レビュー
» 2004年12月03日 00時00分 UPDATE

今いちばん小さくて軽いデジタル一眼レフ機――*ist DS (1/3)

昨年の「*ist D」に続く、ペンタックス製デジタル一眼レフ機の第2弾「*ist DS」が新登場した。「フレンドリー!デジタル一眼レフ」というキャッチコピーの通り、シンプルで親しみやすい操作系が見所だ。

[永山昌克,ITmedia]

 「世界最小最軽量」をうたったデジタル一眼レフ機「*ist D」を、さらにコンパクトにしたのが「*ist DS」である。従来に比べ、幅と高さはそれぞれ数ミリ縮小し、重量は45グラム軽くなった。撮像素子のサイズと画素数は、ライバル機のキヤノン「EOS Kiss Digtal」やニコン「D70」と同等だが、ボディは一回り小さくて軽い。フィルムカメラの時代から小型軽量化を得意としてきたペンタックスの面目躍如である。

 小さいといっても構えにくくはない。グリップについては*ist Dより大型化し、確実なホールド性を保っている。筆者の手はやや大きいので、個人的にはもう一回り大きなボディやグリップのほうがしっくりくるが、その差よりも携帯性のメリットが上回る。

 従来の*ist Dにあったオプションのバッテリーグリップは省かれた。大きくて重いレンズを取り付けるとボディ全体のバランスが悪くなるので、*ist DSには比較的コンパクトなレンズが似合うと思う。キット発売もされる新しい標準ズーム「DA ズーム18〜55mmF3.5〜5.6 AL」も悪くないが、筆者なら広角や標準の単焦点レンズと組み合わせて使いたい。そうすれば、レンズ込みでも最小最軽量のデジタル一眼レフ機が出来上がる。

 また、「パンケーキレンズ」と呼ばれる超薄型の単焦点レンズ「DA 40mmF2.8 Limited」にも注目したい。残念ながら発売は未定で以下のレビューでも未試用だが、パンケーキレンズと聞いただけで物欲を刺激されるカメラマニアは、筆者だけではないだろう。一眼レフの世界では、特定のレンズを使いたいためにボディを揃えるという発想があるが、このパンケーキレンズにもそれだけの魅力がすでに感じられる。だからこそ、*ist DSのボディの性能も気になるのだ。

ki_ist_01.jpg シャシーは堅牢なステンレス素材で、外装にはボリカーボネートという樹脂素材が使われている。マグネシウム外装のような重厚感はないものの、チープな印象は受けない
ki_ist_02.jpg コンパクトボディなので、大きな手の場合はグリップから右手の小指があふれる。標準ズーム「DA ズーム18〜55ミリF3.5〜5.6 AL」を付けた時のボディバランスは良好だ
ki_ist_03.jpg 「DA ズーム18〜55ミリF3.5〜5.6 AL」は、AFでの合焦後に、切り替えなしでマニュアルでのピント調整ができる「クイックシフト・フォーカス・システム」に対応する。側面のカバー内には、リモコン端子、USB2.0/ビデオ出力端子、DC入力端子を装備する

ユーザーフレンドリーな機能と操作性

 少しマニアックなレンズの話から始めたが、*ist DSはマニアやプロ向けのカメラではない。前モデル*ist Dのカタログには風景やモデルの写真が多かったが、*ist DSのカタログには子どものスナップ写真が多用されている。つまり、メインのターゲットはファミリー層なのである。前モデルの*ist Dの後継機ではなく、下位機という位置付けだ。そして、*ist Dよりもボタンやダイヤルの数を減らし、一眼レフ機のビギナーにも取っ付きやすい、シンプルで明快な操作系を実現している。

 例えば、グリップの電子ダイヤルは2つから1つに減り、*istDで評判のよかった「ハイパープログラム」機能は省略された。多重露光機能、シンクロソケット、コンティニュアスAFの任意選択なども省かれている。

 その代わりに撮影モードの選択肢が増えた。従来からあるプログラム、シャッター優先、絞り優先、マニュアル露出、バルブの5モードに加え、オートピクチャー、標準、人物、風景、マクロ、動体、夜景人物、ストロボオフの8モードを新搭載する。これらは、一般的にシーンプログラムモードと呼ばれるもので、選んだシーンに応じて露出や発色などを自動的に最適化できる。

ki_ist_04.jpg グリップ部の電源レバーを回すと、約0.8秒で素早く起動し、撮影スタンバイになる。絞りやシャッター速度の選択は、背面の電子ダイヤルで行い、露出補正はダイヤルとボタンを併用して行う
ki_ist_05.jpg 内蔵ストロボは自動または手動でポップアップでき、35ミリ換算で28ミリの画角をカバーする。レンズマウントは、ペンタックスバヨネットKAFマウントに対応する

 また、従来はボタンやダイヤルからのアクセスだった、ホワイトバランス、ドライブモード、ISO感度、ストロボモードの4機能は「Fnボタン」に集約された。背面のFnボタンを押すと、4機能の選択画面が液晶表示され、十字キーの操作でそれぞれを素早く設定できる。これは、同社のコンパクトデジカメ「Optio」シリーズの上位機から移植された操作系で、少ないボタン数でスピーディなアクセスが可能になる。

 記録メディアがコンパクトフラッシュからSDメモリーカードに変わったことも、よりコンシューマ向けの性格を表している。すでに大容量のコンパクトフラッシュを揃えている中上級のユーザーにはちょっと引っかかる部分だが、主ターゲットであるデジタル一眼レフ機のビギナー層の場合は、コンパクトフラッシュよりもSDメモリーカードのほうが普及しているはずだ。

 SDメモリーカードは、快適な操作レスポンスが得られる高速タイプがお勧めだ。筆者が行ったテストでは、転送速度が10Mバイト/秒の東芝製SDメモリーカード256Mバイトを使った場合、単写モードで連続してシャッターを押しても、JPEGの最高画質なら10コマ程度までは途切れずに撮影できた。また、それ以降もすぐにバッファメモリが空くので、一瞬の間を置いて再び撮影をしたり、素早く再生モードに切り替えたりできる。

 連写モードの場合は、秒間2.8コマを最大8コマまで撮影でき、9コマ目以降は連写速度がやや低下するが、それでも1秒以下の間隔でずっと連写可能だ。

 約0.8秒の起動時間や0.3秒以下の再生間隔に関しても、てきぱきとしていてストレスは感じない。しかしAFについては、レンズ一体型のデジカメに比べれば格段に速いが、デジタル一眼レフ機の中では超高速とはいえない。昼間の屋外など、十分な光量があるシーンではスムーズにピントが合うが、室内などの薄暗いシーンでは合焦までに一瞬待たされる印象を受ける。メーカーによるとAFシステムは*istDと同等らしく、大きな不満とは言わないが、あと一歩のスピードアップが欲しいところだ。

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