きょうは「NVIDIA SLI」のパワーに驚愕したグラフィックスカード(1/2 ページ)

» 2004年11月29日 17時12分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 すでに、NVIDIAやパーツベンダーによる動態デモや、Webニュースサイトの報道でいろいろと紹介されているので、繰り返しになってしまい、まことに恐縮だが、NVIDIA SLIを単純に説明すると「3D描画の負荷が均等になるように、複数のGPUで担当を分けることで、パフォーマンスの向上を図る技術」ということになる。

 発表当初は、NVIDIA SLIに対応する「複数のGPUに対応できる複数のPCI Expressスロット」を実装するマザーがサーバ用のハイエンド製品しかないことや、細かい仕様が確定できていない、などなど懸案事項が山積し、スタッフも「まだまだ時間がかかる」と発言するように、一種慎重な姿勢を見せていたNVIDIA。

 しかし、NVIDA SLI用ブリッジチップコネクタを搭載したGeForce 6シリーズが店頭に並び、コンシューママザー向けチップセット「nForce 4」の最上位バージョンでNVIDIA SLI対応チップセットを発表するなど、NVIDIA側の準備は着々と進行。

 そして、先週先々週にアキバで行われたパーツベンダーのプライベートイベントで相次いでnForece 4 SLI搭載したマザーが展示され、動態デモも披露されるなど、「おお、ひょっとしてもうすぐ店頭に登場か?」と思わせるような状況になってきている。

 そんな中、ASUSから「ベンチマークOK!」というnForce 4 SLI搭載マザーの試作機が急遽到着した。試作、といってもケーブルやマニュアルが同梱され、パッケージも現在店頭に並んでいる「ai」シリーズの化粧箱に収まっているなど、限りなく製品版に近い状態。ASUSによると「遅くとも12月第二週には入荷するだろう」とのこと。

今回テストしたnForce4 SLI搭載マザー「A8N-SLI Deluxe」のパッケージ。“SLi MULTI-GPU」のロゴが燦然と輝く

PCI Express x16と同サイズのスロットが二つ用意されたA8N-SLI。x16スロットの間には、シングルGPU動作とデュアルGPUによるSLI動作を切り替えるモジュール「SLIセレクタカード」のスロットが用意されている。なお、PCI Express x16スロットの脇にある電源コネクタは、SLI構成に必要な電力を供給するために設けられている

SLIインタフェースを接続するブリッジモジュールはマザーボード側で供給する。A8N-SLI Deluxeは2本のPCI Express x16が用意されているが、SLI動作時はどちれらもx8で動作することになる

 「ミドルレンジのGPUでもSLIなら、シングルのハイエンドGPUを上回るパフォーマンスを発揮する」とも、「CPUがバリュークラスでもハイエンドGPUの2枚差しで無敵のパフォーマンスを発揮する」とも言われ、3Dゲーマーのみならず、年末商戦の起爆剤にしたいとパーツベンダーやパーツショップも大きな期待をかけるNVIDIA SLI。

 「CPUとGPUの総当たり組み合わせにおけるパフォーマンスの推移」や、「ハイエンドGPUとミドルレンジGPUの組み合わせにおけるコストパフォーマンスの検証」などなど、詳しい考察は後日改めて行うとして、まずは、「お父さん買い」ユーザーが最も気になるミドルレンジGPUで「GeForce 6600 GTのシングル動作とSLI動作のパフォーマンスの比較」と、「NVIDIA陣営で最速のPCI Express x16対応グラフィックスカードでであるGeForce 6800 GTとの比較」を定番ベンチマークで行ってみた。

いったんドライバを導入していれば、SLIで2枚めのグラフィックスカードを差しても、そのまま認識される

グラフィックスカードを2枚差しにしてSLI構成にするとForceWareの「SLI MULTI GPU」のメニューが有功になる。こことBIOSのSLIモードをEnableにしておかないと、2枚差しにしてもパフォーマンスはアップしない。下にある「Show GPU Load balancing」をチェックすると、両方のGPUに負荷を均等に分散する“Load balancing”機能によって、どのように負荷が分割されたかを示すインジケータを有効にする

Load balancingを有効にすると、このようなインジケータが表示される。画面を上下に分割するラインとその脇にある棒グラフで、二つのGPUでどのように処理を分割しているかを表してくれる

ベンチマークシステム環境
CPUAthlon 64 4000+
マザーボードASUS A8N-SLI Deluxe
メモリPC3200/512MB×2ch
HDDST3160023AS
OSWindows XP Professional +SP2

3DMark05 Score

3DMark03 Score

3DMark03 GT1

3DMark03 GT4
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  3. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  4. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  5. QualcommがPC向けSoC「Snapdragon X Plus」を発表 CPUコアを削減しつつも圧倒的なAI処理性能は維持 搭載PCは2024年中盤に登場予定 (2024年04月25日)
  6. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  7. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  8. アドバンテック、第14世代Coreプロセッサを採用した産業向けシングルボードPC (2024年04月24日)
  9. AI PC時代の製品選び 展示会「第33回 Japan IT Week 春」で目にしたもの AI活用やDX化を推進したい企業は要注目! (2024年04月25日)
  10. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー