2006年の米国家電市場は「成長するが鈍化」2006 International CES

» 2006年01月04日 14時29分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 2005年の米国家電業界の売り上げは約1259億ドルに達し、2004年から2005年の成長率は11.3%となった。これは、その前の2003年から2004年の成長率10.2%を上回るもので、依然として米国の家電業界は好調である。しかし、CEAでは2005年から2006年の成長率を7.5%と低く予想している。

2005年の売り上げは2004年を上回る成長を見せた家電業界。しかし、2006年には伸びのペースが鈍化すると予測している

 デジタルCRT/リアプロテレビ、フラットパネルテレビが増加してアナログテレビは減少と、従来と同じ傾向を示している映像出力機器に対し、オーディオ機器ではいったん落ち着いていたポータブルプレーヤーが2005年第2四半期から増加する傾向を見せている。

テレビは従来同様、リアプロとフラットパネルが増加している。オーディオ機器はポータブルプレーヤーが絶好調。一方で車載プレーヤーは減少傾向にある

家電製品で売り上げが伸びたカテゴリーとその成長率のランキング。最も成長したのはポータブルMP3プレーヤーで、その成長率は224%と、2位の車載モニタ、3位のSDARSチューナーを大きく引き離している

 日本と同様、米国の家電製品でも「二極化」構造が進んでいる。

 2004年第2四半期から2005年第3四半期までの間に卸価格が8.6%上昇しているが、これは人気のあるカテゴリーの製品が従来の「ポータブルCDプレーヤー」「27インチCRTテレビ」「デスクトップPC」から、それぞれ「iPod」「27インチLCDテレビ」「ラップトップPC」に移行したのに伴って製品価格が上昇しているため。

 その一方で、普及が進んだ製品において製品価格が下落が進んでいる。この「人気製品の高額化」「定番製品の価格下落」が成長率の鈍化につながるものとCEAでは分析しているようだ。

家電製品の世代交代とその価格の変化。最新技術を取り入れた製品に代替わりするとその価格が上昇するのは自明の理である

その一方で一通り普及して成熟段階に入ったカテゴリーは量産化によって低価格化が進むことになる

米国家電業界の2005年における動向を説明してくれたのはCEAのシーン・ワーゴ氏(CEAインダストリーアナリストディレクター)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月16日 更新
  1. 使って分かったM4チップ搭載「iPad Pro」のパワフルさ 処理性能とApple Pencil Pro/Ultra Retina XDRディスプレイ/新Magic Keyboardを冷静に評価する (2024年05月14日)
  2. 2台のPCを“直結”して高速データ転送と画面共有を実現――Intelが「Thunderbolt Share」を発表 対応製品は2024年後半に登場予定 (2024年05月16日)
  3. 新型「iPad Pro」が見せる未来の夢と「iPad Air」が見せたバランス感覚 実機を試して分かったiPad購入ガイド (2024年05月14日)
  4. Next GIGAで何が変わる? 文科省が「学習用端末」の要件や補助スキームの変更などを行った理由【前編】 (2024年05月16日)
  5. FMVの富士通クライアントコンピューティングが2種類の周辺機器を発売 「27型ワイド4Kディスプレイ」と「ワイヤレス静音キーボード」 (2024年05月14日)
  6. AMDが内蔵グラフィックス非搭載の「Ryzen 7 8700F」など2製品を発表 (2024年05月15日)
  7. ワコムの有機ELペンタブで快適手書きメモライフ! 絵描きではないビジネスパーソンが「Wacom Movink 13」を試したら (2024年05月14日)
  8. キヤノンMJ、PCレスでのスキャンやデータ送信も可能なネットワークスキャナー「ScanFront 400II」 (2024年05月14日)
  9. Arloブランドの「Essential屋内用カメラ(第2世代)」を試す Ringの屋内カメラとの違いは? (2024年05月15日)
  10. 絵文字のルーツはシャープの電子手帳? AIoTクラウドが日本の製造業を支援する理由 (2024年05月15日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー