究極のCD-RWドライブ「Premium2」は本当に“究極”か(1/4 ページ)

» 2006年06月22日 17時30分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
photo プレクスター「Premium2」。価格は1万9980円(+D Shoppingで最安値をチェックする)

 DVD記録はおろかDVD読み出しも行えない、“CD-RW”ドライブが新たに発売された。

 今回紹介するプレクスター「Premium2」は、CD-R/RWの書き込みに対応する内蔵型CD-RWドライブだ。レコーダブルCDメディアへの書き込み品質に徹底的にこだわったという製品で、DVDメディアは書き込みはおろか、読み出しにも対応しない。同社製DVDドライブはCD記録の高品位さにも定評があるが、記録型DVDドライブの場合には光学系・駆動系ともにどうしてもDVD優先になるため、CDへの書き込みに対して完全に最適化するのは難しい。そのため本機は、CDへの書き込み品質、とくにオーディオCD記録品質に徹底的にこだわり、そのユーザー向けに開発された製品なのである。

 まず外観からチェックしよう。当然だが内蔵型ドライブなのでこれといって特徴的な部分はない。ただし、旧モデル「Premium」(関連記事参照)と比較すると奥行きが20ミリ短くなり、いまどきのスリム/コンパクトPCにも内蔵しやすいショートボディになった。また前面のベゼルも白/黒/シルバーの3色を標準で同梱し、ケースの色とマッチングさせやすい配慮も印象がよい。これらは性能とは直接関係ない部分ではあるが、徹底したこだわりを持つユーザー向けの製品であるため、このような細かな配慮は重要なのである。

 接続インタフェースはATAPIでUltra ATA/33対応と、これもPremiumから変更がない。HDDの場合、主流はSerial ATAインタフェースに移りつつあるが、光学ドライブに関しては無理にSerial ATAを採用しなくてもよい。最新マザーボードでも1ポートは光学ドライブ向けにIDEインタフェースが残されているし、書き込み用光学ドライブはセカンドPCで運用するいうユーザーも多いだろうから、現時点では正しい選択という気もする。

photophoto 不要な内部反射を防ぐ効果があるというブラックトレーを採用する(写真=右)。ホワイトのほかブラック/シルバーのベゼルも付属する(写真=左)
photophoto 本体奥行きは170ミリと短く、内部にスペースの少ないスリム・小型ケースなどへの搭載も有効(写真=左)。接続インタフェースはATAPIで従来通り(写真=右)

 バッファメモリは、いまどきではDVDドライブでも珍しい8Mバイトを搭載する。もちろんきちんと理由がある。本機は書き込み方式としてCLV/Partial CAV/CAV方式を速度に応じて切り替えており、いずれの方式も最内周部から最外周部まで中断なしに完全なギャップレスでの書き込みが行える。最大52倍速の高速書き込み時でも安定してギャップレス記録を行うには、この52倍速時でも約1秒ぶんのデータがバッファリングできる8Mバイトのバッファが必要なのである。

 例えばバッファアンダーランプルーフ機能を利用して書き込みを一時中断し、書き込み速度を変更して継ぎ書きを行うZone CLV方式でも基本的にはギャップレスだが、あくまで高精度に継ぎ書きをすれば「ギャップはないのと同じ」というだけである。それに書き込み速度の変更部分ではメディアの回転速度が大きく変化するためジッターという点でも不利だ。そのためCLV/Partial CAV/CAVの使い分けも8Mバイトバッファも、すべては書き込み品質向上のための採用であることがうかがえる。もちろん不意のトラブルでメディアを無駄にしないようバッファアンダーランプルーフ機能も当然サポートする。

 そのほか、不要な内部反射を防ぐ同社伝統のブラックトレーや、ドライブ内部のエアフロー改善による高回転時のメディアブレの削減、長期の利用を想定したメカ設計、電源部のコンデンサに“過剰品質”ともいえる音響機器用のそれを採用する(電源ノイズの削減を図り、安定動作につなげている)などの特徴も持つ。とくにメカ設計に関しては業務用製品も多く手がけてきた同社の経験則がいきる部分だ。スペックに現れない部分でもコストをかけているという点からも、やはり贅を尽くしたCD-RWドライブと言える。

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