中国電信の系列企業が映画を無許可で配信?山谷剛史の「アジアン・アイティー」(1/2 ページ)

» 2006年02月21日 16時58分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

中国各地のポータルサイトはコンテンツに問題アリ?

 無許可で映画を配信している疑いがあるポータルサイトの運営企業に対し、北京の映画配信会社2社がそれぞれ各地で提訴している。問題のポータルサイトは、固定通信関連最大手の「中国電信」(チャイナテレコム)や、鉄道通信系の国有企業だった通信キャリアの「中国鉄道通信」(チャイナレールコム)が運営するサイトも含まれている。

 原告の北京慈文影視制作有限公司と中国文聯音像出版社が訴えたサイトは、現在判明している範囲で、上海の「互換星空上海」(中国電信)、同じく上海の「多来米」(ノンキャリア)、福建省の「中国鉄通集団厦門分公司」(中国鉄通)、雲南省の「昆明熱線」(中国電信)、湖南省電信公司(中国電信)、福建省電信公司(中国電信)の運営するサイトなど中国全土の18サイト。その多くが1月に中国各地の法廷で訴状を受理し、その事実を各地のニュースサイトが報じたことから明らかになった。

 雲南省の「昆明熱線」問題では、中国電信の雲南省支社である雲南省電信有限公司(雲南電信)ら9社が北京の映画配信企業2社の著作権を侵害したとして、379万元(約5600万円)の損害賠償を求める訴訟を昆明中院に起こし、1月6日に昆明中院は受理した。

 被告は雲南電信と同社が運営するWebページ「昆明熱線」、それに中国網絡通信集団公司雲南省分公司ら9社。原告が著作権を持つテレビドラマ「射雕英雄伝」「七剣」ら複数のドラマが放送されると、昆明熱線のサイトが提供している映画のダウンロードやVODサービスですぐにその映像が無許可で配信されたと、原告は訴えている。

 ちなみに、原告のいる北京と被告のいる雲南は中国の東北と南西の端に位置しており、その距離は2200キロ以上と裁判に出席するには大変遠い。しかし、北京の映画配信企業2社は、雲南省の法律事務所を代理として立てることで訴訟に踏み切っている。中国メディアは雲南省の「昆明熱線」問題ほど詳しく報じてはいないが、北京在住の原告は「中国鉄通集団厦門分公司」と「互換星空上海」の問題でも、約50万元の損害賠償を請求したと伝えている。

 今回訴えられたサイトはこの問題における氷山の一角であると中国メディアは指摘する。映画やドラマが放映されると中国全土のサイトがその動画をいっせいにアップロードするからだ。テレビドラマをダウンロードできるメンバー制のサービスをあるポータルサイトが開始したところ、6日間で6000人がユーザー登録したという。

 日本と異なり中国にはTV番組を録画する習慣がない。VHSテープの代わりにリードオンリーのVCDが普及し、その延長でリードオンリーのDVDが普及した。市場に出回るDVDレコーダーはごく僅かである。TV番組の録画が一般的でないから、TVチューナーカードを搭載するPCもハイエンドモデルのみだ。「わずかな費用でいつでも見られる」Webサイトのテレビ閲覧サービスが人気で、多くの利用者が集まり、需要があるからさらに多くの動画閲覧サイトが立ち上がる理由は、そういった「録画する習慣がない」ことも背景にある。

ちなみに問題の中国電信雲南公司にはこんなサービスもある
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