デュアルコアPentium Mは「キャッシュ共有型」

» 2005年06月03日 17時14分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Intelは6月2日、デュアルコアモバイルプロセッサ「Yonah」に関する一部詳細をマスコミ向け説明会で明らかにし、このプロセッサが2つのコアで1つのキャッシュメモリバンクを共有することを認めた。

 YonahはノートPCおよび小型デスクトップPC向けプロセッサ「Pentium M」のデュアルコア版で、来年第1四半期にリリースの予定。Intelの初のデスクトップ向けデュアルコア設計とは異なり、プロセッサ内でストレージや電源管理リソースを共有する、より密に統合された設計になっていると、同社モバイルプラットフォーム部門副社長兼ジェネラルマネジャー、ムーリー・エデン氏は説明した。

 リリースされたばかりのデュアルコアプロセッサ「Pentium D」では、それぞれのコアが専用の1Mバイトキャッシュバンクを持っている。Yonahでは、1つの2Mバイトキャッシュバンクを2つのコアで利用し、これにより、データをプロセッサからシステムのメインメモリバンクに一時的に格納する必要性を減らせるという。

 キャッシュメモリは頻繁にアクセスされるデータをCPUの近くの保管所に格納するために使われる。キャッシュメモリに格納されたデータは、PCのメモリに格納されたデータよりもずっと高速でアクセスできる。CPUがプロセッサの外にデータを探しに行かなくても済むからだ。

 Yonahでは各コアが2Mバイトのキャッシュにフルにアクセスできる。つまり、1つのコアが、もう1つのコアが後で必要とするかもしれないデータをキャッシュに格納でき、もう1つのコアはプロセッサの外にアクセスしなくても、そのデータを利用できるということだとエデン氏。キャッシュ容量が大きいため、Yonahのコアがフロントサイドバス(FSB)を通してアクセスする時間が少なくて済み、命令の実行に時間をかけられる、つまり性能が大幅に向上すると同氏は説明した。

 キャッシュの共有により、FSB設計の不利な点もいくつか解消できる。FSBはチップセットを介してプロセッサとシステムのメインメモリをつなぐ経路で、多くのアナリストからデュアルコア時代のボトルネックと見られている。Intelのプロセッサは、FSBがチップセット上でCPUから遠いところに置かれている。しかしライバルのAMDのプロセッサでは、メモリコントローラがCPUと同じチップに載っているため、CPUはFSBよりも高速でメモリ内のデータにアクセスできる。

 Intelはいずれ同様の設計に移行する計画だが、それまでの間、2つのコアの活動の増加に対処するために、バスのデータ転送速度を引き上げてきた。Yonahの2つのコアは、現行Pentium Mの533MHzよりも高速な、667MHzで動作する1つのFSBを共有するとエデン氏。

 また同氏によると、Yonahは高度な電源管理技術を使って、各コアが命令の処理に必要な電力だけを引いてくるようにする。同プロセッサは各コアを通過するアプリケーションの活動を監視して、必要な電力を割り当て、アイドル時には電力消費を減らすという。

 その結果、YonahやそのほかのNapaプラットフォームを搭載したノートPCでは、現行Centrino技術を搭載したノートPCよりもバッテリー駆動時間が長いはずだとエデン氏は語った。Napaは、Yonahと新しいモバイルチップセット、新しい無線チップを組み合わせたプラットフォームのコードネーム。

 Intelは来年、デュアルコアプロセッサを積極的に投入する計画だ。同社は、もはやマザーボードが溶けるほどの熱を出さなければ、シングルコアPentium 4の性能を引き上げることはできないと気づき、デュアルコアプロセッサを加速せざるを得なくなった。プロセッサアナリストや熱心なマニアは、最初のPentium Dの設計は、AMDのデュアルコアプロセッサと比べて洗練されていないとして鼻であしらった。

 Pentium DとYonahの違いは明確だと、エデン氏は記者の質問に対して語った。

 「マイクロプロセッサとロバの違いは何かと尋ねるようなものだ」(同氏)

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月13日 更新
  1. きょう発売の「MacBook Neo」、もうAmazonで割安に (2026年03月11日)
  2. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  3. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
  4. 12機能を凝縮したモニタースタンド型の「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」が27%オフの2万3990円に (2026年03月11日)
  5. 3万円超でも納得の完成度 VIA対応の薄型メカニカルキーボード「AirOne Pro」を試す キータッチと携帯性を妥協したくない人向け (2026年03月12日)
  6. 新品は絶滅、中古は高騰──「令和にMDを聞きたい」と願った筆者が、理想の再生環境を整えるまでの一部始終 (2026年03月13日)
  7. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  8. M5 Max搭載「14インチMacBook Pro」がワークステーションを過去にする 80万円超の“最強”モバイル AI PCを試す (2026年03月13日)
  9. エンスージアスト向けCPU「Core Ultra 200S Plus」登場 Eコア増量+メモリアクセス高速化+バイナリ最適化でパフォーマンス向上 (2026年03月11日)
  10. 新型「MacBook Air」はM5搭載で何が変わった? 同じM5の「14インチMacBook Pro」と比べて分かったこと (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年