THX認定5.1chや2.1chなど――ロジクールが国内初スピーカー製品

» 2004年09月30日 20時55分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 日本ではマウス/キーボードやウェブカメラなどで有名なロジクールが、マルチスピーカーシステムで新たな市場にチャレンジする。

 ロジクールは9月30日、DTS 96/24デコーダ搭載のTHX認定5.1chサラウンドシステム「Z-5500 Digital」などマルチスピーカー4製品を10月29日から発売すると発表した。価格はすべてオープンで、Z-5500 Digitalの同社直販サイトでの価格は4万9800円となる。

photo 5.1chサラウンドシステム「Z-5500 Digital」

 米国本社Logitechでは、2001年にマルチスピーカーメーカーのLabtecを買収しスピーカー事業を強化。現在は5.1chタイプから2.1ch普及機までマルチスピーカーのラインアップも充実している。「マルチスピーカーは、米国と欧州を合わせた売上げでナンバーワンシェア(29%)を確保している分野。日本での展開も期待は大きい」(同社)

photo 売上シェアは米国+欧州でナンバーワン

 日本で新たに展開するスピーカー群は、高いデザイン性とパフォーマンスに優れた「“Z”シリーズ」と、新特許技術を搭載した「“X”シリーズ」の2つのシリーズが用意されている。

 ZシリーズのフラッグシップとなるZ-5500 Digitalは、米国で2年前に発売(日本では未発売)されたTHX認定5.1chサラウンドシステム「Z-680」の後継機。DTS 96/24とドルビーデジタルに対応したサラウンドデジタルデコーダを内蔵しているほか、バーチャルサラウンド機能としてドルビープロロジックIIを搭載している。

photo Z-5500 Digital

 特徴は、フェイズプラグを採用したサテライトスピーカーだ。

 普及タイプのサテライトスピーカーでは、ツィーターとミッドレンジのドライバーユニットをクロスオーバー処理させる2ウェイタイプが主流だが、ツィーターの高周波数帯域がミッドレンジの帯域に侵入して、高音域が強調され過ぎたりオーバーラップで音を打ち消しあってしまうという問題があった。そのため、ハイエンドモデルでは1つのドライバーユニットで高〜中域までカバーするフェイズプラグ方式を採用するケースが多い。

photo 普及タイプに多い2ウェイタイプ(左)とハイエンドモデルのフェイズプラグ方式(右)

 Z-5500 Digitalは、実売5万円以下という普及価格ながらフェイズプラグ搭載ドライバーユニットを採用。フェイズプラグによって高周波数帯域を広げることで1つのドライバーユニットで高音域から中音域までカバー。ユニット同士の干渉もなく、スムーズな音を再生できるという。

photo フェイズプラグ搭載ドライバーユニットを採用

 総合出力は最大500ワットで、そのうち188ワットを占めるサブウーファーは25.4センチの大型ユニットを採用。音源を直接アンプに送出可能な6chダイレクト入力に対応。

photo コントロールポッド

 機能を集中管理するコントロールポッドには液晶ディスプレイを搭載。サラウンドエフェクトのパラメーター設定や各サテライト/サブウーファーの音量調整などが簡単に行える。デジタル入力は2系統(光/同軸)アナログ入力は4系統を装備。手元で操作可能なリモコンを同梱した。

photo 発表会では、自作巨大スピーカーで全国各地でライブ活動を行うなどスピーカーに精通したレゲエ界の重鎮・ランキンタクシー氏のスペシャルライブも行われた。音響システムはもちろんZ-5500 Digital

ウッド&メタル調2.1ch「Z3」やFDD2技術搭載X-530/X-230などPC向けスピーカー

 PC向け2.1chスピーカーシステム「Z3」は、Z-5500 Digital同様にフェイズプラグ採用ツィーターを搭載。デュアルチャンバー方式によって音の歪みや音割れがない迫力ある重低音を楽しめるという。ウッド&メタルのクラシカルなオーディオデザインを採用。総合出力は最大80ワット。同社直販サイト価格は9980円。

photo 2.1chスピーカーシステム「Z3」

 PC向け5.1chスピーカーシステム「X-530」は、デュアルドライバーユニットで問題となるサウンドウェイブの衝突を回避した「FDD2(Frequency Directed Dual Drivers)」テクノロジーを搭載。総合出力は最大140ワット。同社直販サイト価格は1万2800円。

photo 5.1chスピーカーシステム「X-530」

 PC向け2.1chスピーカーシステム「X-230」は、X-530と同様に「FDD2技術搭載サテライトスピーカーを採用。総合出力は最大64ワット。同社直販サイト価格は6980円。

photo 2.1chスピーカーシステム「X-230」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月16日 更新
  1. 使って分かったM4チップ搭載「iPad Pro」のパワフルさ 処理性能とApple Pencil Pro/Ultra Retina XDRディスプレイ/新Magic Keyboardを冷静に評価する (2024年05月14日)
  2. 2台のPCを“直結”して高速データ転送と画面共有を実現――Intelが「Thunderbolt Share」を発表 対応製品は2024年後半に登場予定 (2024年05月16日)
  3. 新型「iPad Pro」が見せる未来の夢と「iPad Air」が見せたバランス感覚 実機を試して分かったiPad購入ガイド (2024年05月14日)
  4. FMVの富士通クライアントコンピューティングが2種類の周辺機器を発売 「27型ワイド4Kディスプレイ」と「ワイヤレス静音キーボード」 (2024年05月14日)
  5. AMDが内蔵グラフィックス非搭載の「Ryzen 7 8700F」など2製品を発表 (2024年05月15日)
  6. ワコムの有機ELペンタブで快適手書きメモライフ! 絵描きではないビジネスパーソンが「Wacom Movink 13」を試したら (2024年05月14日)
  7. キヤノンMJ、PCレスでのスキャンやデータ送信も可能なネットワークスキャナー「ScanFront 400II」 (2024年05月14日)
  8. Arloブランドの「Essential屋内用カメラ(第2世代)」を試す Ringの屋内カメラとの違いは? (2024年05月15日)
  9. 絵文字のルーツはシャープの電子手帳? AIoTクラウドが日本の製造業を支援する理由 (2024年05月15日)
  10. Next GIGAで何が変わる? 文科省が「学習用端末」の要件や補助スキームの変更などを行った理由【前編】 (2024年05月16日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー