自動ファン回転数制御ができる“欲張り”ファンコン──AeroCool「CoolWatch」週末アキバPick UP!レビュー(2/2 ページ)

» 2006年02月01日 16時55分 公開
[古田雄介(アバンギャルド),ITmedia]
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ごく低回転でファン制御したいといった場合にはちょっとした注意が必要

 ちょっと気になったこととして、パーツの温度が低い(まだ余裕がある)から、Manualモードでごく低速でファンを回そうと設定した場合、ファンが回らなくなることがあった。

 CoolWatchのAutoモードでは、回転数と温度の関係をパーツごとに設定している。いずれも最低回転数はファンの通常スペックから40%となっている。

温度(度)回転数(フル回転を100とした場合の比率)
HDD用CPU用VGA用ケース用
0〜3040404040
3140404040
3240404040
3340404045
3440404050
3540404055
3640404060
3740404065
3840404070
3940404075
4040404080
4140404085
4250404087
4360404090
4470404095
45804040100
46904040100
47954040100
481004040100
491004040100
501004040100
511004040100
521005050100
531006060100
541007070100
551008080100
561009090100
571009595100
58100100100100
Auto時における各温度と回転数の変化具合。ケース温度上昇にもっとも敏感に反応する。次いでHDD。CPUとVGAは52度を越えてから、ファンの回転数が上がっていく

 汎用ファンの多くは通常12ボルトで稼働し、その動作範囲は6〜12ボルトほど。通常の40%以下まで電圧が下がると6ボルトに届かず、ファンが動かなくなる可能性が高くなる。ファンコン製品は回転速度を電圧かPWM(パルス幅変調)を調整する仕組みをとることが多いが、CoolWatchは電圧を調整するタイプである。このためManualモードで回転数設定を下げすぎてしまうとそのまま止まってしまうのである。ちなみに、やや高価となるハードウェアファンコンが採用しているPWM調整タイプなら電圧を一定に保つ仕組みなので、こうした問題は起こりにくい。

 低回転時もしっかり稼働するファンの選び方の1例として、ファン自体にコントローラが付属するタイプを選んでおくことが挙げられる。そもそも可変稼働することが想定されているため、5ボルトほどの低い電圧でも稼働するよう動作許容範囲を広くとってある可能性が高いためだ。さらに具体的には(個体差もあるが)、XINRUILIAN製ファンは低電圧でも動くとユーザー間で評判だ。本機使用時にはこれら低回転時にも強いとされるファンも一緒に選んでおくとよさそうである。

 CoolWatchは5インチベイを2段ぶん使い、便利な自動ファンコン機能に加え、ほぼすべてがまかなえるメモリカードリーダー、USBハブ/オーディオ系端子が搭載される、欲張りなスペックだ。加えて大型の情報表示用液晶パネルや前面のアクリルパネルの存在感もかなりのものである。これらは機能そのものの便利さはもちろん、所有満足度もかなり得られることだろう。

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