では実際に接続してみよう。
まずは液晶プロジェクターを、白壁に投影して利用している知人宅に出かけ、ここで利用してみた。AVerKey LiteとプロジェクターはS-Video接続している。
まずは、一番利用頻度が多いであろいうTV番組を録画したデータの再生だ。結果から述べると、意外にもといったら失礼かもしれないが、表示品質として大きな不満は第一印象としては感じなかった。
もちろんPC用ディスプレイで再生する時のような、カチっとした画質ではないが、それも同時再生して差を見比べてみると改めて思うといった程度である。一番気になっていた画面両端の大きなゆがみなどもないし、字幕もくっきり表示されている
21インチ液晶TVと、21インチブラウン管TVで見た場合はどうか。こちらも録画したTV番組を見るといった動画再生用途時には、特に解像度不足を意識することもなく、むしろPCで再生するよりも見やすくリラックスして視聴できる印象を受けた。
次はブラウザを起動してみる。
この場合、さすがに1600×1200ドット表示モードでは文字が読み取れない。Webサイトに表示されるような文字を普通に読み取るには、800×600ドット程度に解像度を落とす必要があるだろう。これはAVerKey Liteの性能というよりは、ビデオ出力の限界といった感じだし、そもそもハイビジョン非対応テレビでは800×600ドット表示でさえ物理的な表示解像度が足りないかもしれない。
液晶TVやブラウン管TVに接続した場合の印象も概ね同じだ。PCディスプレイの代わりとする、細かい文字を読む必要がある利用方法では、800×600ドットないし640×480ドットほどにまで解像度を落とさないと、文字ははっきり認識できない。
AVerKey Liteの販売価格は7000円前後で、ダウンスキャンコンバータとしては低価格な部類に入る。画質は格別よいというわけではないのだが、同等機能を持つ1万3000円ほどで購入した筆者の私物と比較しても、同時に表示させてじっくり見比べなければ、画質の差ははっきり感じられなかったのも事実だ
ブラウザ内の細かい文字の表示といったことは、解像度の調整が必要なのでやや面倒だが、これはAVerKey Liteだけの問題ではない。今回の目的は「PCで録画した番組であっても、どうせなら家庭用大型TVで見たい」であることを考えると、その目的はおおむね達成できた。数千円台という安価さで手軽に実現できる、数少ない機器の一つではないだろうか。
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