SYSmark2004はデータがデュアルコアCPUとの比較になっているため、見ただけでは不利に見えるAthlon 64 FX-57だが、それでも、Internet Content CreationではPentium ExtremeEdition 840に十分迫る性能を発揮しているし、Office Productivityの各項目を見ると、高クロックのPentium 4 680だけでなく、Athlon 64 X2 4800+すら上回る結果を示している。
実クロックとマルチスレッド対応の可否が結果に影響するPCMark04は、実クロックが低くシングルコア構成のAthlon 64 FX-57にとって非常に不利なベンチマークといえる。そのため、PCMarkやPCMark CPUの結果を並べると、その順位は実クロックに比したものになってしまうのだが、それでも「DivX Video Compression」「WMV Video Compression」などの結果はインテル製デュアルコアCPUや高クロックPentium 4と遜色ない結果となっている。
以上は、一般的な総合ベンチマークテストで測定したAthlon 64 FX-57のパフォーマンスであるが、AMDはその発表資料の中で、このCPUのターゲットが「ハイエンド3Dゲームユーザー」であることを繰り返し述べている。では、ハイエンド3Dグラフィックスカードと組み合わせた場合のパフォーマンスはいかほどのものなのか。
ここでは、その一例として先日発表されたGeForce 7800 GTXをAthlon 64 X2 4800+、Athlon 64 FX-57それぞれと組み合わせた場合の「3DMark03」「3DMark05」の値を掲載してみる(なお、SLI環境におけるパフォーマンスや市販ゲームのベンチマーク結果は後日別記事にて掲載する予定)。
このように、シングルスレッド対応の3Dゲームベンチマークでは、デュアルコアのAthlon 64 X2を上回る性能をAthlon 64 FX-57はたたき出している。このグラフを見ると、AMDが「3Dゲームのための究極CPU」とAthlon 64 FX-57をアピールするのがよく理解できる。
90ナノプロセスルールのSan Diegoコアを採用して大きな進化を遂げたAthlon 64 FX-57。Athlon 64 FX-55は「ついに最大消費電力が100ワットを超えた」といわれたが、Athlon 64 FX-57のロットあたりの単価は「1031ドル」と、こちらはついに価格が千ドルを超えた。
最大消費電力はそのままにクロックは向上し、3DゲームなどのシングルスレッドアプリのパフォーマンスはAthlon 64 X2 4800+をも上回る。メモリコントローラのアップデートがユーザーにもたらすメリットは現状で不透明ではあるが、Opteronを除いたAMD製コンシューマー向けCPUでは最高の3DゲームCPUであるのは間違いないだろう。
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