製品発表で挨拶に立った大朏直人代表取締役会長兼社長が「私たちはオーディオ屋でございました」というように、オンキヨーは60年の歴史を誇る老舗のオーディオ専業メーカーであるが、高音質のサウンドカード「WAVIO」シリーズを投入するなど、PCユーザーにも知られている。
そのオンキヨーが、2006 International CESでViivに対応したAV機器のようなデザインをしたPCを展示して注目を集めたのは記憶に新しい。
吉田正人インテル代表取締役共同社長が「大朏会長はこの製品(の構想)を10年前から温めてきたと聞いている」と紹介したように、「オーディオは変わっていくだろうと思っていた」という大朏会長の考えに基づいてオンキヨーは以前からAVをコントロールできるPCを研究してきた。
研究開発を進めて評価の厳しい欧州でも評価を得るまでにデジタル音響技術は成長したのに、その成果を実装できるインフラが存在しなかったため「PC」という形で製品を投入できなかったオンキヨーにとって、Viivは「待っていた技術」(大朏氏)であったらしい。
それまでに蓄積してきたデジタル音響技術をそのまま「いい音に聞こえそうなデザイン」が施されたViiv対応PCに実装することでHDC-7を短期間で投入できたオンキヨーであるが、「より次元の高い音作り」(大朏氏)のために、24ビット/96kHzに対応した音源ボードを搭載している。
「(圧縮音源の問題である)音の欠落に対するミュージシャンの不満を解決する」(大朏氏)ためにオンキヨーは24ビット/96kHzのサンプリングに対応したわけだが、そのためには高い処理能力が必要となる。Viivの登場はオンキヨーにとって「いい技術をもらった」(大朏氏)と述べるほどに待ち望んでいたものであったらしい。
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