HP、ナノテクノロジーに関する包括戦略を披露

» 2005年03月15日 08時47分 公開
[ITmedia]

 米Hewlett-Packard(HP)は3月14日、シリコンの後継となるコンピューティングの未来像として、分子スケールエレクトロニクスに関する包括戦略を披露、応用物理学専門誌「Applied Physics A」のナノテクノロジー版に論文20数本を寄稿した。

 HPでは分子スケールエレクトロニクスへの移行に向けた戦略として、1)ナノメートルの世界を司る量子効果に関する基礎的な科学研究、2)分子サイズの回路部品が持つ欠点をカバーする新アーキテクチャ、3)コスト効率の高い製造手法――という3段階のアプローチを採っていると説明。今回の論文にはこの各分野のテーマが盛り込まれているという。

 「未来のコンピュータは現在とは相当違ったものになるかもしれない。コンピューティングアプライアンスを極小化できれば、髪の毛1本ほどの幅に収めることもでき、さまざまなものを数多く“スマート”化できる可能性がある」。HPシニアフェローで量子科学研究所ディレクターのスタン・ウィリアムズ氏はこう解説する。

 HPのこの構想は「クロスバーアーキテクチャ」に基づくもの。同アーキテクチャは従来のシリコン技術に比べて製造が容易でコストも抑えられる可能性があるという。論文の中には、クロスバー構造に適した欠点回避の新手法について解説したものもあるという。

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