今年のCeBITとIDFで大々的に発表されたOrigamiとUMPC。ユーザーインタフェースのOrigamiはマイクロソフトが、ハードウェアのUMPCはインテルがそれぞれ提唱している携帯デバイスソリューションであるが、いまのところ「UMPCとOrigamiでワンセット」という認識が広くされている。
現在日本でリリースされたOrigamiを導入したUMPCはPBJのSmartCaddieが唯一であるが、そのCPUとチップセットはVIA製である。UMPCの提唱者たるインテルのチップは採用されていない。
「言い出しっぺのインテルとしてはどうなのよ」というところだが、このUMPCの取り組みについてインテルの阿部剛士マーケティング本部長は、インテルのチップを搭載したUMPCは「中途半端なものは出したくなかった」と語る。
UMPCは最小でもA5サイズである現行のノートPCと手のひらサイズのPDAの間にマーケットを作るチャレンジである、と述べる阿部氏はUMPCが搭載するCPUが目指す熱設計電力が既存モバイル向けCPUの10分の1となる0.5ワットであると説明。
また、PDAとノートPCの間にマーケットが存在するのか、という疑問に対しては、インテルが中国と米国、ドイツ、韓国、日本で“インターネットにアクセスできる携帯電話”“ポータブルメディアプレーヤー”“ポータブルゲーム機器”ユーザーに対して行った市場調査において不満点として挙げられた「より良いインターネットの視聴ができること」「より幅広いメディア形式に対応できること」「ゲームが十分に楽しめること」「多機能な機器であること」を満足させるUMPCが市場で求められるとインテルは期待している。
インテルはUMPCを3つのフェーズに分けて進化させる構想を持ってる。現在は第1フェースで既存のノートPC向けCPUやチップセットを搭載したUMPCが登場する。この段階は今年一杯続き、次の段階となる第2フェーズでは、熱設計電力が0.5ワットに抑えられたCPUを搭載したUMPCが登場。そして2009年にはより理想に近づいたCPUを搭載した第3フェーズ世代のUMPCが登場するだろうと阿部氏は語っている。
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