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2005/02/24 00:00 更新

キヤノン「PIXUS iP9910」のすべて
“写真力”を強化したA3ノビ対応のフラグシップPIXUS──キヤノン PIXUS iP9910 (1/3)

キヤノンから、A3ノビに対応したインクジェットプリンタの新製品「PIXUS iP9910」が登場した。プリントした写真の保存性や写真印刷時の使い勝手といった実用面での“写真力”が、従来モデル「PIXUS 9900i」から大きくパワーアップしているのが特長だ。デジタル一眼レフカメラのユーザーあるいは購入予定の人は、特に要チェックだ。

アルバムで100年、そのまま室内に飾っても10年の保存性を実現

 「PIXUS iP9910」は、「PIXUS 9900i」の後継となるA3ノビ対応のインクジェットプリンタだ。

「PIXUS iP9910」の斜めふり写真

高耐候性プリントシステム「ChromaLife100」に対応したA3ノビ対応インクジェットプリンタ「PIXUS iP9910」

 おもな強化点は、インクの変更と、同梱の簡単印刷ツール「Easy-PhotoPrint」、およびキヤノンのデジタル一眼レフカメラのRAW現像ソフト「Digital Photo Professional」との連携性が向上したことだ。PIXUS iP9910の魅力を3回に分けてお伝えしていこう。第1回目は、ハードウェアと画質、速度の基本的なレビューをお届けする。

 まずインクの変更は、従来のBCI-6系からBCI-7系になった。BCI-7系のインクは昨年末のA4新モデル群で採用され、純正写真用紙との組み合わせで高い耐候性を実現する。これは「ChromaLife(クロマライフ)100」と名付けられ、アルバム保存で100年は色褪せないという。

mk_9910_pictorial.gif

BCI-7系インクのアップ

「ChromaLife100」に対応したBCI-7系新染料インクを採用する

 アルバム保存100年を実現する用紙は、「プロフェッショナルフォトペーパー」、「スーパーフォトペーパー」、「スーパーフォトペーパー・シルキー」、「エコノミーフォトペーパー」、「キヤノン光沢紙」だ。「プロフェッショナルフォトペーパー」では、フォトフレーム保存(耐光性)で30年、そのまま室内に飾ったとき(耐ガス性)で10年の保存性を備える*。

* 文中の各耐久年数はキヤノンの測定条件による。保存・展示方法によっては、その耐久年数に満たない場合もあるので、その点には留意してほしい。

 ここで注目したいのは、耐ガス性の検証環境だ。キヤノンでは、オゾン、窒素酸化物、硫黄酸化物という混合ガス環境で検証を行っている。実際の生活環境と同じ成分比率の混合ガス環境で検証しているため(濃度を100倍にして加速試験)、信頼性が高いのだ。

 A3やA3ノビといった大判で出力した写真は、フォトフレームやそのままで飾ることが多いため、耐光性と耐ガス性の向上はとても重要なポイントだ。また、色褪せに強ければ安心して人に配れるし、お気に入りの写真が褪色して再出力する頻度も低下するため、経済的という利点もある。

 キヤノンのデジタル一眼レフカメラのRAW現像ソフト「Digital Photo Professional」および「Easy-PhotoPrint」との連携は、第2回で詳しく述べる。簡単にまとめると、RAWデータのままプリントアウトでき、デジカメで撮影したAdobeRGB色空間の画像を、広い色域を欠落させることなくプリントできるというものだ。

 「Digital Photo Professional」の最新版(Ver.1.5)とPIXUS iP9910では、EOS-1 D/Ds系列に加え、ユーザー数の多いEOS 20D、EOS 10D、EOS KissデジタルN、EOS Kissデジタル、PowerShot Pro1にも対応している。こうしたデジカメを愛用するアマチュアカメラマンにとっても、大判プリントで自分の表現を簡単に楽しめる環境が整うのだ。

8色染料インクと多ノズルヘッドの最強スペック

 続いて基本仕様を整理していこう。

 サイズは577(幅)×334(奥行き)×182(高さ)ミリ、質量は約9キロで、A3ノビ使用時は奥行きが約110センチ必要となる。

A3ノビを給排紙した横向きのカット

A3ノビ対応だけあって、本体はそれなりに大型だ。最大の運用スペース(A3ノビ使用時)は、幅が約60センチ、奥行きが約110センチ、高さが約35センチだ。給排紙トレイは、使わないときは本体に折り畳んでおける

 搭載インタフェースは、PC接続用はUSB2.0 Hi-Speed、USB1.1、およびFireWire(Macintosh専用)。デジカメ直結のカメラダイレクトプリント用は、標準規格のPictBridgeとキヤノン独自のBubble Jet Directに両対応したUSBコネクタを装備する。デジカメ接続用のUSBコネクタは前面に配置されているため、すばやく印刷したいときでも手間がかからない。

背面のインタフェース部分

PIXUS iP9910の背面。インタフェースには、USB2.0 Hi-Speed、USB1.1、FireWire(Macintosh専用)を搭載する

前面のボタン部分

PictBridge/Bubble Jet Directに両対応したカメラダイレクトプリント用USBコネクタは、前面のボタン部に配置

CD/DVDレーベルプリント用の専用トレイをセットしたところ

PIXUS iP9910はCD/DVDのレーベルプリントも可能。付属の専用トレイにCD/DVDメディアをセットし、本体前面のガイドに合わせてセットするだけなので簡単だ

 プリントヘッドとインクの色数は、A4最上位モデル「PIXUS iP8600」と同等だ。使用インクは全8色で、内訳は、シアン/マゼンタ/イエロー/ブラック/フォトシアン/フォトマゼンタ/レッド/グリーンとなる。

 中でも、特色のレッドとグリーンの効果が極めて高い。高彩度の赤と緑を表現できるため、4色や6色印刷のプリンタとは発色の深みが違う。夕日、金属、花などの「赤」、植物の「緑」などでは、見た目にもはっきりと違いが分かる。

 プリントヘッド技術はキヤノンが誇る「FINE(ファイン)」だ。最先端の半導体プロセスが生み出すFINEのノズルは、インク滴全弾が2ピコリットルで最高解像度4800×2400dpi(用紙の下端では最大4800×1200dpi)という高精細なプリントを約束する。また、インク各色のノズル数が768(合計6144)ノズルと多いため、印刷も速い。

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[林利明(リアクション),ITmedia]

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