Special
2005/01/13 09:30 更新


デジカメRAWモード撮影術〜風景写真編〜 (1/3)

デジタルカメラのイメージセンサで読み取った情報をそのまま“生”の状態で直接記録するRAWモード撮影は、自然の成り行きにまかせて撮影しなければならない風景写真の分野でも、実にさまざまなメリットを与えてくれる。RAWモードによる風景写真の撮影術を紹介しよう。

撮影条件は自然まかせ

 RAWモードでの撮影は、風景撮影の分野でも実にさまざまなメリットを与えてくれる。

 当然ながら風景写真は、ライティングや被写体の配置などを自由に変えられるスタジオ撮影とは異なり、自然の成り行きにまかせて撮影を進めることになる。もちろん、撮影する季節や時間帯を選ぶのは鉄則だが、それでも天候や被写体の状態が、必ずしも自分の望んだ通りであるとは限らない。そういった点で、パソコンで写真の仕上がりを調整できるRAWモード撮影は非常に有効な手段なのである。

 ここで言うパソコンでの調整とは、失敗写真を救済することだけを指すのではない。確かにそれも利点の一つではあるが、それよりも、作品を厳密に自分のイメージ通りに仕上げるという意味において、RAWモード撮影は必要不可欠な存在なのである。

 実際に筆者も、自分の作品を撮る場合には必ずRAWモードを使用している。

適正露出で撮影するのが原則

 ところで、風景写真においては、どのような点に注意してRAWモード撮影を行えばよいのだろうか?

 まず露出に関しては、JPEGで撮影する場合と同様に、できる限り適正露出で撮るように心がけよう。RAWデータはパソコン上で露出をある程度自由に調整することが可能だが、RAWは決して万能ではない。RAWで撮影しようと、JPEGで撮影しようと、撮像素子の性能は変わらないので、再現できるダイナミックレンジの幅には限界がある。つまり、撮像素子に記録されていない情報は、いくらRAW現像ソフトで調整しても、引き出すことはできないのである。

 ただ、いつでも適正露出で撮影すればよいかと言えば、一概にそうとも言い切れない。たとえば白とびや色飽和が起こりそうなシーンなどが、その好例と言えるだろう。

 真っ赤に色づいたモミジなど色鮮やかな被写体を適正露出で撮影すると、状況によっては色飽和が発生して、色の階調がまったくなくなってしまうことがある。このような場合は、パソコンで露出を微調整することを前提にして、色の階調が残るように、意図的にアンダー気味に撮影するとよい。そして、RAW現像時にパソコンのモニタを見ながら微調整していけば、色の階調をしっかりと残しながら、適正な露出に近づけていくことができるはずだ。

 また、古い日本家屋を入れて雪景色を撮影するような場合は、建物に露出を合わせると、雪が広範囲にわたって白とびしてしまうことがある。そのようなシーンでも、雪が白とびしない程度に露出を抑えて、RAWモードで撮影するとよいだろう。RAW現像ソフトではカメラ以上に緻密な露出補正が行えるので、白とびを極力抑えつつ、自分好みの露出に仕上げることが可能である。

 なお本記事では、ニコン「D70」用RAW現像ソフト「Nikon Capture 4」を使用した。本体とは別売だが、撮影設定の変更はもとより、トーンカーブ編集やヴィネットコントロール(レンズ周辺部における周辺減光の調整)にまで対応した本格的なRAW現像ソフトである。

mk_main.jpg

RAW現像ソフト「Nikon Capture 4」のメイン画面

      | 1 2 3 | 次のページ

[萩原俊哉,ITmedia]

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ピックアップ

news139.jpg 週末アップルPickUp!:絶好調のApp Store、ユーザーに34億円返金へ
アップル関連の話題を何となくまとめる週末アップルPickUp!。今週は未成年者によるアプリ内課金問題を取りあげます。

news020.jpg 24時間動作+4バンドLTE+11ac+SIMフリー(予定):もしかして“無双”? ツウ好みの高性能LTEルータ「AtermMR03LN」をねっとりチェック(パフォーマンス編)
“ツウ好み”の機能や特長を多く備えるLTEルータ「AtermMR03LN」がモバイラーの中で人気だ。前編の機能チェックに続き、後編では実運用して分かった使い勝手とパフォーマンス面をねっとりチェックする。

news041.jpg 最新タブレット速攻レビュー:「MeMO Pad 8」──“Winタブ”よりお手ごろ価格な8型Androidタブレット
8型タブレットとなると最近はWindows 8.1搭載モデルが人気だが、同サイズでAndroidなら“もっと低価格”である。2万円台で買える8型タブレット「ASUS MeMO Pad 8」をチェックする。

news052.jpg 最新PC速攻レビュー:「VAIO Pro 13」――さらにハイスペックを軽快に持ち運べる“14春モデル”徹底検証
高い人気を誇る薄型軽量モバイルノート「VAIO Pro 13」が、より高性能なCPUを搭載可能になった。その実力を確かめるべく、直販ハイスペックモデルをじっくり検証する。

news062.jpg 「3年先を行く」製造技術:タブレット市場に注力するIntelのモバイルプロセッサ戦略
Intelは“他社の3年先を行く”半導体製造技術でタブレット市場における影響力の拡大を目指す。同社のモバイルプロセッサ戦略をまとめた。

news116.jpg LaVie Z&LaVie G タイプZロードテスト:第23回 2560×1440解像度スゴイ……格段に作業効率が上がる「超高解像度ディスプレイ」
ウルトラ軽量に加え、「超高解像度ディスプレイ」もLaVie Z(IGZOモデル)の魅力だ。今回はこのディスプレイの使い勝手と応用方法を考えてみた。

news107.jpg SOHO/中小企業に効く「ビジネスPC」の選び方(2):Windows XPから乗り換えるべきは“7”か“8.1”か
Windows XPのサポート終了に際して、どのようなPC環境に移行すべきか? まずはWindows 7か、Windows 8/8.1か、次のメインOSを選択する必要がある。

news057.jpg NUCやUltrabookをもっと速く:アキバで人気のSSDにmSATA版が登場――「Samsung SSD 840 EVO mSATA」徹底検証
抜群のコストパフォーマンスで高い人気を誇るSSD「Samsung SSD 840 EVO」にmSATA版が登場した。容量が1Tバイトまで用意されているのも興味深い。早速、性能をチェックしよう。

news033.jpg SOHO/中小企業に効く「UPS」の選び方(第2回):「UPS」を正しく選ぶコツ――容量の計算方法は? 給電方式とは?
「無停電電源装置(UPS)」の基礎知識から、機器に合った製品選びまで、順序立てて解説する本連載。第2回は、UPSの選定で知っておくべき、容量の計算方法や給電方法の違いを紹介する。

news032.jpg 「ThinkPad X240s」ロードテスト:第4回 大きく変わった「5ボタントラックパッド」を快適に使えるようにする、2つのコツ
業務に使うPCとして積極的にThinkPadを選んできた理由の1つに「トラックポイント」がある。今でもノートPCに搭載するポインティングデバイスとして唯一無二の存在だと確信しているが……。