PCを複数――特にデスクトップPC複数台を――所持するユーザーであれば、すでに導入している、あるいは一度は導入を考えたことがあるであろう便利な機器、それがPC切り替え器だ。
そんな、一見普通のPC切り替え器のようなたたずまいのRextron「PS/2 2console KVM Switch KNV201」(以下、KNV201)という製品をアキバで発見した。ただしこのKNV201、PC切り替え器ではない。1台のPCにキーボードやマウスを切り替えられるという、“入力機器”切り替え器だったのである。
つまり、PC切り替え器は例えば2台のPCに1組の入力機器、という使い方であるのに対し、KNV201は1台のPCに2組の入力機器、という使い方をする。
搭載されるインタフェースは、D-Sub入力×2、D-Sub出力×1、PS/2(各キーボード/マウス用)入力×2、PS/2出力×1。フロントのスイッチにより、有効にするキーボードとマウスを切り替える仕組みとなっている。2台出力できるディスプレイ側の切り替えは行われず、2台ディスプレイを接続した場合は、双方同じ画面が表示される。
Rextronの国内代理店スカイブルーコンピュータによると、このKNV201は主に法人用途として、例えばPC教室などのインストラクターが、受講者にPC操作を説明する場面などに使われているという。
2組のディスプレイとキーボード、マウスを用意して、KNV201を単独で使う。それぞれをKNV201に接続し、付属のケーブルでマシンに接続すれば完了だ。
今回試した環境は以下の通り。
接続チャネル | 1ch | 2ch |
ディスプレイ | NEC製15型CRT | DELL製15型CRT |
マウス | マイクロソフト「IntelliMouse Explorer」(光学式) | 適当なノーブランド(ボール式) |
キーボード | FILCO「翼 FKB-107/J」 | ノーブランド日本語109キーボード |
PCを起動すると、2台のディスプレイに同じ画面が「クローンモード」のように表示される。もちろんアプリケーションやマウスカーソルの動きもタイムラグなく反映されている。切り替えスイッチを1秒ほど押すと、ディスプレイではなく、もう一方のキーボードとマウスが操作できるようになる。
ここまではふーんといった感じだったが、文字入力の際に通常接続時と比べると、なんとなく遅いかもと感じる程度の“もたつき感”があった。
メーカーによると、電力不足である可能性があるとのことで、別途ACアダプタを接続すれば確実に解消されるという。なるほど、本体背面にはACアダプタ接続用のコネクタも用意されている。しかしACアダプタ「KNV104D-AC-Adapter」はオプション扱いで別売りだ(2980円ほど)。
多機能キーボードやマウス、しかもワイヤレスモデルを何台も、といった場合で試したのであれば何となく分かる気もするが、たった2台、しかも特殊なキーボードやマウスを接続したわけではない環境下での結果となると、これではユーザーはちょっと不満を感じてしまうかもしれない。機器そのものの改善か、ACアダプタの同梱を強く望みたい。
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