“シンプル+無骨”の水冷美学──CoolerMaster「AQUAGATE Mini R120」を試す週末アキバPick UP!レビュー(3/3 ページ)

» 2005年06月16日 18時13分 公開
[古田雄介(アバンギャルド),ITmedia]
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最低回転モードでも結構善戦。騒音レベルはやはり低い

 では、AQUAGATE Mini R120導入前後のCPU温度を測って調べてみることにしよう。「スーパーπ」の3355万桁計算直後の温度を計測した。測定に使ったマシン構成と結果は以下の通りだ。水冷キット導入前のCPUにはリテールクーラーを装着、測定時の室内温度は25.3度である。

テスト環境
CPUAthlon 64 3000+
HDDIDE接続(120Gバイト) + IDE接続(80Gバイト)
メモリPC3200 256Mバイト×4
グラフィックスカード玄人志向「RD70-A64C」(RADEON7000搭載)

テスト結果アイドリング中のCPU温度Superπ測定後のCPU温度
(アイドリング時との差)
リテール環境27.6度39度(+11.4度)
AQUAGATE Mini R120(LOWモード)27.4度41.8度(+14.4度)
AQUAGATE Mini R120(HIGHモード)27.4度36.2度(+8.8度)

 使用環境による結果としては、ファン回転数を最低にした状況でもCPU温度が急激に上昇することはなく、じわじわと熱くなっていった様子だ。水流が十分にあり、基本的な放熱効果がそこそこだが、LOWモード時では時間経過とともにファンとラジエータによる放熱が追いつかなくなっている印象が感じられる。

 とはいえ、Superπ計算中の約45分で約15度程度の上昇におさまっている。一晩かけて行うような大量ファイル一括MPEG変換やオーサリングを一挙に行うなどのヘビーな作業をしなければ、最低回転数でも使用マシンの場合ではダメージを与えるほどにはないだろうと思われる。もちろんこのモード時ではファンはもとより、ポンプの騒音などもほとんど聞こえず(公称値で18.3デシベル)、リテールファンよりも確実に静音で動作する。

 最大回転(HIGHモード:2300rpm)時では、さすがにファンノイズが耳に付くかなぁという印象だ。しかし冷却性能はそれだけ高くなる。テストでも測定前から10度以下の温度上昇レベルに押さえた。

 このため、普段は最低回転(LOWモード)付近で使い、ヘビーな作業をする時だけフル回転(HIGHモード)で稼働するといった使用方法が理想的な使い方だ。そのキットサイズは小柄ながら、発熱量の多いPrescottコアPentium 4やXeonマザーにも安心して組み込める体力はあるといえよう。

 AQUAGATE Mini R120は見た目の派手さはないが、こと静音性と冷却性能に関しては結構なできだと思う。本体がコンパクトなので、CPUの熱をケース内に漏らさない構造を活かして、スリムタイプのケースに組み込むのも効果的だと思う(サイドパネルの通気口が必要だが)。なお8センチファン+ラジエータを搭載する、より小さい姉妹モデル「AQUAGATE Mini R80」なら、8センチファンを搭載できるスペースがあればいいため、より小型なキューブ型マシンにも導入できる可能性が高い。数ある製品の中でもひときわ“しっかり者”な印象を残す水冷キットだ。

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