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» 2005年03月15日 00時00分 公開

キヤノン「PIXUS iP9910」のすべて:“写真を評価する”ためのプリンタ──諏訪光二が語るPIXUS iP9910の実力 (1/2)

究極の写真画質を追求したキヤノンのA3ノビ対応インクジェットプリンタ「PIXUS iP9910」。新しい8色インクの採用やキヤノンのデジタル一眼レフカメラとの連携強化などにより、フラッグシップと呼ぶにふさわしい画質と機能を獲得している。しかし、実際のところプロカメラマンは、PIXUS iP9910の性能をどのように捉えているのであろうか? 真の性能を探るべく、写真家の諏訪光二氏に率直な感想を尋ねてみた。

[ITmedia]

色を評価しやすいPIXUS iP9910は、プロやハイアマの強力な武器

ITmedia まずは、「PIXUS iP9910」を使って感じた印象をお聞かせください。

諏訪光二氏(以下、諏訪) 従来の「PIXUS 9900i」にも言えることなのですが、これほどの高画質を実現しながら、A4サイズを1分弱でプリントできるスピードにまず驚きますね。A3ノビ(フチあり・画質きれい)でも5分弱で出力できるので、他社のプリンタのように長々と待たされるという印象がありません。大量のプリントを行う際でもストレスを感じないという点では、A3プリンタ随一と言っていいですね。

 基本的にアプリケーションやドライバも変わってませんので、従来機を使用していた身にとっては、操作性にもまったく違和感を感じません。

A3ノビにプリントされた作品を鑑賞する諏訪氏。A3ノビを5分弱でプリントできる「PIXUS iP9910」のスピードは、大量に印刷を行うプロカメラマンには大きな武器になる

ITmedia iP9910は“写真画質”を最大の特長にしているわけですが、色の再現能力に関してはどう思われましたか? 実際、従来の9900iよりも向上しているのでしょうか?

諏訪 ブラックインクやライトインクの濃度が最適化されたことで、従来よりも色の階調表現が豊かになったと思います。事実、印刷サンプルを見比べてみると、黒の締り方が若干良くなっているようにも感じました。スペックを見比べると、9900iからインクが変わっただけのように思えるiP9910ですが、色の再現能力は確実に向上してますね。この階調の豊かさと黒のしまりの良さは、iP9910で印刷して即座に感じたことです。

ITmedia A4プリンタの「PIXUS iP8600」も同じ8色インクを採用していますが、iP9910の色再現能力はiP8600と同程度と考えればよいのでしょうか?

諏訪 そうではありません。iP8600は多彩な機能を搭載し、見た目にもスマートなプリンタですが、こちらはいわゆる“写真を楽しむ”ためのプリンタです。それに対してiP9910は、“写真を評価する”ためのプリンタとでも言いましょうか。つまり、コンシューマー向けのプリンタのように、色が勝手に誇張されたりすることがないのです。

 iP9910はとてもニュートラルな発色でプリントしてくれるため、写真の色の評価が行いやすい。だから、写真の色再現にこだわるプロカメラマンや一部のハイアマチュア層にとっては、iP9910の素直な発色が大きな武器になるはずです。また、給紙時の紙送りの機構に関しても、iP9910の方が紙の表面を傷つけないように、よりデリケートに紙を扱うように工夫されているような気がします。

ロケから帰ってきて、事務所にて写真のチェックを行っている諏訪氏。作品の完成度を確認するためには、発色がニュートラルでA3ノビのプリントが可能なPIXUS iP9910が欠かせないと語る

ITmedia 色再現にこだわるとなると、当然ながらカラーマッチング*1が必須となりますが、iP9910はカラーマッチングに適したプリンタなのでしょうか?

諏訪 先ほども述べたように、iP9910の発色は非常にニュートラルです。ですから、従来の9900iと同様、カラーマッチングにとても適したプリンタだと言って差し支えないでしょう。パソコンのディスプレイをしっかりとキャリブレーションし、ICCプロファイルを使ってプリントすれば、さらに厳密に色を追い込んでいくことが可能です。

 作品を仕上げるにあたって、色再現のチェックは欠かすことのできない工程なので、その点でiP9910は、プロユースでも十分に通用する実力を持ったプリンタと言えます。

*1 画像データは、ディスプレイやプリンタなどのデバイス特性によって、再現される色や階調が異なる。出力機器による色の再現性の違いをなくし、各デバイスで同じ色が再現されるようにすることをカラーマッチングという

自分の写真を突き詰めていくには大判プリントがベスト

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