深夜に集うMacファン――英国Apple Store開店レポート

» 2004年11月22日 17時57分 公開
[IDG Japan]
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 凍えるような11月20日午前3時、ロンドンのリージェントストリートはクラブやパブから帰ろうとするいつもの酔客の一団でごった返している。だがこの日は普段とは違った。もうすぐオープンするApple Storeの優雅なアーチの外に集まったのは、世界中のMacファンの集団だった。彼らは欧州初のApple Storeの開店を辛抱強く待っていた。

 既に角を曲がったところまで伸びている行列の先頭に並んでいるのは、米テキサス州ダラスから来た19歳のストーミー・シッピー君。Apple Storeの開店に立ち会うのは3度目になるという。「すごくいい雰囲気だよ。ここで会ったたくさんの人たちとは、絶対にこれからも付き合っていくつもりだ」

 2番目に並んでいるのは米カリフォルニア州ブルックリンから来たデビン・アレン君(17歳)と父親のゲリー・アレンさん。2人はApple Storeの開店にはほとんど駆けつけているお馴染みの顔だ。デビン君は「ロンドンのストアは見事だ。今回、Appleは実力以上のものを発揮した」と話す。彼は18日に英国に着き、その日の午後10時に列に並んだ。

愛とリスペクトを示すため

 Apple Store専門家の1人であるゲリー・アレンさんは、新しいストアをべた褒めだ。「Appleがこの1898年築の建物で成し遂げたことは驚異的だ。彼らがいかにうまくほかの国のニーズに合わせられるかということを示している。例えば、日本のApple Storeは外装にスチールを使っており、実にうまくほかの店となじんでいる。ここロンドンでは、Appleの都合を満たしつつ、この地域の建築やデザインに合った店舗を作っている」

 ケビン・ウンさん(22歳)はそれほど遠くないところに住んでいる。彼はロンドン在住だが、この「オールナイトパーティ」を逃したくなかったのだ。「ここに来ることでAppleへのリスペクトと愛を示すため、僕は来なくてはならなかった。福袋はおまけだ」

 ケビンさんはサンフランシスコと東京のApple Storeにも行ったことがある。「どう考えたって僕がこの(ロンドン)ストアの開店を見逃すことはできないよ。気がもめることだね」と彼は冗談を言った。

 午前5時には行列はもっと伸びていた。噂では約400人が寒いロンドンの通りで待っていたという。英ニューマルデンから来たマイケル・ジンさんはこう話す。「どっと疲れが来たのは朝の5時ごろだったかな。長くて寒い夜だったけど、あの場にいた人たちは暖かかった。雰囲気は良かったし、たくさんの友達ができたよ」

 インペリアルカレッジの学生ニキル・ラドマ君、マイク・ウォーカー君、デビッド・エリス君は19日深夜に列に並んだ。一番の目当ては福袋だった――その中身は寒い夜に行列するだけの甲斐があるものだろう。「人生の中でこんなに震えたことはない」とニキル君は語る。

 この行列に並んだ「最初のイタリア人」であるジェンナーロ・アルファーノさんとグラジア・フォンティさんはそれぞれナポリとローマからやって来た。19日午後4時に英国に着き、列に並ぶまでに足を止めたのは、テントを買った時だけだった。「来なきゃならなかったんだ。一生に一度のことだから」とジェンナーロさん。

熱いスタッフとハイタッチ

 ゲリー・アレンさんに言わせると、ロンドン店の開店に関して一番良かった点は、「スタッフの熱気」。午前10時にドアが開いたときのスタッフのエネルギーは「驚異的」だったという。ロンドンのスタッフは、寒さに震えるMacファンの長い行列に沿って走り、彼らとハイタッチをしながら喜びの声を上げ、それからストアの前に集まって踊ったり飛び跳ねたりした。

 開店前には、期待を抱いた群衆の間でスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)が出席するという噂が流れたが、それはただの噂だと分かった。

 ジョブズ氏不在の中でオープンの音頭を取ったのは、Appleの小売担当上級副社長ロン・ジョンソン氏と店長のジョン・オグレディ氏だった。オグレディ氏は、136人の強力なロンドン店スタッフを率いるために米国から派遣された2人のマネジャーのうちの1人。

 ストア内での体験をデビン・アレン君はこう話している。「どの開店も印象的だけど、今回のは僕が参加した中でトップ2に入るって言えるよ」

 ある熱心なスタッフは、新たな仕事への興奮を次のように語っている。「これまでたくさんの小売店で仕事をしたけど、今回はまったく違う。雰囲気が素晴らしくて、この場にいられることがとてもうれしい」

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