「レノボのThinkPad」はどこが変わった?──レノボ「ThinkPad Z60t」(4/5 ページ)

» 2005年10月18日 10時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

「ThinkVantageボタン」に見るThinkPad魂

 このような「使い勝手」を意識したさまざまな工夫がThinkPadがユーザーに最も高く評価されているポイントである。そして、Z60シリーズで新たに設けられた「工夫」の1つが今までの「Access IBM」に代わる「ThinkVantage」ボタンだ。

ThinkVantageボタンを押すとこのようなスタートメニューのようなラウンチャが立ち上がる。クイック・リンクはすでにカスタマイズされた状態

 Access IBMはシステム設定、ヘルプ、(IBMが提供する)アップデートの機能をボタン1つで呼び出せるものだったが、ThinkVantageボタンはそれらに加えて、ユーザーがカスタマイズできるようになった「クイック・リンク」を最初に表示させることで、ラウンチャ的機能もカバーするようになった(Access IBMでも“クイック起動”が用意されていたが、最初に表示されるメニュー画面からさらにワンクリックしないと呼びだせず、さらにカスタマイズもできなかった)。クイック起動にリストさせる項目はユーザーがカスタマイズできるが、リンクできるのが実行ファイルのみ(ショートカットやフォルダ、データファイルは選べない)であったり、5種類のアプリまでしか登録できないといった制限がある。

 ThinkVantageボタンでアクセスできる「リソースセンター」はAccess IBMの「構成」に用意されていたシステム設定に関する項目が並んでいる。このシステム設定にZ60シリーズから「バックグランド・プログラム・マネージャー」が加わった。この機能でウイルスチェックやデスクデフラグのように「周期的に起動しなければならないが、やたら時間がかかって、やたら負荷が重い」プログラムの実行モードをコントロールする。

 この実行モードは、CPUプロセスを「やたら時間がかかる」バックグランドプログラムに優先して割り当てるのか、フロントエンドでユーザーが使っているアプリに割り当てるのか、もしくは「キーボードやマウスから入力があったときだけフロントエンドアプリを優先して、あとはバックグランドプログラムを優先する」のか、という3種類から選択できる。例えば、通常CPU使用率70〜80%程度のウイルスチェックソフトがレスポンスを優先するモードにおいては、CPU使用率を10〜20%程度に抑えられ、ユーザーが使うアプリのためにCPUを空けておくようになる。

バックグラウンド・プログラム・マネージャーで「レスポンス優先モード」に設定してウイルスキャンを実行する。マウスカーソルを動かしただけでそれまで70%台だったCPU使用率が15%までに下がった

 実際に、バックグランドを優先する通常モード、常にレスポンスを優先するモード、入力時にレスポンスを優先するモードそれぞれで、ワープロソフト、表計算ソフトを使い、操作感やパフォーマンスの値を確認してみた。評価に使ったThinkPad Z60tがPentium M 760を搭載していたため、通常モードでも文字の入力や小さいファイルの保存、読み込みなどの軽い作業ならばさほど困らなかったのだが、それでも、文字入力時に感じるわずかな遅延はレスポンス優先モードではまったく感じない。

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