台中問題、COMPUTEXでも?

» 2005年06月07日 09時29分 公開
[IDG Japan]
IDG

 中国から来た2社のIT企業にとって、COMPUTEX 2005は6月3日に突然終了した。同展示会が閉幕する1日前に、主催者はこれら2社が地元企業のために予約されていたスペースを占有していたことを知り、これら企業の4つのブースを解体し、今後2年間は出展しないよう伝えた。

 この2社の中国企業Dongguan Golden FieldとComat Electronicは、2社の台湾企業と協力して、展示会の間、皆が欲しがっているブーススペースを手に入れたとされている。

 さらに台湾政府は、これら2社で働いていた中国人10人が出展者ではなく旅行者として台湾への入管ビザを申請したという理由で、彼らのビザを取り消したと共同主催者Taipei Computer Associationは声明文で述べている。

 台湾と中国の厄介な政治関係から、両者の対立はどんなものであれたいていニュースで取り上げられる。両者は内戦の中1949年に分離し、中国政府は台湾が独立に向かえば武力で抑えると長きにわたって脅しをかけている。特に、中国は台湾が「外国」であるとする表現を嫌い、台湾は中国の一部であると強固に主張している。

 中国企業は今年のCOMPUTEXで、用意された少数のブースの1つを申し込まなければならず、2社の台湾企業のために予約されたスペースを使うことでこのルールに違反したとTaipei Computer Associationは説明している。

 「われわれはCOMPUTEXにたくさんの作業者を置いていた。彼らが、誰がどこにいるべきかのリストをチェックしたときに、不一致を発見した」とこのイベントに資金を提供したTaiwan External Trade Development Council(TAITRA)の展示会部門ディレクター、フランク・チェン氏。

 チェン氏によると、違反行為に協力した2社の台湾企業WTX TaiwanとComputer Informationはほかの企業に自社のスペースを使わせることを禁じられていた。これら企業もルール違反により、今後2年間の出展を禁止される。これら台湾企業はこの件についてのコメントを断った。また問題の中国企業には連絡が付かなかった。

 台北市と主催者がより多くの出展社に対応するために展示会場を拡大し、世界貿易センターの周辺地域を開拓しているにもかかわらず、COMPUTEXの展示スペースは毎年問題になっている。このイベントで自社の製品を展示したいという企業があまりに多いのだ。

 今年のCOMPUTEXのブース数は昨年の2750から2850以上にまで増えた。しかし海外企業のスペースはわずか350に限定され、プレミアが付いているとチェン氏は言う。

 今年は合計で3社の中国企業が同展示会に出展したという。

 来年のCOMPUTEXは、台北に建設中の新しいスポーツ競技場を利用することでスペースを拡大するかもしれないが、まだ何も確定していないとチェン氏は語っている。

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