写真で見る「iMac G5」(2/2 ページ)

» 2004年09月03日 05時53分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
前のページへ 1|2       
photo メモリやAirMacカードの増設は、背面のパネル全体を外して行う。右上にシリアルATAの3.5インチHDD、左上は光学式ドライブ、下部は電源ユニット。廃熱用のファンにはガイドが設けられ、効率的に廃熱できるようになっている

 64bitのG5(Power PC970)を搭載したことにより、iMacのパフォーマンスは向上した。クロック周波数こそ1.25GHz(従来の上位モデル)から1.6GHz(今回の下位モデル)とあまり差はないが、アーキテクチャの違いによって特定のアプリケーションではクロック差以上の速度向上が見られる。

 アップルが公開したベンチマーク結果によると、たとえばアドビの「Photoshop CS」(フィルタ処理)では従来のiMac(G4/1.25GHz)よりも約55%高速。とくにG5のアーキテクチャが効く「GarageBand」や「Final Cut Express 2」の場合は約70%の速度向上という結果だ。

photo Final Cut Express 2のベンチマーク結果

 グラフィックチップは、nVIDIAの「GeForce FX5200 Ultra」を採用している。GPUの設計としては1世代前のものだが、64Mバイトのビデオメモリを搭載したこともあり、従来のiMacと比較すると性能は段違い。アップルによると、「Unreal Tounament 2004」のフレームレートは旧iMacの3倍以上を叩き出すという。

photo Unreal Tounament 2004のパフォーマンステスト
photo アーキテクチャ概要図。FSB(フロントサイドバス)はCPUクロックの3分の1で動作する
photo 2つのメモリスロットで最大2Gバイトを搭載可能

 気になるのはG5の搭載による発熱だが、iMac G5では3つの廃熱ファンと空気の流れを効率化するガイドにより、過度の発熱を防いでいるという。廃熱ファンの場所は、HDDの横、放熱スリットの近く、そして電源ユニットの中。ディスプレイ底面のグリルが吸気口を兼ねており、中を通った空気は背面のスリットから外へ抜ける仕組みだ。試しに放熱用のスリット付近に手をかざしてみたところ、かなりの熱気を感じた。はっきりいって熱い。

 なお、放熱ファンはOS制御によって回転数を変更できるため、CPUの使用率が低いときには回転数を落として動作音を抑制できる。「アイドル状態の動作音は25dB程度。25dBといえば、1メートル離れた場所で“ささやく”よりも静かだ」(同社)。

photo 背面パネルの裏側。対になるガイドと組み合わせて効率よく廃熱できる形状をつくりだす

iMac G5は革新的か?

 ディスプレイのように見える液晶一体型パソコンというのは、日本では決して珍しくない。実際、旧iMac(いわゆる大福iMac)の発表前に「液晶ディスプレイ搭載のiMacが出る」と噂が流れたとき、多くの人は今回の「iMac G5」に近い姿を想像したのではないだろうか。そういう意味で、iMac G5には従来のiMacにあったような“新鮮味”や“奇抜さ”は感じられない。

 しかし、かつて「iBook」が半透明のクラムシェル型からホワイトボディに変わったときと同じように、ユニークさはなくなっても、スマートで、多くの人が受け入れやすいデザインになったといえる。とくに、同じ質感を持つ初代「iPod」をはじめ、iPodを所有する多くのユーザーが物欲をそそられるのではないだろうか?

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月11日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  3. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  4. Minisforum、Intel N100を搭載したスティック型ミニPC「Minisforum S100」の国内販売を開始 (2024年05月10日)
  5. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. ASRock、容量約2Lの小型ボディーを採用したSocket AM5対応ミニベアボーンPCキット (2024年05月10日)
  8. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  9. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  10. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー