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» 2006年01月27日 18時42分 UPDATE

「3DMark06」のツボを押さえる (1/3)

先日のRADEON X1900XTXのレビューでついに通常空冷の単体構成でも1万台が出るようになった3DMark05。ちょうどタイミングよく登場した新世代の3Dベンチマークはどんな尺度で性能を評価するのだろうか。

[元麻布春男,ITmedia]

常に進化を求められる「3DMark」シリーズ

 システムの評価に欠かせないのがベンチマークプログラムだ。システム全体の性能を測る場合、あるいは特定のコンポーネントの性能を測る場合、など性能を調べるあらゆる場面で使われる。テストの目的ごとに多くのベンチマークプログラムが存在しているが、中でも非常にポピュラーなものの1つがFuturemarkの「3DMark」シリーズだ。

 3DMarkが多くのユーザーに使われる理由は多岐にわたるが、そのサブタイトルに“The Gamers' Benchmark”とあるように、3DMarkが技術革新の速い「ゲーム」を使う場合の性能を計測するベンチマークであることは、3DMarkが人気を博している大きな理由の1つに違いない。

 伝統的にゲームは、ハードウェアに対する負荷の極めて大きな(重たい)アプリケーションの代表であり、快適にプレイするには、とくにCPUとグラフィックスチップ(GPU)の性能に依存する。ゲーマーであれば、CPUやGPUの性能、こと、ゲームに用いた場合の性能が気になるはずだ。

 先ほども述べたように、ゲームは技術の進歩が速い。Direct Xの進化に伴なう3Dグラフィックス機能の拡大、それを可能にする新しいハードウェア(GPU)の登場など、こうした進歩に対応した性能を計測できるようにするためには、定期的にアップデートされるベンチマークテストを必要とする。これには、迅速なアップデートを可能とする技術力と、ある程度の規模がある資本力が欠かせない。3DMarkの開発元であるFuturemarkは、この条件を満たすことができる、数少ないソフトウェアハウスだ。

 もちろん、実際のゲームをベンチマークとして使うこともよく行われている。あるゲームにほれ込んでいるユーザーにとって、そのゲームを動かしたときの性能は何にも優先するに違いない。が、数万円はするグラフィックスカードを購入するのに、1つのゲームさえ快適に遊べればよいと割り切れる人は決して多くないだろう。

 一連の3DMarkシリーズの特徴の1つに、現在売られているゲームが利用している3Dグラフィックス機能を総合的にテストできる点がある。さらに、Direct Xの最新版に対応することで、現在はまだ使われていなくても、近い将来登場するゲームに使われそうな機能もテストできる。これは市販されているゲームを用いたベンチマークだけでは分からない。

 こうしたテストの内容に加えて、3DMarkがポピュラーである理由が、ソフトウェアとしての完成度の高さだ。3DMarkはプログラムとして安定しており、エラーで落ちるといったことが極めて少ない。また、日本語環境でも確実に動作する。得られたテスト結果の再現性が高い(バラつきが少ない)のも、テスト結果が信頼される理由となっている。

HDRに対応した3DMark06

 その3DMarkの最新版である「3DMark06」が2006年1月18日(米国時間)に発表された。この最新版の最大の特徴は、2004年7月にリリースされたDirect X 9.0c(ただし3DMark06の動作には2005年12月のDirect X9.0cアップデートが必須。3DMark06のパッケージに含まれている)でサポートが始まったShader Model 3.0(SM3.0)に完全対応したこと。同時に、16ビット浮動小数点レンダリング機能を用いたHDR(High Dynamic Rendering)もサポートする。

 ベンチマークの結果を示す値もサブスコア値の項目が増えるなどの変更が加えられた。3DMark05では、トータルスコア「3DMark Score」に加え、サブスコアとして「CPU Score」が提供されていたが、3DMark06では「3DMark Score」」「CPU Score」に加え、SM2.0 Score(Shader Model 2.0スコア)とHDRs/M3.0スコアが追加された。

 これらのスコアの算出ベースとなるのは「グラフィックステスト」と呼ばれる値(ただし、CPUスコアを除く)。3DMark06では、SM2.0対応のテストとして「Return To Proxycon」「Firefly Forest」が、HDR/SM3.0対応のテストとして「Canyon Flight」「Deep Freeze」がそれぞれ実施される。

 Return To ProxyconとFirefly Forestは、3DMark05でも登場したストーリーで、前者は宇宙海賊の襲撃、後者は森の中を飛ぶホタルを、それぞれテーマにしたテストだ。ただし、全く同じテストを流用したわけではなく、Return To Proxyconにおいてはディテールの追加(ジオメトリの増大)、ライト(光源)の追加が行われている。Firefly Forestは3DMark05で緑色に光るホタルが1匹だったが、3DMark06ではピンクに光るホタルが追加されたのが一目で分かる。この2つのテストのフレームレートからSM2.0スコアが算出される。

kn_3d06_0001.jpg 3DMark 06のReturn To Proxycon。3DMark05から大きく変わった印象はないが、ディテールが細かくなり、影の表現が拡張された

kn_3d06_0005.jpg 3DMark06のFirefly Forestは、ホタルが2匹になったことで簡単に違いが分かる
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