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» 2005年01月14日 16時25分 UPDATE

iPod shuffleは怖くない? ライバルは余裕の反応

「フラッシュメモリプレーヤー市場が注目される」という歓迎の声と、「液晶画面がなく、機能も少ない」という指摘――ライバル各社の反応は、おおむねこのどちらかだ。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 Apple Computerが先日発表した新たな「iPod shuffle」が、フラッシュメモリ搭載MP3プレーヤーのメーカー各社に揺さぶりをかけていると考えるのは早計だ。MacCentralが取材したベンダーは皆――強がっているだけかもしれないが――このフラッシュ音楽プレーヤーの登場を歓迎する、あるいは安堵していると語った。

 「(iPod shuffleの発表を受け)2つの感想を持った」と語るのは、Rioのプロダクトマーケティング担当バイスプレジデント、ダン・トレス氏。同社はMP3プレーヤーを最初に販売した企業で現在も市場で最大手の1社。「まず、当社がかなり前から手がけているフラッシュ分野に進出を果たしたAppleを歓迎する。これは市場にとって良いことだと思う。2つ目の感想は、Appleが完成度のあまり高くない製品を投入したことに、ある種の失望感を抱いている」

「コンシューマーは、ユーザーインタフェース(UI)の完全排除、いや1行表示のUIでさえあまり好まない。彼らが求めているのは複数行を表示するUIだ。過去を振り返っても、最終的にこの(UI排除や1行表示)種の製品はあまり成功していない」と同氏は言い添えた。

 人気のMP3プレーヤーシリーズ「MuVo」と「Nomad」を手がけ、自らを「iPod対抗ベンダー」とうたう広告を展開しているCreative Technologyも、Appleの新プレーヤーはほかのフラッシュプレーヤーと比べて機能が劣ると辛辣に批評した。

 同社のPRマネジャー、ラーラ・ヴァカンテ氏は次のように語った。「(Appleが)機能を絞った製品をリリースすることに非常に驚いた。もっと競争的な、革新的な製品を期待していたが、(iPod shuffleには)何ら目新しいものがない。フラッシュはコモディティ化が非常に進んでいる市場。当社の考えは『後に続け』だ」

 iRiver Americaの広報担当、ゲーリー・バード氏も同じような考えを示した。「大まかに言って、(iPod shuffleは)エントリー向けであり、当社と直接競合する製品ではない。インタフェースもないし、機能も多くない」

 「当社の製品はFMチューナーや録音機能など数多くの機能を備え、好きなFM番組を目覚ましアラームに設定して、録音し、それからまたスリープ状態に戻ることも可能だ。CES(Consumer Electronics Show)に行けば3メートルおきにフラッシュプレーヤーが展示されている。われわれが相手にしているのはエントリーレベルのプレーヤーではない」(同氏) 

 Rioのトレス氏は、iPod shuffleの最大のセールスポイントは「価格」と「スタイル」だが、「Rio Forge Sport」――AppleのCEOが基調講演で比較として挙げたモデル――に同梱しているアクセサリーをiPod shuffleでは別途購入する必要があるため、この価格は顧客を欺くものだと指摘した。

 「149ドルで1Gバイトのプレーヤーを手に入れることができる。だがアームバンドを付けるとなると29ドルかかる。(簡単にアクセスできるポートがないユーザーは)USBケーブルが必要となり、ここでまた約20ドル余計にかかることになる。スポーツ向けの製品ならバッテリーは着脱式がいい。バッテリーが増えると重くなる。結局、総額は200ドル近くなり、しかもこれにはFMチューナーやSD拡張カードが含まれていない」(同氏)

 また同氏はiPod shuffleの登場がRioの戦略を変えることはないと主張した。「SanDiskなど、似たようなプレーヤーは存在する。当社はこうした製品を十分に認識しており、それに対する戦略も持っている。よって、Appleの発表によって当社が今やっていることを変えることはない」

 MacCentralが取材したほぼすべてのメーカーが、iPod shuffleには自分たちの製品に匹敵する機能がないと指摘した。

 Creativeのヴァカンテ氏は次のように話した。「(iPod shuffleのような製品は)当社の製品ラインにはない。最も近いのは4年前にリリースした初代のMuVoだ。iPod shuffleは、コンシューマーが明らかに求めている液晶画面を備えていない」。またCreativeなどがサポートしていてAppleがサポートしていない、よりファイル容量の小さなWindows Mediaフォーマットに言及し、「iPod shuffleとCreativeのフラッシュプレーヤーの容量を比較すると、512Mバイトあるいは1Gバイトプレーヤーに収まるファイル数は当社が2倍ほぼ多い」と語った。

 「(Creativeの)MuVoはFMラジオ、FM録音、ライン入力録音機能を内蔵しており、iPod shuffleはこれに太刀打ちできないだろう。バッテリー駆動時間も勝負にならない。当社製品のバッテリー駆動時間は15時間〜18時間で、MuVo Slimのように充電式バッテリーに対応した製品もある」と話すヴァカンテ氏は、MuVo Slimはさまざまなカラーバリエーションが用意されているとも付け加えた。

 しかしもしAppleが――HDD市場でそうしたように――フラッシュ市場の独占に向けて進むとしても、必ずしもこの市場で皆が共存する余地がないという意味ではない。

 MP3プレーヤー「Rave MP」を手がけるGoVideoは楽観的な見方を示した。「Appleの新しいプレーヤーの登場は、フラッシュMP3プレーヤーの用途の広さと便利さに注目を集めるだろう。この分野では、Rave-MPがその先進的な機能、拡張可能メモリ、直感的な機能によってリードしてきた」とGoVideoのシニアプロダクトマネジャー、ラス・アーンスト氏は語った。

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