7では手ブレ検出や補正時のサンプリング周波数を秒480回から秒4000回へ大幅に高速化することで、より幅広い手ブレに対応できるようになった。

 特に速い動きの手ブレに強くなっており、手ブレ補正の効果も前モデルでは絞り2〜3段分とされていたのが、FX7では3段分以上としている。3段分というのは1/8秒で撮っても、1/60秒で撮るのと変わらないくらいということ。あるいは、今まではISO400に上げないと手ブレしていたようなシチュエーションでもノイズが少ないISO50で撮れる(ただしFX7の最低感度がISO80だが)というというイメージだ。これは強力である。

 しかもそのレンズは沈胴式光学3倍ズームと、コンパクト機としては十分なスペック。35〜105mm相当と扱いやすいレンジで、F2.8-5.0とコンパクト機としては一般的だ。

ki_lens-off.jpg
ki_lens-on.jpg レンズは2段沈胴式。上部のスイッチを入れるとせり出てくるが、レンズが出きってから撮影可能になるまで少しタイムラグがあるのは残念

 上面には手ブレ補正ボタンが用意され、ダイレクトに手ブレ補正オン/オフと手ブレ補正モード1と2を切り替えられる。

 モード1と2の違いは手ブレの働き方。モード1のときは画面でモニタリングしているときから手ブレが働くので、モニタを見ていて補正の様子がわかるし、画面がぶれないので構図は決めやすい。モード2のときは、画面で見ているときは手ブレ補正オフと同じで、シャッターを押したときだけ手ブレ効果が働く。

 より手ブレ補正が強力なのはモード2のときなので、普段はモード2にしておくのがいいだろう。

ki_top.jpg メカニカルな電源スイッチとズームレバーを装備したシャッターボタン。右端に手ぶれ補正モードボタンが独立してついたのが特徴で、よく使うボタンではないので、実用性よりは手ぶれ補正機能を目立たせるためかも。今回のポイントはモードダイヤルの位置変更。ダイヤルがボディから少し顔を出すデザインになっている。ダイヤルが軽くて回りやすいのでバッグから取り出したときはモードの確認をしたい
ki_back-as.jpg 手ぶれ補正モードボタンを押すとダイレクトにモード選択ができる。モード2が一番手ぶれ補正効果が大きいのでお薦め

 では体感的に手ブレ補正の効果はどのくらいあったか。

 強力だが、過大評価してはダメ、というのが結論。カメラをちゃんと両手で持って真面目に撮るときは手ブレ補正の効果は絶大。感覚としては広角端の場合シャッタースピードが1/4秒だとけっこうブレるが、1/8秒ならたいていイケる。テレ端でも1/40秒や1/20秒ならあまりブレずに撮れる。

 もともと望遠側はブレが目立ちやすい上に、レンズが暗くなる分シャッタースピードも遅くなるので手ブレ写真を量産しがちだが、DMC-FX7ならちゃんと持ってちゃんと撮りさえすれば何とかなるケースが多く、ISO感度を上げるなどの工夫をしなくてもよくなるのだ。

 こういう薄型コンパクト機はシャッターチャンスだと思ったら片手で取り出して片手で気軽に撮ってしまいがちなのだが、そこそこのシャッタースピードが得られる明るさなら片手で気軽に撮ってもブレにくいという側面にも注目したい。今まではしっかり持ってきちんと撮らないとブレていたケースでも気軽に撮れるのだ。

 まさに気軽に撮りたいコンパクトデジカメにこそ手ブレ補正機能は必要で、こういうカメラは片手でさくっと撮りたいわたしには非常にありがたい。でも、手ブレ補正機能があるからといって乱暴に撮っては、やはりブレます。あまりにスローシャッターだとブレを補正しきれないケースも出てきます。手ブレ補正は魔法ではありません。

 手ブレ補正機構はX軸方向とY軸方向(上下と左右)のブレしか補正しないので、カメラが前後に動いたり、回転したりすると補正が効かないのだ。それに補正量が決まっているのであまり大きく動いてもだめ。特に片手で撮るときは注意したい。

 もうひとつ、カメラはブレなくても、被写体が動いてぶれて映る「被写体ブレ」は防げない。当たり前だけど、被写体がじっとしてないとしょうがないのであって、動いているものをスローシャッターで撮る(子供や猫など)ときは、シャッタースピードを上げたりストロボを焚いたりしないと、ブレるので念のため。

 なお、細かいところだが、FX7のレンズの絞りはF2.8と5.6の2段階しかない。実は昨年のFX5はF2.8と8.0の2段階だったためにF8.0になると急にシャッタースピードが落ちて困ったものだが、2.8と5.6ならそんなこともなく扱いやすい。本当に細かい点だが、こういう細かい改善点も意外に使い勝手に影響を与えるというわけで紹介してみた。

ki_front.jpg レンズはライカの「DC VARIO-ELMARIT」で、コンパクト機としては写りはよく、逆光にも強い。グリップ部はフラットだが、指がかかるような小さな金具がアクセントとして付いている

画質は500万画素コンパクトとしては十分きれい

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