すでに、NVIDIAやパーツベンダーによる動態デモや、Webニュースサイトの報道でいろいろと紹介されているので、繰り返しになってしまい、まことに恐縮だが、NVIDIA SLIを単純に説明すると「3D描画の負荷が均等になるように、複数のGPUで担当を分けることで、パフォーマンスの向上を図る技術」ということになる。
発表当初は、NVIDIA SLIに対応する「複数のGPUに対応できる複数のPCI Expressスロット」を実装するマザーがサーバ用のハイエンド製品しかないことや、細かい仕様が確定できていない、などなど懸案事項が山積し、スタッフも「まだまだ時間がかかる」と発言するように、一種慎重な姿勢を見せていたNVIDIA。
しかし、NVIDA SLI用ブリッジチップコネクタを搭載したGeForce 6シリーズが店頭に並び、コンシューママザー向けチップセット「nForce 4」の最上位バージョンでNVIDIA SLI対応チップセットを発表するなど、NVIDIA側の準備は着々と進行。
そして、先週、先々週にアキバで行われたパーツベンダーのプライベートイベントで相次いでnForece 4 SLI搭載したマザーが展示され、動態デモも披露されるなど、「おお、ひょっとしてもうすぐ店頭に登場か?」と思わせるような状況になってきている。
そんな中、ASUSから「ベンチマークOK!」というnForce 4 SLI搭載マザーの試作機が急遽到着した。試作、といってもケーブルやマニュアルが同梱され、パッケージも現在店頭に並んでいる「ai」シリーズの化粧箱に収まっているなど、限りなく製品版に近い状態。ASUSによると「遅くとも12月第二週には入荷するだろう」とのこと。
「ミドルレンジのGPUでもSLIなら、シングルのハイエンドGPUを上回るパフォーマンスを発揮する」とも、「CPUがバリュークラスでもハイエンドGPUの2枚差しで無敵のパフォーマンスを発揮する」とも言われ、3Dゲーマーのみならず、年末商戦の起爆剤にしたいとパーツベンダーやパーツショップも大きな期待をかけるNVIDIA SLI。
「CPUとGPUの総当たり組み合わせにおけるパフォーマンスの推移」や、「ハイエンドGPUとミドルレンジGPUの組み合わせにおけるコストパフォーマンスの検証」などなど、詳しい考察は後日改めて行うとして、まずは、「お父さん買い」ユーザーが最も気になるミドルレンジGPUで「GeForce 6600 GTのシングル動作とSLI動作のパフォーマンスの比較」と、「NVIDIA陣営で最速のPCI Express x16対応グラフィックスカードでであるGeForce 6800 GTとの比較」を定番ベンチマークで行ってみた。
ベンチマークシステム環境 | |
CPU | Athlon 64 4000+ |
マザーボード | ASUS A8N-SLI Deluxe |
メモリ | PC3200/512MB×2ch |
HDD | ST3160023AS |
OS | Windows XP Professional +SP2 |
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