本機で気になるのは、やはり“テレパソ”的に、どの程度一体感のある使い方ができるかということになる。テレビは“AQUOS”そのものを採用したことで、映像クオリティは間違いないと思われる。
まず工夫されていると感じたのはリモコンだ。テレビとPCの両方の操作が行え、PC側/テレビ側のどちらで番組を視聴するさいにも、放送波切り替えやチャンネル切え替えなどの操作方法が統一されており、操作にとまどうことはない。テレビ側のチューナーで番組を視聴しているさいにも、「HDD/DVDレコーダー」「インターネット」「ライブラリ」「録画リスト」などのPC側で実現する機能のボタンを押すと自動的にPC側入力に切り替わり、機能ごとの画面が表示されるようになっている。なお、呼び出したPC本体側の機能を終了した場合には自動的にテレビ側に戻る……ほどシームレスではなかったのが残念だが、「TV」と「放送波」ボタンを押せばテレビ側のチューナー表示へ即座に切り替わるため、とりわけ不便ではない。
PC側でも、TV関連の機能はリモコンでほぼすべての操作が行える。「決定」ボタンを兼ねる中央のスティックでマウスカーソル操作が行え、マウスの「左ボタン」「右ボタン」もリモコンに実装する。また「終了」ボタンがアプリケーション終了(ショートカットキーの[ALT]+[F4]に相当)にあらかじめ割り当てられている。いちいちウインドウ上部の「×」ボタンまでポインタ操作せずに作業できるのはなかなか便利だ。
リモコン操作によるインターネット利用(Webサイト閲覧)も、単純にブラウザが起動するだけでなく専用のランチャーメニューを装備するのも、マウスとキーボードで操作する一般的なPCの使い方とは異なる本機ならではの工夫ポイントだ。任意のサイトをあらかじめ登録し、ワンタッチで目的のサイトにアクセスできる仕組みで、とりわけブックマークというより、Webサイトを「チャンネル」の1つとして登録し、扱うような感覚で操作できる。リモコンには「戻る」「閉じる」「進む」などのボタンを備え、全画面表示とウインドウ表示の切り替えのほか、一部分を拡大し詳細を見やすくする「拡大表示」も行える。オンデマンド動画配信サイトにおけるフルスクリーン再生時ももちろんリモコンで操作可能だ。
また、テレパソ的な機能として面白いのは「WEB情報」ボタンだ。このボタンを押すとPC側に画面が切り替わり、視聴中の番組の詳細情報と関連情報が表示される。よくある家庭用テレビやレコーダーなどに備わるEPG番組情報より詳細な情報が得られ、そのまま関連Webサイトへもアクセスできるのがポイントだ。さらにこの機能はPC側チューナーだけでなく、テレビ側チューナーで番組を視聴するさいにも有効で、自動的にPC入力に切り替わって表示される。
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