きょうは「GeForce 7800 GS」でAGP対応グラフィックスカードの行く末を考えたグラフィックスカード(1/2 ページ)

» 2006年02月15日 13時28分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 先日NVIDIAが発表したGeForce 7800 GSは、型番通りGeForce 7800 GTX、同GTとほぼ構造を同じくするGPUだ。プロセスルールは0.11マイクロメートル、構成トランジスタ数3億200万個と、その値からはGeForce 7800 GTX、同GTのチップを流用してるのが伺える。

 現在、GeForce 7800 GSを搭載したグラフィクスカードとして出荷されているのは、すべてが、GPUとPCI Express X16インタフェースをAGPインタフェースに変換するブリッジチップ「HSI」を組み合わせてAGP対応とした製品だ。

photo 評価に使ったGeForce 7800 GS搭載グラフィックスカードはリードテック「WinFast A7800GS TDH」だ。ビデオメモリはGDDR3を256Mバイト実装。コアクロック375MHz、メモリクロック1.20GHzで動作する

 そのため、AGPでも使える新世代GPUとして注目されているが、構造としては「PCI Express対応GeForce 7800 GSカード」というのもありえる(同じように、HSIと組み合わせればAGP対応GeForce 7800 GTXカードというのもありうることになる。とはいえ、バスの転送速度やAGP対応プラットフォームで使えるCPUのパフォーマンスを考えると、製品が出てくる可能性は限りなく低い)ことになる。

 新規に登場するGPUがPCI Express対応を優先するなか、GeForce 7800 GSは最初からAGP対応ということで投入された。NVIDIAのAGP対応GPUはこれまでGeForce 6800シリーズがメインであったが、ATIはミドルレンジながら新世代のRADEON X1600PROをAGP対応として投入している。

 そのようなわけで、AGP対応のGPUラインアップは「GeForce 6シリーズ」で構成されるNVIDIAと「RADEON X1000シリーズ」で構成されるATI、という状況である。ゆえに、世代的にはATIが新しいことになる(ただし、このレビュー記事にあるように、パフォーマンスで世代的に古いGeForce 6800 GSはRADEON X1600XTに負けていなかったりする)。

 一方、AGP対応のハイエンドGPUのラインアップはこれまでATIのRADEON X850XT Platinum Edition(以下 RADOEN X850XT PE)が君臨してきたが(ここでは、Quadro FXとかWildCatというワークステーション向けのモンスターGPUは忘れてください)、GeForce 7800 GS搭載グラフィックスカードが登場したことで、AGP対応のハイエンドGPUのラインアップは「新世代のNVIDIA、旧世代のATI」という構図になっている。

 久々に登場したAGP対応GPUのパフォーマンスは、これまでのAGP対応グラフィックスカードラインアップの序列にどのようなインパクトを与えるのだろうか。従来の最高峰であるRADEON X850XT PE、そしてNVIDIAのAGP対応最上位GPUであるGeForce 6800 UltraとGeForce 7800 GSのパフォーマンスを比較してみたい。

 評価用システムのCPUはPentium 4/3.20E GHzと、今となってはミドルレンジであるが、現在のAGPプラットフォームユーザーとしては平均的であると思われるので、このままとしている(より上位のCPUとなるとインテル製CPUではPentium 4/3.40E GHzしかない)。

 なお、GeForce 7800 GSのドライバは、NVIDIAから提供された「評価用の」ForceWare 81.98を適用している。Webサイトで公開されている「81.98」とは異なるため、ユーザーが構築できる環境ではないことを留意して、いかに掲載するベンチマークの結果を見ていただきたい。

ベンチマークシステム環境
CPUPentium 4/3.20E GHz
マザーボードMSI 865PE Neo-P
メモリPC3200 256MB×2ch
HDDST3160023AS
OSWindows XP Professional +SP2
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